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反知性主義の危険性とは?わかりやすく解説!

反知性主義とは簡単にわかりやすくいうと、

「学問」「教育」「科学」「論理」を軽視し、「感覚」「感情」を優先する考え方です。

もっとわかりやすく一言でいえば「反知性主義者=とても現代人とは思えない脳みそが足りない原始人」ということです。

↓事例としては、この漫画がわかりやすいでしょう。


もともと反知性主義とは「反権威体制」「反エリート体制」という意味が強かったのですが、現代の日本では「反知性主義=エビデンスや科学的根拠がない感情論を語る者」という文脈で使われていることが多いです。

世界で使われている意味と、日本で使われている意味が少し違うので注意が必要です。


科学・エビデンス・統計等の「ファクトフルネス」が重視される現代社会において、反知性主義は大変危険な有害思想であることは明確です。

昨今はITやAIなどのテクノロジーの進歩が著しく、職人や肉体労働者であっても感覚だけで仕事をするわけではなく、テクノロジーやIT機器を有効活用できる知性やリテラシーが必要なことは言うまでもありません。

現代の文明社会で反知性主義などは成立しえないのです。


このような主義を語る者は、学歴や知性にコンプレックスがあるのでしょう。または、自分に科学リテラシー・情報リテラシーが足りない自覚があるのかもしれません。

自分にはない才能を持つ者に幼稚な嫉妬心を燃やし、才能を持つものが動かす社会を否定的に捉えることによって、自尊心を維持しようとしている残念な人達です。

ネット等で反知性主義者をみかけても、近寄らないことをオススメいたします。


反知性主義が社会へもたらす悪影響とは?

反知性主義が社会へもたらす悪影響は甚大です。

この考え方は科学や知識を軽視し、主観や偏見を優先する傾向があります。その結果、正確な情報や客観的な視点が軽視され、誤った情報やバイアスが蔓延しやすくなります。

さらに、反知性主義は教育や研究を後退させ、偽情報や迷信が社会に蔓延する土壌を育てる可能性が高いと言われています。

例えば、医学や科学の知見を無視して疑似科学や健康被害をもたらすような「代替医療」を信じる人々が増加するかもしれません。これにより、健康リスクを冒す人が増え、医療機関の混雑や医療費の増加といった社会問題を引き起こす可能性があります。


さらに、政治的な決定においても反知性主義が影響を与えることが懸念されます。客観的なデータや専門家の意見よりも、「感情」や「信念」が重視される政治が行われる可能性があります。これにより、的確な政策の策定が難しくなり、社会全体が混乱と停滞に陥る恐れがあります。

また、技術や科学の発展も阻害される可能性があります。反知性主義が蔓延すると、研究開発への投資が減少し、革新的なアイデアや技術が生まれにくくなるでしょう。これにより、社会全体が未来へ向けた成長や発展の機会を失う可能性が生じます。

知的発展は、人類が新たな知識を獲得し、問題解決能力や創造性を向上させる上で重要です。しかし、反知性主義の広がりによって知的探求や学習意欲が低下し、知恵や知識の蓄積が妨げられる可能性があります。それによって、社会全体の知的レベルが低下し、持続的な知的発展が阻害されるでしょう。

科学は客観的な観察や論理的思考に基づいて進化し、人類の知識を拡大させてきました。しかし、反知性主義が台頭することで科学的根拠に基づいた議論や研究が軽視され、科学的真実が歪められる可能性があります。これによって、偽の情報や誤った理論が流布し、科学の進歩が阻害される恐れがあります。


最も深刻なのは、知的好奇心や批判的思考が鈍化し、個人の成長や社会全体の進歩が妨げられることです。知性と知識は、社会を豊かにし、発展させるための貴重な資源です。

反知性主義が教育に及ぼす影響の一つは、学ぶ意欲を阻害し、成長を妨げることです。知識や教養を身に付けることが重要であるという教育の理念が薄れるばかりか、無知や無学を美徳とする風潮が育まれてしまいます。その結果、生徒たちの興味や探究心が失われ、学ぶ意欲が減退してしまうのです。

また、反知性主義が教育に及ぼす影響のもう一つは、思考力や問題解決能力の低下です。知性を尊重し、論理的に考える力を養うことができない環境が広がれば、個々の思考力や批判的思考能力が低下し、情報に対する正しい判断ができなくなってしまいます。これが教育現場で蔓延すると、社会全体の知的レベルが低下する恐れがあります。

さらに、反知性主義が教育に及ぼす影響は、価値観や倫理観の歪みをもたらす可能性があります。知の重要性を無視して、むしろ無知を称揚する風潮が広がると、正しい価値観や倫理観が曇り、良識や公共心が失われる恐れがあります。これによって、社会全体が混乱し、偏った価値観が浸透する危険性も孕んでいます。

このように、反知性主義が教育に及ぼす影響は非常に深刻であり、その影響は将来の社会や文化に大きな負の影響を及ぼす可能性があります。反知性主義がはびこる社会では、真理の追求や啓蒙が封じられ、停滞状態が続く危険性があるのです。教育現場においては、知性と知識を尊重し、学ぶ意欲や思考力を育むことの重要性を再認識し、反知性主義に立ち向かう必要があるのです。


総括すると、反知性主義は知的発展や科学の進歩に極めて深刻な影響を及ぼす可能性があると言えます。

知的探求や科学的思考を軽視することで、真実の追求が妨げられ、社会全体の知的レベルが低下する恐れがあります。そのため、反知性主義への対処と、知の価値を再認識する努力が重要であると言えるでしょう。


反知性主義→感情論→ポピュリズムと連動しやすい

さらに、反知性主義は感情論→ポピュリズムへと流れやすいのです。

感情論の問題点は、感情に基づいた主張や判断が客観的でなく、論理的な議論や意思決定を阻害する点にあります。感情論には一時的な感情の影響を受けたり、偏った見解を持つことで客観性が損なわれるリスクが存在します。また、感情論という立場からの主張はしばしば主観的で、客観的な真実を見失う傾向があり、その結果、論争や対立を生む原因となり得ます。

感情論による意思決定の誤りの1つは、「情緒的先入観」に基づく行動です。感情によって歪められた観点から事柄を判断することで、客観的な評価が阻害され、誤った結論に至ることがあります。例えば、過去の経験や感情的な結びつきから、本来の事実とは異なる解釈をすることがあります。

また、感情論がもたらす意思決定の誤りのもう1つの例として、「情動の高まりによる行動の暴走」が挙げられます。感情が高ぶると、冷静な判断力が欠如し、短絡的な行動を取ってしまうことがあります。このような状況下では、十分な検討を重ねることが難しく、後に後悔する可能性が高まります。


このような問題が生じる背景には、人間の感情が思考や判断に深く関わっているために、感情論を排除することが難しいという根本的な原因があります。

感情論の問題点に対処するには、まず、自己認識をすることが重要です。自分自身が感情に左右されていることを認め、客観的に物事を考えるよう努めることが不可欠です。感情が高まった際には、一度立ち止まり、冷静に状況を客観視する訓練を行うことで、感情の影響を最小限に抑えられるかもしれません。また、他者とのコミュニケーションや議論においては、相手の感情に寄り添いつつも客観的な情報や論拠を持ち出し、冷静な議論を促すことが重要です。

さらに、感情論の問題点を克服するためには、情報の正確性や客観性を重視する文化を育てることが必要です。教育やメディア、社会全体が、論争や意思決定において感情よりも論理や客観性を尊重する風土を醸成していくことが求められます。事実やデータに基づいた議論を奨励し、感情的な主張や偏見に対して批判的な目を持つことが、感情論の問題を解消する一歩となるでしょう。 感情論の問題点とその根本的な原因について理解し、客観性を重視した論理的な思考や議論を行うことが、より建設的な社会や人間関係を築くための鍵となります。


まとめ。反知性主義は危険!健全な情報社会への脅威

反知性主義とは、科学的根拠や論理的思考を軽視し、感情や信念だけで物事を判断する考え方のことを指します。この考え方が台頭することで、客観的事実や論理性を重視する姿勢が後退し、人々は主観や感情に基づいた信念を持つことが増えています。

また、このような考え方は偽情報の拡散を助長し、真偽の判断が難しくなる原因ともなっています。 偽情報は、意図的に作られた虚偽の情報や、事実と異なる情報を拡散することを指します。ソーシャルメディアの普及により、誰もが容易に情報を発信できる環境が整い、偽情報が簡単に拡散されるようになりました。さらに、偽情報を利用する悪意ある団体や個人によって、人々の意識や行動が操作される事例も増加しています。

反知性主義と偽情報の蔓延は、健全な情報社会を阻害する脅威となっています。正しい情報に基づいた判断ができなくなれば、個人の生活や社会全体の発展に悪影響を及ぼす可能性が高まります。その結果、正しい知識や情報を適切に入手することが困難になり、人々の間に混乱や不信感が広がることでしょう。

これにより、健全な情報社会の実現は遠のくばかりか、人間の知識や思考の質が低下し、社会全体が停滞する恐れさえあります。


反知性主義の克服に向けた取り組みとして、教育の重要性を再認識することが不可欠です。教育は、人々が偏見や誤解から解放され、客観的な情報を正しく判断する力を身につけるための土台となります。教育現場での科学教育や論理的思考の育成は、反知性主義に対抗する有力な手段となるでしょう。こうした取り組みが行われることで、次世代がより合理的で知識に基づく判断を下すことができるようになるでしょう。

また、メディアや情報発信のあり方にも改善が求められます。デマやフェイクニュースの拡散は反知性主義を助長し、信頼性の低い情報が蔓延する一因となっています。メディア各社は、信頼性の高い情報を提供するための取り組みを強化し、視聴者や読者に科学的根拠に基づく情報を提供することが重要です。

一方で、個々の消費者も情報を受け取る際には、クリティカルシンキングを磨き、情報の信頼性や正確性を見極める努力を怠らないことが求められます。

さらに、政府や社会全体での取り組みも必要です。政策立案や意思決定の際に科学的根拠やデータを重視し、専門家の意見を適切に取り入れることが重要です。また、社会全体でのリテラシー向上のための啓発活動やイベントの開催など、広範囲での取り組みが求められるでしょう。


反知性主義は、社会に深刻な影響を及ぼす問題です。

偽情報や迷信が蔓延することで、人々が真実を見極めることが難しくなり、社会全体が混乱に陥る可能性があるのです。

このような状況を打破し、知識や理性を重視する社会を築くためには、教育、メディア、政府、個々の意識改革など、多角的なアプローチが必要不可欠です。

反知性主義の克服に向けた取り組みが着実に進展することで、社会全体がより合理的かつ知識に基づく判断を行うことができるようになるでしょう。


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