数学ギョウザ(408文字)ショートショートnote杯
小坊主が、和尚さんに聞いた。
「和尚さん、帰る途中に中華料理店があって、数学ぎょうざ始めましたって書いてあったのですが、どんなぎょうざなのでしょうか?」
「店主がおっちょこちょいで、漢字を間違えたのだろう。
素・有学・ぎょうざと書きたかったのだろう。
素とは、ただの取るに足らないという意味だ。素うどんのすだ。
仏教の「無学」は「学び尽くして、もはや学ぶことがない」という意味。
学ぶべきがある人は有学だ。人間は皆、有学の徒だ。
そして、ぎょうざは、紀元前5000年のメソポタミア文明で食べられている古くからある食べ物。
つまり、古くからある食べ物を食べながら、我々凡人は、まだまだ学ぶべきものがあるということを自覚すべきだという教えを含んだメニューなのじゃろう」
「なるほど、勉強になりました」
その頃、中華料理店では
客「数学ぎょうざって何か意味があるの?」
「あるわけないだろ、世界史シュウマイ
物理肉団子、化学八宝菜、
全部ノリだよ」
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