【回顧録】初めて泊まりがけの一人旅をしたときの話

遠い過去の旅の話を回顧録として綴っていきます。今回は高校生の頃に初めて一人で泊りがけの旅をしたときの話です。

泊りがけと言ってもホテルや旅館に泊まったのではなく、当時私は北海道の札幌近郊に住んでおり、北海道にはミッドナイトという夜行快速列車が札幌と函館の間を結んで走っていました。そのミッドナイトに乗って函館に行き、帰りもミッドナイトに乗って帰ってくる、という旅を高校三年生になる1994年の春に行いました。メインの目的は1998年に開業した海峡線の吉岡海底駅に行くことです。
ミッドナイトは札幌を23時30分に出て、函館は翌日の6時30分に到着しました。時期によっては途中駅に停車しますが、基本的には札幌から函館までノンストップです。車内のことはあまり覚えていないのですが、カーペットカーに乗って寝転がって移動したのかと思います。その後、ミッドナイトには帰省の際に何度か乗っています。
札幌から函館までの往復切符を事前に買っていったのですが、その際に学割を使っていて学割証を交付してもらうときにいろいろと聞かれて面倒くさかった記憶があります。ただ、この記事を書くにあたって調べてみたところ、Wikipediaの記事になりますが、学割の使用目的の要件として個人的な旅行としては「休暇、所用による帰省」「保護者の旅行への随行」と書いてありました…。完全に保護者が伴わない帰省でもない個人旅行ですが、柔軟な対応をとっていただいたのだと思います。

函館に着いて、海峡線に乗って吉岡海底駅まで往復しました。ゾーン539カードという青函トンネル内の海底駅を見学するコース専用の切符が売られており、それを事前に買っていました。820円で、私はそれを買えば函館から吉岡海底まで往復できると思っていたのですが、函館駅で別途乗車券を買わないといけないと言われてショックを覚えた記憶があります。今考えれば当然と言えば当然なのですが、当時の高校生の知識ではそれは常識ではありませんでした。ここで函館から吉岡海底までの往復乗車券を買って、その後食事をとったり市電に乗ったりして、最終的に所持金がほとんどなくなっていたと記憶しています。最初から知っていれば吉岡海峡までの切符を買っていたのですが、そうなるといよいよ遊びの色合いが強くなり学割の要件を満たさなくなりますね…。
このときはゾーン吉岡4コースというコースで、函館8時46分に発車して吉岡海底に9時58分着、1時間弱見学して、吉岡海底に10時45分発で、函館に11時59分着、という行程でした。吉岡海底駅の記憶は曖昧ですが、カメラで写真を撮ったような気がします。カメラはいわゆる「写ルンです」のようなレンズ付きフィルムを持っていたような記憶があります。デジタルカメラも持っておらず、当然、携帯電話も未所持です。

函館に12時前に戻ってきて、23時30分発のミッドナイトに乗って帰ってきているので、函館には昼から夜まで11時間半ほどいたことになります。その間、イカソーメンを食べたこと、市電に乗ったこと、啄木小公園に行ったことを覚えていますが、他は覚えていません。五稜郭にも行ったのでしょうか。市電は一日券を買って乗りつぶしを行い、今はなきガス会社経由の系統に乗ったことは覚えています。

あれから30年経って今でも旅をし続けているのですが、当時はそれほど旅をしていたわけではなく、高校生のときに一人で鉄道に乗って遠出したのはこのときを含めて2回だけです。その後、大学に入って旅行系のサークルに入ったことで頻繁に旅をするようになるわけですが、原点は高校生のときのこの旅なのかなと思います。

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