後手戦法のお話(2023年版)

2023年もあと一か月を切りました。すっかりと寒くなりましたね。
今回は毎度お話している後手戦法のお話をしようかと思います。
※あくまでわたしの意見なので軽い気持ちで読んで頂ければ幸いです。

後手番はつらいよ~3四歩の採用の経緯~

前提として、後手番はつらいです。
実際先手勝率の方が若干高いのは周知の事実です。
コンピューター将棋界では、角換わり先手必勝なのではと話題になっていましたね。プロでも後手番をもって角換わりを避けるのはもはや不思議ではなくなりました。
わたしは基本的に居飛車党で先手でも後手でも飛車先を伸ばしていました。
しかし、最近は後手番限っては『3四歩』を採用しています。
その理由についてお話していきましょう。

矢倉という戦法について

「矢倉は終わった」という過激ともいえる発言から数年。令和の現代で矢倉は生きています。
というか、かなり厄介です。
少し話は逸れますが、皆さん将棋歴は長いでしょうか? わたしは5年程度で趣味という点から短いとは言えなくなってきました。
何故こんな話をするかと言えば、みなさん総矢倉に組み合ってから戦う将棋を通過してますか?
矢倉戦法の厄介さは、こういう所にもあります。
現代において、66歩型矢倉でしか得られない栄養素(経験値)は失われてしまいました
それを通過したかどうかで、矢倉戦での筋力は変わってくると思っています。
つまりまぁ、わたしは矢倉がとっても下手です!!!
先手で矢倉しようとしてる時点である程度詳しい。そんな人と戦いとうない!
相居飛車の将棋で良く出てくる横歩問題がわたしを悩ませます。

矢倉対策の最有力。流行の令和急戦を志向しようにも、横歩を取られる変化がどうしても嫌です。
だったら、こちらも33銀としてしまえば? そもそも雁木は? という話になりますが、わたしは矢倉も雁木も下手なのであまりにもしんどいという話です。

雁木という戦法について

「居飛車雁木でこれ一本」みたいな感じで、先手でも後手でもとりあえず組める雁木。救いを求めて雁木をしようと思ったこともありましたが、やっぱり受けが下手過ぎて駄目でした。
流行の37銀戦法、右四間飛車もそうですが……普通に矢倉にされたときどうしたら良いかわからなくなる。
わたしの中では、雁木はないというのが結論でした。
32銀型のまま戦う形も試してみましたが、勝率が低いのでやめました。
詳しくは下記の記事を見てください。

評価値的に悪くない、というのはミスしなければというのが大前提で力戦調のワンミスで悪くなる将棋はわたしには指しこなせませんでした。

横歩取りという戦法について

無理だァ……。
これが本音です。
後手で有力とされているのは、相横歩ですが、下記の局面で選択権が先手にあるのがとても嫌です。
先手的は77銀or77桂馬に絞って研究すれば良いという話ですね。

そもそも青野流が強すぎて後手をもってやる気が出ないというのが本音です。

相掛かり・角換わりという戦法について

この二つを一括りにするのは違うと思われるかもしれませんが、進行的に同じなので一つにまとめます。
正直な所そんなに悪い印象はありません。
後手角換わりは45桂馬速攻を注意した駒組をすれば即死することは多分ないと思いますし、ただ積極的に選びたいかと言ったら微妙。
この二つの戦法は、「別に好きでもないけど出されたら食べる」みたいな感じです。

まとめ:相居飛車

・矢倉と先手横歩と戦いたくない。
・相掛かりと角換わりなら受けても良い
というのが総括でした。

後手なら振り飛車も良いかも

プロ棋界

居飛車党の豊島先生、佐藤天彦先生、羽生先生も振り飛車を採用し始めたことで話題になっていましたね。実際勝ち星も挙げていることから、後手番だけ振り飛車採用はアリなんじゃないかと思っています。

端歩問題

この端歩を相手が受けてくれば雁木、突きこせるのであれば振り飛車と選べるのが理想ですが、理想はあくまで理想です。

相振り飛車という選択肢

先手中飛車や早石田に悩まされていましたが、相振り飛車という対抗策は居飛車党の利を生かせるのではないかと考えます。
感覚的に相居飛車なんですよね。
早石田は角交換して向かい飛車にする展開にします。結構勝ちやすい印象です。
先手中飛車に対しては考え中です。羽生先生は相中飛車にしていました。
藤井猛先生はいずれ角交換して向かい飛車になると動画で言っていたので、最初に飛車を振る位置はあんまり考えなくて良いのかもしれません。

対抗系での知識転用

居飛車党の皆さん。飛車を振るなんてけしからん、とか思っているかもしれません。
しかし、一度手を胸において振り返ってみてください。
対振り飛車の勝率100%ですか? 負けてますよね?
……まぁ、中終盤強い方が勝つゲームなんでね。将棋。いや、参ったね。

今の所後手振り飛車で有力だと思っているのが、角交換四間飛車、ノーマル四間飛車、ノーマル三間飛車(43銀型)です。
理由としては、先手居飛車をもって面倒だと思うからです。

ただ、まぁ苦労は多いことでしょう。
ノーマル四間飛車に関しては対抗策が多数あります。
・急戦(45歩早仕掛け、左銀・右銀急戦)
・持久戦(穴熊、銀冠穴熊、ミレニアム)など)
そのすべてに対応しようというのはちょっときついなーという感じです。
ただ、後手居飛車もっても同様にきついことに変わりはありません。

居飛車党が痛感する難点

大抵の皆さんは検討に将棋ソフトを使っていると思います。
居飛車党が対抗系の検討をするとき、居飛車視点で「ああ、ここミスなのね」みたいな感じで正解を教えてくれるものですが、振り飛車を指す場合は今までの感覚で正解を探すのが大変だなーと思います。
棋書に頼ってどうするか考えないといけないのかもしれません。

今回の総括

後手戦法は何してもきついから、対抗系の勉強のためにも飛車振ってみるのも良いのかなーという感じでした。振り飛車の本も最近多く出版されてますし、居飛車党の皆さんも振り飛車に振れてみると良いかもしれません。
初心者の頃に戻ったかのような新鮮な感覚を思い出すことでしょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?