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水素バスの使命

Hydrogen to X(以下Hx)は「水素エネルギー業界をさらに盛り上げる」というMissionをもち、水素エネルギーの情報発信を主にし活動しています。

SNSに上がる水素エネルギーの話題として最も多いのが、水素とモビリティ、とりわけ水素バス(燃料電池バス)であるように感じます。

https://twitter.com/start_xwinsh/status/1657306999623909381?s=20
https://twitter.com/mainichi_Osaka1/status/1656953334895632384?s=20
https://twitter.com/s324Neznaika/status/1652878748302311426?s=20
https://twitter.com/chappin175s/status/1654683445384323075?s=20

そこで、このNote記事では、水素バスが開発された経緯や今の現状、そして水素バスがどのように社会を変えていくのかについてのHxのリサーチを公開します。

”Clean Mobility”の全体像(*1)

水素バスの経緯・現在の運行状況

水素バスは、2003年に東京都が世界初の商業運転を開始して以来、徐々に日本全国に広まってきました。


2003年に試乗された、燃料電池ハイブリッドバス(*2))


現在、日本国内で運行されている水素バスの台数は2022年時点で約120台で(*1)、東京、広島、岡山、福岡などの都市で運行されています。また、東京オリンピック・パラリンピックでは、水素バスが公式輸送手段としても採用されました。
(選手村地区エネルギー整備計画はこちらから:https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/bosai/sensyumura/energy/

2023年4月には福島にて水素バスがスクールバスに採用されるなど、一層身近になってきています。


福島県浪江町で導入された、「FCスクールバス」(*3)。

以下の図は2030年時点での燃料電池バスの運用予想を示しています。関東・中部・近畿・九州を中心に普及し、台数は2022年の約10倍、1200台近くになる予定です(*4)

2030年時点での燃料電池バス普及状況試算(*1)

以上のように、水素バスは2003年に試乗されて以来、より多くの場所で利用されるようになってきました。

水素バスに期待される使命

このように徐々に普及している水素バスにこれから期待される一番の役割は、運輸産業での環境負荷の低減です。水素エネルギーは排出される物質が水と酸素のみであること、窒素酸化物などの有害物質を排出しないこと、また騒音が小さいことが特徴です。

これらに加えて実はもっと重要な水素バスの役割は、一般市民の水素への関心・印象を向上させることではないでしょうか?

道を何気なく歩いていると、横を青や白を基調とした水素バスが通っている。音がとても静かで、車特有のガソリンの匂いもしない。そんな光景を毎日見る。

水素に愛着感が湧き、エネルギーシフトを身近に捉えるきっかけになると同時に、水素バスから、水素、未来のモビリティ、クリーンエネルギー、カーボンニュートラルへとどんどん関心が広がっていきそうです。

現在水素エネルギーの普及・推進において、行政や企業による施策と市民の生活や感覚とが乖離しており、なかなか各施策が生活者の実便まで普及しきってないのではないかと思います。

そのようななかで、水素バスに課された一つの使命が、「水素に対する人々の関心や印象を良くしていく」ことなのではないかと思います。

参考資料
*1:https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/energy/nenryodenchi_fukyu/pdf/003_03_02.pdf
*2:http://www.kumikomi.net/archives/2003/04/06fuel.php
*3:https://www.minpo.jp/news/moredetail/20230415106395
*4:https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1192225.html


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