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1事業の「拡大」をせず、暮らしとリンクさせて複数事業に「拡散」したい

 一時期私は、今『百漫画』としてやっているチーム制での漫画制作を事業としてもっと本格的に取り組み、人も増やして、拡大した方がいいんだろうかとずっと考えていました。
 商業漫画家になれなかった自分が、それでも漫画で生きていく道を切り開けた。それを他の漫画家志望や漫画が描ける人に伝えたかったし、私が事業として広げることでそういう人たちの受け皿にもなれて、やる意義があるような気がしていましたし。

 当然売り上げも増やせますしね。
 残念ながら私は漫画よりも企画やディレクションの適性の方があり、今自分が手を動かして描くことに使っている時間を営業に回せば、それなりに可能だろうという感触もありました。

 しかし結局やらなかったのは、それを心からやりたいとは思ってなかったからだと思います。
 だって私の座右の銘、「漫画描きつつ一生ダラダラ過ごしたい」ですからね…。

 当時ほぼ毎日広告漫画やフリーランス論的なブログを書いていて、広告漫画家になりたい人や起業したばかりの人からよく感想や相談をいただいていました。
 事業を拡大すればそういう人たちの役に立てるかもとは思ったけど、役に立たねば!という使命感まではいかなかった。自分でも描き続けたかったし。

 そうしているうちに気がつくと、私の思いなど関係なく、いつの間にか広告漫画家をやっている人やそれでちゃんと成功している人が増えてきまして。
「あ、これはもう別に私が頑張らなくてもいいかな」と考えるように。
(そんな同業者さんが増えた中でも今のところお問い合わせやご依頼が途切れないのは、10年以上自分なりにコツコツ続けてきた結果だと思わせてください。)

 そういうタイミングで一昨年移住の話が持ち上がり、ポッサムメリノをきっかけにエシカルな生き方・考え方への大きなシフトが訪れ、今次の人生の転機だなーと思っております。

 今後も別に漫画をやめて〇〇をやる!みたいな電撃重大発表は無いと思うんですが、漫画に関する使命感みたいなものが完全に薄れたのと、みなかみに出会えてこれから地域に根差して生きていく身としてはそこに見合った生き方をしたい、という気持ちがあり。
 家が建っているであろう2、3年後には、漫画家という肩書きだけでは収まらないもう少しフレキシブルな働き方をしている気がします。

 まあ住宅ローン始まるし、家建てたら2匹目の犬も飼うだろうし(保護犬の活動も力を入れたい)、社会に貢献したいという気持ちもあるし、稼げる分は稼がなきゃですけどね。

 仕事も暮らしもやりたいことに挑戦できるように。やりたくないことはできるだけやらなくていいように。
 頑張らずに済むよう、頑張りたいと思います。

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