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みなかみ町に移住した決め手とその理由5つを赤裸々に語るよ

「どうしてみなかみ町に?」
今年さいたま市から群馬県みなかみ町に移住した私たち夫婦。
みなかみの人にも、移住前からの付き合いの人にもよく聞かれる質問です。

他の検討していた地域同様、移住を考えるまでみなかみ町には縁もゆかりも全くありませんでした。
前提として自然豊かな田舎に住みたいという願望はありましたが、そんな場所は日本中にあります。

そう、はっきり言って日本はステキな田舎だらけなんですよ。
空気が美味しいとか水がきれいとか美味しいものがたくさんあるとか、ぶっちゃけそうじゃない田舎を探す方が難しいんじゃないのってくらい。
つまりそれらは決め手にならないんです。
(それらを移住推進サイトとかにおらが村の売りとしてデカデカ書いてる市町村は今すぐブランディング考え直して…!)

では他の田舎とみなかみ町は何が違ったのか。
一言で言うと、少なくとも自分たちがプレイヤーとして数十年生きるステージとして「将来性のある田舎」だと思ったから。

日本はご存知のように少子高齢化の真っ只中にあり、すでに人口減少が始まっている国です。
多くの田舎は過疎が進み、消滅とは行かないまでも、インフラであったり生活する上で必要な設備や店舗の状況がこの先より良くなることを期待するのは難しいところが多いでしょう。

人が減っているという点ではみなかみ町(人口約18,000人)も変わりません。
特に子どもの減少は顕著で、今年町内3つの中学校が合併し1つになってしまったほどです。

それでも他に比べればその減少は比較的緩やかで、私たちがこれからの人生を過ごす上で困ることにはならないだろうと判断するだけの理由が、みなかみ町にはありました。
というわけで、その理由について書いていきたいと思います。

我々の移住条件スペック

その前に私たち夫婦の状況を簡単に。
基本スペックが移住イージーモードなので、情報がお役に立てない可能性が大いにある点については謝るしかない。ごめんなさい。

・アラフォー夫婦
・子なしで育児、教育について考慮する必要なし
・夫は月に1、2回東京へ出勤する必要あり(新幹線代は出る)
・私(フリーランス漫画家)はどこでも働ける
・二人とも運転免許あり
・柴犬1あり
・近い将来家を建てたい

こんなところでしょうか。
では理由を語っていきます。

理由その① 都心直結の新幹線と高速道路を有している

E7系が多いけどたまに緑の子も

みなかみ町には
・上越新幹線 上毛高原駅
・関越自動車道 月夜野IC/水上IC

があります。

ときどき東京へ出社する必要がある夫にとって、都心へのアクセスがいいことは必須条件。家から会社までのドアツードアで(しかも電車は座って)片道2時間以内で検討をしました。

群馬の最北端であるみなかみ町に移住したというとずいぶん驚かれますが、みなかみ町から東京駅までは新幹線で約70分。
そのくらいの時間電車を乗り継いで都心に通う郊外住みの方は珍しくないですし、距離はともかく時間的にみなかみ町はかなり都心に近いと感じていただけるのではないでしょうか。

インターが近いので高崎などの街に出るのも億劫ではないですし、また私の出身地は石川県、夫の出身地は神奈川県ということでどちらにも偏ることなく電車や車で駆けつけられる場所なのもありがたいです。

理由その② 人を呼ぶ為の観光資源が充実している

人気スポット谷川岳の一ノ倉沢

みなかみ町の自然はよくある「田舎の自然」にとどまりません。
百名山・谷川岳の頂に見守られ、利根川の源流が生まれるマジモンの大自然、もはや秘境とも言えるレベルです。

夏はカヤック・ラフティング・登山にキャンプにバンジージャンプとありとあらゆるアウトドアアクティビティ、冬はスキー・スノーボードといったウインタースポーツが楽しめます。
また「みなかみ18湯」と名付けられた温泉地がそこかしこにあり、旅行先としても人気です。

実際のところ、みなかみ町の主な産業は観光業です。
新幹線の駅や高速ICがあっても地元の人しか利用が無かったり、そこで降りて別のどこかへ行くための通過点では悲しいですが、みなかみ町はしっかり人が呼べる観光資源を持っているのです。

人口が減っても訪れる旅行客が一定数いる限り、そう簡単には廃れないだろうと考えました。

理由その③ 地震が少ない

揺れを感じると自ら机やテーブルの下に入るインテリジェント(びびり)な犬

日本全国どこにいても災害に合う可能性があるとは言え、首都直下型地震、南海トラフ地震がそう遠くない未来に起こる可能性があることを考えると、「家を建てる」ことを次の目標にしている私たちにとって土地選びは慎重にならざるを得ません。
その点みなかみ町は地震が少なく、揺れてもさほどではないというメリットがありました。

自分たちだけ安全な場所に逃げるのかという思いがないわけではありませんが、逆に万が一関東で何か起こった場合は家族をみなかみに呼び寄せることができます。

理由その④ 田舎特有の閉塞感が少ない

地域では若い方なので肉体労働への参加がめちゃくちゃ喜ばれました

田舎移住の失敗エピソードでよく聞くのが、地域にうまく溶け込めなかったという話です。
上から目線の都会風を吹かせるなど明らかに移住する側に問題がある場合も多いようですが、外部の人間や新しいことを寄せ付けない空気や閉塞感に耐えられず再び都会に戻った…という話はよく聞きます。

みなかみ町にも田舎特有のあれこれはあります。
特に私が今住んでいる地域は小さな集落で、引っ越し時は区長さんへの挨拶に始まり同じ班の全てのお宅に挨拶周りしたし、道普請(みちぶしん)という草刈り行事に参加したり、移住して1週間もすればどう話が回ったものか地域の人の多くに存在を知られていたり。

でも、その集落の人も他のみなかみ町の人も、移住して来たというと皆喜んでくれるんです。
朝晩犬の散歩に出るのですが、出先でもよく話しかけてもらえます。
かといって家に押しかけてきて話し込むわけでもなし、適度な距離感で見守ってもらってる感じ。

移住前に先輩移住者何人かに話を聞く機会があったのですが、閉塞感に関しては皆さん同じように感じていないようでした。
(ちなみにみなかみに移住して後悔していることなどデメリットも伺ったのですが、これがまあ全然出てこない!皆さん移住ライフを楽しんでおられました。)

田舎特有のあれこれを楽しむ気持ちさえあれば、温かく受け入れてくれる人が多いみなかみ町は風通しのよい「オープンな田舎」と言えると思います。

理由その⑤ 移住促進のサポートが手厚い&具体的

嫁ターン(奥さまがみなかみ町出身)の中山さん
みなかみ町での地域おこし協力隊を経て起業した鈴木さん

昨今は移住ブームということもあり、都会以外は全国どこの市町村のサイトを見ても「移住」の文字を見ることができます。
移住促進のためのサイトを別途用意しているところもたくさんあります。
ただ実態を比べると、そこにはかなりの温度差が。

みなかみ町はその点かなり頑張っています。
新幹線通勤補助の施策や、視察する際のレンタカー代補助、空き家バンク制度を利用して移住した際の家賃補助など、具体的なサポートも充実しているのですが、それよりも私たち移住検討者にとって何より心強い存在…。

それは人です。
具体的にはみなかみ町役場移住・交流推進担当の中山さんと、みなかみ町移住・企業チャレンジ支援をする(一社)FLAPの鈴木さんです。
近年のみなかみ移住者のほとんどが中山さんと鈴木さんに導かれており、私たち夫婦もSMOUTという移住関連サイトで、彼ら2人が毎月開催しているオンライン移住相談会に参加したのが全ての始まりでした。

彼ら自身が元移住者でぶっちゃけた話が聞ける、現地視察の際はがっつりアテンドをしてくれる、興味がある分野の町の人と繋いでくれる、みなかみ町住民(移住者含む)のFBコミュニティに招待してくれる、などなど、移住前はもちろん移住した現在も引き続きお世話になっています。


以上がみなかみ町に移住を決めた理由です。

正直、ここに挙げていない点に関しては他の検討地域の方が良かったというところはたくさんあります。
みなかみがパーフェクトだったわけではいし、どこも一長一短ありました。
例えば新幹線の条件がほとんど変わらない長野県佐久市は医療が充実してて天気がいいとか(でも面白みがない)、小田原市近隣は海も山もあって移住者多くて東京もめっちゃ近いとか(でも神奈川なので土地は高く希望の家は建てられない)、埼玉県飯能市は移住や家を建てる人へのサポートにすごく力を入れているとか(でも電車は混むし、自然はあるけど全然田舎じゃない)。

そんな中でみなかみ町への移住した最後の決め手は、結局「ここに住みたいと思ったから」だと思います。

みなかみ町への視察は、雪が降る地域であることを考慮し真冬である1月に決行しました。
正直、雪と寒さを体感することで一発で「ここは無いな」と判断する可能性もあると思っていました。(特に神奈川育ちの夫は)
けれどみなかみ町で過ごした2日間で、他の地域の視察では感じなかった「ここがいい」という気持ちが私たちに湧き上がったのです。

2人ともフィーリングだけで即決するタイプではないのでその後も粛々と残りの検討地域の視察を行いましたが、結局みなかみ以上に住みたいと感じた土地はありませんでした。

というわけで移住を決めたポイントを語ってみましたが、これらは全て私たちの「こうであろう」という希望的観測に過ぎません。
本当にその通りかどうかは住んでみないとわからないこと。

今はそれを見極めるための仮移住期間なので、1、2年住んでみてここに家を建てて本格的に次の人生のステージにするかどうかを考えていきたいと思います。

2ヶ月半住んだ今のところは、みなかみだーいすきですけどね!

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