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山形の僻地で「マタギの岩魚で日本酒を呑む会」をやってきた話

山形県最上町にある「une」という場所で「マタギの岩魚で日本酒を呑む会」というイベントをやってきた。「une」というのは、友達のやまかなさんという方が作った自由な空間、場所。もともとは公民館として使われていた施設を、コワーキングスペースだったり、こどもの遊具があったり、食堂があったりの、おもしろい空間にして、地元の人や外の人が自由に行き交うような素敵な場所にした。今回、僕も外の人として、自分が釣ってきた岩魚を燻製にしたものを「une」で提供させていただくことになった。2週間くらい広報した結果、秋田県の人はさすがに参加していただけなかったけど、地元山形の人が7人(内2人はやまかなさんご夫婦(笑))もイベントに参加してくれることになった。ほんとうにありがたい。

会場である「une」に着いたのが14時ごろで、会場の設営をしたり、きのこ汁を作ったり、火をおこしたりしていると、あっという間にイベントの開始時刻になった。続々と「une」にやってくる地元のおにいさんや、おっちゃんたち。岩魚の燻製にも日本酒にもすごく満足してくれたみたいで、めちゃくちゃ嬉しかった。2000円は安すぎるよと言われたけれど、みんながたくさん呑んで食べてしてくれたので、僕たちも十分にお金をいただきましたよ。ほんとうにありがとうございました。

このイベントのなかで特に売れ行きがよかったのが日本酒だった。それも秋田の日本酒をみんなほんとうに嬉しそうにのんでくれた。正直僕が持っていった7種の日本酒は秋田県の人だったら割と誰でも知っているようなメジャーなお酒ばかりだったのだけど、山形の人にはかなり珍しがられたのがすごく印象的だった。秋田に住んでいる僕たちが、秋田で山形のお酒を見ないのと同じで、山形の人も普段秋田のお酒を目にすることはほとんどない。自分達がメジャーでありふれたものだと思っているものが、一つ県を越えただけで、大きな価値になりうるんだという実感を得られたことが僕の中では大きな収穫だった。岩魚と日本酒の会を山形以外の他県で開催することもおもしろそうだなと思ったし、他県のお酒をもってきて、秋田で開催する、なんてこともたのしそうだ。

肝心の岩魚の燻製はというと、3匹ほどおかわりしていただいた。日本酒と一緒にこちらももっと売れ行きがよくなると思いきや、そこまで伸び切らなかった。
原因を考えていたのだけど、おそらくお酒をのみたい人にとって、岩魚の燻製は1匹で十分なんだろうという結論に今のところ落ち着いている。参加費2000円の中には岩魚の燻製1匹分の値段も含まれている。なので、みなさんには1匹は必ず岩魚の燻製を食べていただいている。見た目的には小さいけれど魚1匹と考えるとなかなかの量である。そうなると、のみたい人たちからすれば、「2匹目はいいかな。お酒だけで」と思われちゃったのかなあと勝手に推測している。まして、おむすびや、きのこ汁などもあったので、けっこうお腹は膨れちゃったのだろうな。
もし全く同じ企画をもう一度やるのだとしたら、参加費を2500円にして岩魚の燻製1匹の値段を上げたい。食べたい人はおかわりをしてもらえればいいけれど、基本はみんな1匹だけしか食べないよねーと想定しておければ、岩魚1匹の価格(価値)も変わってくるし(バクバク食べるものというイメージで提供するのではなく、1匹1匹を貴重に食べていただくものとして、食べ方をレクチャーしたりするなどしたい)、メインメニューではない付け合わせのことももう少し考えることができたな、と反省している。
そして、これは少し別の話だけど、酒飲みにとって、岩魚の燻製は1匹で十分である、という仮定が正しければ、今後お土産物として商品化する「岩魚の燻製」も売り方が変わってくる。1匹だと物足りないだろうから2匹、3匹をセットにして販売しようと思っていたのだけど、そうではなく、1匹それなりに大きいサイズの岩魚をめちゃくちゃおいしく作って売るほうが、買ってくれる人にとってもいいのではないだろうか、と考えることができるようになった。やっぱり生の反応を見れるのはめちゃくちゃ参考になる。

妻がオーダーをとったり、お酒を注いだりする役目をめちゃくちゃ果たしてくれていたのだけど、山形から秋田への帰宅途中で自然と「次やるんだったらどうすればいいかな」という話になっていった。システム的にもけっこう不備があって、もう少し効率的にできるところもあるし、逆にこのシステムは残したほうがいいのかも、みたいなことも見えてきた。「une」でまたやりたいのはもちろん、「une」以外の場所でもやれたら最高におもしろいだろうな。そして次やるときはもっと遊びも増やせると思う。何回も何回もやって次は少しでも良くなるように工夫していこう。

ということで、当日の様子を写真でお届け。

une 到着
きのこ汁の写真がなかったので、舞茸の缶詰の写真。
設営完了
火おこしも完了
日本酒。最高
続々とくる地元の人たち
みんな来てないけど集まった人だけで先に乾杯!
徐々に出来上がってくる人たち
妻作のいろいろ
妻氏頑張ってる、まじありがとう。
自分は黙々と岩魚を炙る
最終的にはこんな感じに。みなさん来てくれてほんとにありがとうございました。
打ち上げ。ここに行かずして、最上を語れない
乾杯!
ママの歌が最高のスナックおどりこ
ママのうたを聴きながらなぜか踊り出す横のおばちゃん

こんな感じでやってました。
「une」のある最上町はほんとうにいいところなので(写真はないけど温泉も最高なんです)、もし今回行きたかったけど来れなかった〜という人がいればぜひ2回目は来てくださいね。ていうか「une」に行ってみてください。

やまかなさんにこんな企画やりたいです、と声をかけて、「やりましょう、いつやりますか?」と一瞬でやることだけが決まったこの企画。ほんとうにやってよかったです。来てくれたお客さんもみんないい人たちばっかりでたのしかった。またいつか、2回目があったときはみなさんもぜひ来てください。
ということで、ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。またやるぜ。

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