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入学おめでとう1年〇組スタート

●入学おめでとうございます

1年〇組の皆さん,あらためて入学おめでとうございます。
あなたは今,どんな気持ちで席に座っているのでしょうか。
期待にワクワクしている!? 不安でドキドキ!? その両方!?
誰(だれ)もが中学生になって,ちょっぴり大人になったような〈誇(ほこ)らしさ〉と〈照(て)れくささ〉を胸に抱いているのだと思います。
今日は,そんなあなたが新しい仲間(先生)と教室で出会う最初の日。

「よき出会いを」--そう,いろいろな出会いがあるけれど,ボクは人との出会いがあるたびに,いつもこの言葉を思い出すのです。
そして,いつも「この出会いを大切にしなくっちゃ!」と,自分に言い聞かせるようにしています。
今日のあなたとの出会いも,ボクはもちろん大切にしています。
1年間どうぞよろしくね。

● 輝いて!自分のスバラシサを発見しよう

あなたはどんな小学生でしたか?どんな思い出がありますか?
「友だちがいっぱいいたよ。先生もステキだったし,いいクラスだったよ」という人もいれば,その反対で「思い出したくない,ツライことの方が多かった」という人もいるでしょう。
だがしかし,だがしかし--すべてはもう「過去のこと」。

楽しい思い出の多かった人は,大切に胸にしまっておきましょう。
でも,まだ若いのに,いつまでもいつまでも昔を懐(なつ)かしんでいるようじゃ,進歩が止まってしまうよね。
ツライ思い出の多かった人はキレイさっぱり忘れてしまいましょう。
新しい学年,新しいクラス,環境が変わった今こそ,ちょっぴり変身のチャンス!
そう,〈いい出会い〉には〈新しい自分〉との出会いもふくまれるのです。
あなたが〈新しい自分〉と出会う--その手助けをするのがボク(教師)の役割だと思っています。
たとえば授業では,社会科・道徳・HRなどで,できるだけキミたちのノ~ミソが思わず動き出しちゃうような〈たのしい授業〉をするように心がけるので,あなたもどうぞ張り切ってください。授業の中で〈自分のスバラシサ〉や〈他の人のスバラシサ〉の発見ができれば,授業はとってもたのしい時間になると思いませんか。

キミたち一人ひとりがキラリと輝く時を,
ボクはいつも一番楽しみにしています。

● 知らない関係シメタ

クラスの中にあまり仲良しの人がいない人は,少し不安でしょうね。
でも「あまり知っている人がいない」ということはある意味では とても都合(つごう)のいいステキなことなのです。
「自分の欠点,イヤなところを,周り(まわり)の人はあまり知らない」と思うと,何だかホッとしませんか。
そして「よし,この出会いをきっかけに,自分のイイところをもっと伸ばしてみるか。気に入らなかったところとはスッパリおさらばしちゃおうか」などと大胆(だいたん)なことも考えられるようになる気がしませんか。

そう,今はチャンスの時。
〈新しい自分〉と出会うチャンスが目の前に広がっているのです。
もちろんすぐにうまくいくわけなんてない。
「あれ~,アイツ突然どうしちゃったの」なんて声が聞こえてきて,
「やっぱり自分が生まれ変わるなんて無理なんだ」と自信を失うこともあるでしょう。
でも,人間はそうやって落ち込んだり,失敗したりするのがアタリマエ!
ボクだって,大人になった今もヘマをしたり,ツッパッてしまったり・・・
我ながら「情けないなあ~」と思うことがしょっちゅうあります。
それでもあきらめず,「明日はもう少しマシな自分になろう」とチャンスを狙(ねら)っているのですよ。
人間って,けっこう強い!!
いつでも・どこからでも新しいスタートを切ることができる。
ボクはそう信じています。

● いまから・ここから

今日からボクとキミたちで新しいクラス「1年〇組」をスタートさせます。これからの1年間楽しいことがいっぱいあるといいですね。

そのために,ボクからお願いが一つあります。
まず「グチ」はやめて欲しいなあ。
「仲のよかった○○さんと別のクラスになっちゃった。サイアク~」
「ゲゲッ仲の悪かったアイツと一緒だ,勘弁(かんべん)してよ~」・・・
人それぞれあるでしょうが,そういった「グチ」はできたら「今日だけ」,それもクラスの人の聞こえないところで「こっそり」としようね。
そうでないと言われた人はいきなり傷(きず)ついちゃうし,
周り(まわり)で聞いている人だってイヤ~な気持ちになってしまいます。
「他人に失礼なことはしない」--人間関係の基本だよね。

すべては「いまから・ここから」
お互いが過去にこだわらないようにして,
今日から新しいスタートを切りましょう。

● 保護者の皆様へ

担任になりました(      )です。
「子どもが無事に学校で生活して欲しい,できればカシコクなって欲しい,学校の話をするときは笑顔で輝いていて欲しい」というのは親も教師も共通の願いだと思います。
この共通の思いを大切にしながら,皆様と手をつなぎ合っていきたいと思っています。
教師(ボク)は学校で,おうちの方はご家庭で,
それぞれ〈子どもの笑顔〉を楽しみにして連帯する。
そんなステキな出会いを1年〇組のお母さんお父さん方ともしてみたいのです。1年間どうかよろしくお願いします。

この「紙風船」は,ボクが気まぐれに発行する学級通信です。
今日は特別版ですが,ふだんは2~4ページで気楽に発行しています。
お読みになられた感想やご意見をいただくのはボクは大好きですので,
メモでもかまいませんからお気軽にすっすっと書いてお寄せいただけるとうれしいです。

―― 以上です。
新中学1年生を迎え入れる「最初の出会い」で発行しています。
ボクの勤務地域では入学式後の教室に保護者の皆さんもやってきて参観していきます。その時間を事務作業だけでこなしてしまうなんてもったいなさ過ぎます。新入生と保護者の皆さんがそろったタイミングで,この通信を読みます。いわば,ボクにとっての「施政方針演説」です(社会科のセンセイっぽいでしょ)。新2,3年生の場合は「進級おめでとう」と題してほぼ同じ内容で発行します。下手すると毎学年3回連続同じような通信を手にする生徒が出ますが,誰も気にしません。「一番大切なことは,一番最初に,そして繰り返し伝える」--ボクが学んだ極意です。

ちなみに,この通信は小原茂巳(おばら・しげみ)氏(仮説実験授業研究会現代表・明星大学講師)が中学校の現役教員時代に発行したものをマネさせていただいています。

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