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「受験生の母の悩み」に受験生が答える

●明るい悩み相談室

人の「悩み」はそれぞれ違うもの,
でもどこかであなたの心にふれる何かがあるかも知れない。
「悩みの解決法」は人それぞれ違うもの,
でも時には自分以外の誰かが新しい選択肢を教えてくれると,
自分ではどうにもならないと思いこんでいたことが,
すっと解決できてしまうかも知れない。
―― おなじみのフレーズで始まる「明るい悩み相談室」,
今回は,「受験生の母」のお悩みに答えてもらいました。

●「受験生の母の悩み」

子どもが受験生です。
親としても初めてのことなので,
どうしたらよいか分からずオロオロするばかり。
勉強をしている様子が見えないときも,
やんわり声をかけた方が良いのか,叱ってでも勉強させた方が良いのか。
志望校は本人に決めさせた方が良いのか,親がどんどん進めた方が良いのか。受験生にはどんな言葉をかけてあげたらいいんでしょう。
こんなことを大切にしろ,こんなしつけをしたらいいなど何でもいいので,我が子へのメッセージを教えてください。        
                       (受験生の母 さん)

●受験生が答えます

さて,自分が親になったとして,もし自分と同い年の子どもがいたとしたら,あなたはどう言いたいですか?思いつくままに書いてみてくれませんか。また,あなた自身が親に言われて嬉しかったことや,言われたかったことでもかまいません。

答えは一つじゃない
どの親でも悩むことだと思う。子供にはそれぞれの性格があるから,答えは一つじゃないと思う。(略)   (むらさきさん)
―― その通りですね。5組のみんなの相談への回答も,一つにまとまらずさまざまでした。それでもいくつかの共通点が見られました。
パターン別に紹介します。

A.子どもに任せる

・子供の自由にするのが一番いいと思う。      (鮪さん)
・黙っていた方がいいと思う。 (きゃりーぱみゅぱみゅさん)
・自分のことは自分でやるからほっておいていい。あとで後悔するのは自分
 やし。       (Mサイズさん)
・最初から,「自分の行きたい高校に行っていいよ」って言われたかっ
 た・・・。    (ギータさん)
・(略)「親が何も言わないから,自分は勉強しなくていい」と思う人なん
 て,入試が近くなったらいなくなると思う。
 だから,何も言わない方がいい。         (とくめいさん)
・私は今まで親に「勉強しろ」と言われたことがありません。逆に,親から 
 「よく勉強したね,えらいね」とほめられたこともありません。(略)ほ
 められたくて勉強したけれど,まだほめられたことがありません。だか
 ら,もっと頑張ります。プレッシャーになるような言葉は必要ないと思い
 ます。                     (とくめい希望さん)

―― 大人だって,昔は子供。
親にアレコレ口出しされて,うるさいと感じた経験はたくさんある。
それでも,自分自身がしてきた後悔を,子供にはさせたくないと思うから,ほっておけない。つい「転ばぬ先の杖」を差しだしてしまう。
その時ようやく,昔「うるさい」と感じたはずの親心が理解できるようになるのかも知れません。

B.怒らずに見守って欲しい

・普段はあまり受験の話しはしない方がいい!自分も入試前とかは,あんまり勉強に関して話さなかった。終わった後の話をたくさんした。 (?さん)
・いちいち口出さないでもらいたい,黙ってて欲しい。勉強のじゃまはしな
 いで~。   (とくめい希望さん)
・(略)おもしろい番組を見ていれば,子供が勝手に寄ってきて,自然と笑
 顔が弾む。家族との仲が良くなれば,子供も安心して勉強を出来る。                                     
                 (ポアンカレ&ピタゴラス伯爵さん)
・(略)親は美味しいご飯を作って,子供が頑張れるような家庭を保っていれ
 ばいいと思う。          (?さん)

―― 「美味しいご飯を作ってあげてください」
実はボクも,電話で悩みを打ち明けてくれたあるお母さんに言いました(^_-)。親に出来ることは,何より環境を整えてあげること。
ボクの家はボロで狭く子供部屋なんてない。
家族みんなで食事をしたりテレビを見たりする居間に
ボクと姉の机が置いてある。
でも、ボクが受験勉強を始めると,すっとテレビの音量を下げてくれたり,みんなで心づかいをしてくれた。
無言の励ましを,毎日毎日受け取っていたボクは,
今思えば,幸せ者でした。

C. 時にはアドバイスを

・まず前提が間違っている。親が自分から何かを言う必要はない。 
 子供から言われた時は,勿論,何か答えなければいけない。 
 その場合の答えは自分で考えなければいけない。
 自ずと言葉が浮かび上がってくるはずだ。  (わたしのお名前さん)
・(略)ガンバレとか言ってもらうとうれしいけれど,言い過ぎるとムカツク
 かも。    (とくめい希望(^^)さん)
・私は,応援して欲しいけれど,プレッシャーはかけてほしくない,という 
 複雑な思いの中で受験勉強をしていました。
 あなたのお子さんも,あなたと同じくらい苦しんでいると思います。悩み
 や思いを相談されたときは真剣に聞いて,冷たい言葉をかけなければ,
 それだけでお子さんは,少し安心すると思います。
                (ディズニーランドに行きたい!!さん)
・(略)自分の受験の時の経験とか教えてあげれば良いんじゃないかな~                             (?さん)
・「がんばって」と一言いう。
 そして,親の意見を言いつつ,子供の意見も聞く。 (とくめい希望さん)
・自分が後悔しないように頑張りな!! 自分なりに頑張れればいいじゃん。                           (ジョウカーさん)
・緊張は友だちだよ。悩む時間があるなら,勉強しろ。
 大丈夫,いつだって応援しているから。受験を受けること自体が,
 大人への一歩だからね。結果は後からだ。      (市川龍二さん)

―― 「黙っていて」「見守るだけでいい」と言いつつ,本当にそれだ
けだったら,困るのは子供。素直には聞いてくれないかもしれない
けれど,人生の岐路でもらった一言は,その後も生きつづけます。

―― 以上です。
読んでいてお分かりになりましたか。
これは「受験生の母」の悩みに,現役受験生である中学3年生がおこたえする(アドバイスをする)という企画です。ちなみに,「受験生の母」の悩みは本物です

どうでしたか,中学生のおこたえは。
なかなか読みごたえがあったのではないでしょうか。

ボクは「明るい悩み相談室」と銘打った道徳の授業を展開してきました。
新聞や雑誌に掲載されたお悩み相談の投稿を,中学生に読んでもらい,
それに対して〈おこたえ〉を書いてもらうという授業です。
〈おこたえ〉は集めて,その時間内に読み上げます。
ボクは軽くコメントをするだけ。良い・悪いの評価はしません。
後日まとめて,このように学級通信として発行していました。
(ここまでを含めて道徳の授業だと思っていました)
なぜこんな授業を思いついて展開してきたかは,いずれまた書きますね。

長文となりましたが,最後までお読みいただきありがとうございました。




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