見出し画像

ドラえもんは硬いのか?

 小田急線の登戸駅で下車すると、改札口の一角にかなり大きめのドラえもんのフィギュアが設置されていることに気づく。

 「なぜ登戸駅にドラえもん?」と不思議に思って調べてみると、どうやら登戸駅は藤子・F・不二雄ミュージアムの最寄り駅であるようだ。かつてドラえもんの原作者の藤子・F・不二雄が近くに居を構えていたことから、登戸の地にミュージアムを建てることになったそうである。

 こうした背景から、小田急電鉄としてもこのミュージアムに少しでもあやかろうとしたのか、駅構内の色々なものをドラえもん仕様に改装することにしたらしい。

 例えば、ホームの駅名表示もドラえもんカラーになっているし、電車が発車する前には一昔前のアニメの主題歌のメロディが流れる。また、改札を行き来するエレベータのドアにも「どこでもドア」のペイントが施されていたりする。これからミュージアムに行こうとする人たちからずれば、駅に降り立った瞬間からドラえもんの世界が広がっていると、ミュージアム訪問にむけてテンションも俄然高まるというものだろう。

 僕個人は敢えてミュージアムに足を運ぶほどのコアなファンではないが、ドラえもんが当初は猫型ロボットとして製作されたことくらいは知っている。また、彼にはもともと耳がついていたが、ある日ネズミに齧られて両耳を失ってしまったという個人?のトラウマ的な歴史に関することも。

 冒頭に紹介した登戸駅の改札スペースにあるドラえもんフィギュアの頭をぽんぽんと軽く叩いてみると、おそらく合成樹脂かなにかでできていて相当な硬さがあった。まあこれは飽くまでフィギュアであるため、当然本物のドラえもんとは異なる素材でできているのだろう。しかし、21世紀現在の常識で考えるならば、ドラえもんの表面は金属で覆われているのではないかと察する。

 一方で、ネズミにどれくらいの噛む力が備わっているかは知らないが、ネコ型ロボットの両耳を青ダヌキになるまで齧り取るからには、金属のように硬度の高い素材が使われている場合、ネズミも文字通り歯が立たないのではないかと思える。おでんのハンペンくらいとまでは言わないが、せめて消しゴムくらいの硬さでなければ、どんなに丈夫なネズミの歯でもキツいのではないだろうか。

 なんだか少しだけ「矛盾」の故事のような話になってしまった。

 また、ドラえもんはのび太と一緒にジャイアンにボコボコに殴られているようなシーンもあったような気がする。しかし、ジャイアンがドラえもんの装甲の硬さに拳を痛めたというような描写も見たことがないので、ここでもドラえもんはあまり硬くはないという事実を読み取ることができる。

 そうなると、ドラえもんの表面には21世紀に生きる我々がまだお目にかかったことがない新素材が使われているということになるのだろうか?

 おそらくドラえもんに詳しい人であれば、ドラえもんがどんな素材でできていて、触った時にどんな感触がするのかまで正確に把握されているのだろうが、そこまで調べる気もないので、謎は謎のままにしておきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?