コロナ禍での音楽界、コロナ後の音楽界

 コロナが蔓延し始めた頃から、パタッと社会が止まってしまった。もちろん音楽界も止まってしまった。

 一度止まってしまったものを動かすにはものすごいエネルギーがいる。バブル崩壊後、音楽界が本当に動き出すには3年から5年は掛かった。ただ規模は大幅に縮小された。
 今回のコロナ禍で社会がここまで止まってしまうと、なかなか元に戻らないと覚悟はしている。生きていると本当に色々なことがあるもんだと思う。

 だけど止まってる間に、ネットを通じて「新たな取り組み」が色々と生まれているのも事実だ。クラシック音楽でリモート収録は流石に厳しいとは思うが、音楽表現で「新たな見せ方」や「新たな聴かせ方」にチャレンジしている人がたくさん出てきている。さらに文化庁が示した支援策で、もっと新しいことにチャレンジしてくる人も沢山出てくると思っている。

 今や巨匠と称されるオーボエ奏者のハインツ・ホリガー氏も出たばかりの頃は批判だらけで、古い評論家からは一切評価されなかった。だけど時代が数年動くだけで評価はガラッと変わってくる。
 若い演奏家たちが「古典音楽」でどうやって新しい世界に導いてくれるのかすごく楽しみである。皆従来の価値観を覆してでも出てきてほしい。

 コロナで確かにすごい影響を受けているのは間違いない。だけどコロナがさった後、音楽界は間違いなく新たなステージを迎えていると確信している。

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