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シンスウリンを待つ地獄を想像して泣いているという話。

予め言っておきますが、私はアニメ版BANANAFISHしか履修していませんのでご了承ください。

おはようございます

年が明けました

ガキ使でも紅白でも歌謡祭でもなく、BANANAFISHを観ていました。どうしても年内に納めたくて。紅白が流れるリビングを横目に自室でパソコンで。。

観終わった最初の感想は、思っていたよりも幸せなエンディングだった。です。鬱アニメだという前評判と泣くという話で心してみていたので。こういう言い方はアレだがああそうだよねってなるまるい終わり方。覚悟して恐る恐る見ていた私には、ハッピーエンドとは言えずとも必ずしもバッドエンドではなかったのではないかとさえ思えた。余韻を残しながらカウントダウンして年明けを迎えた。新年の挨拶連絡もひと段落して、シャワーを浴びながら考えたのはシンスウリンのことだ。

シンスウリンはいいぞ

登場人物が悉くアッシュに魅了されていくように、例のごとく私も彼に惹かれた。それは自明の理なのでここでは割愛。次点で好きだったのがシンスウリンだ。アッシュに憧れていて人を憎み切れないチャイニーズのボス。小柄でオーバーサイズの服を着ていて細身の短髪。人情があって実は頭も切れる。え。かわいすぎん???アッシュが大人びているのもあるが、少年と青年が同居していて誰よりも”アメリカ”感が薄い。戦闘してるところはもちろん格好いい。しかしかわいい。

とにかく彼になんとなく惹かれていたのだが、最終回を嚙み砕くにつれどんどん彼を待つ地獄に頭を占拠された。ボスであるショーターを殺され、仲間から裏切り者が出て、死を覚悟する。作中、怒りや葛藤の描写はあったが彼に悲壮感が漂っていたことはほぼない。


描かれない地獄の辿り着く先

右腕で兄だったラオウがアッシュを殺し、そしてそのラオウも死んだ。それを知った時のシンを考えると今書きながらも涙が出てくる。本編では一度も泣かなかった。

きっとシンはアッシュを責めたりはしない。仲間から外すことで、兄を守れると思ったのに、すべてを守りたくて、そのために負け戦を申し込んだのに。やっと全てが終わって、仲間はもちろんアッシュも英二も無事だったのに。守りたかった人間を守りたかった人間が不必要に殺してしまった。自分を守るために。そのすれ違いが、悔しくて悲しくて苦しくて仕方ない。

ボスも兄も憧れの人も失った。

やりきれない気持ちが

裏切った上司すら憎めなかったシンの怒りの矛先が

自分自身に向くことを想像することはあまりに容易い




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