丸腰の心

30超えた辺りで「どうでもいいや」と思えることが増えた。
自分に対する他人の評価だったり、それによって無駄に高くなったプライドだったり、そういった今まで固執してきたことが一気にどうでもよくなった。
自分でも何がきっかけでそう思ったのかはわからないんだけど、これまでの人生で自分が作り上げたガチガチの固定概念に世の物事を無理矢理押し込む必要なんてないんだって気付いた。
まあ多分おっさんになるにつれて色々考える体力も気力もなくなってきたからそうなるに至ったと思うんだけど、これが所謂「丸くなる」ということなのかもしれない。
若い頃に必要以上に武装された心が「もうこんな重装備する必要なくね?」って気付いたんだと思う。
若い時分は自分がどれほどの人間なのかもわからないから、持てる重量以上の装備で武装して触れる者全てを傷つけるぐらいトキントキンに尖っていないと不安でしょうがなかった。
色んな物を必要以上に持ち過ぎることで心の荷物が重たくって生きてるだけで精一杯だったように思う。
それが30年も生きてりゃそれなりに身の程も分かってきて、いかに自分が心のマキシマリストだったかを自覚する時が来る。
そしてそういったもう不要になった心の荷物をどんどん手放すことによってどんどん身軽になってくる。
おっさんになるにつれて「どうでもいいや」が増えるとはすなわちそういうことだ。
ドラゴンボールのフリーザが第1形態のトゲトゲしいデザインから最終形態にもなるとものすごくシンプルで洗練されたデザインとなるように、ファッション系の学生が入学式ではものすごく奇抜なファッションだけど卒業する頃にはシンプルで洗練されたモノトーン系のファッションに落ち着くように、歳をとると言うことは心が洗練されると言うことだと思う。
そう考えるとおっさんになることも悪くはないよね。
これからも不必要になってくるであろう心の荷物をどんどん手放して、死ぬ頃までには丸腰の心でいれるようなジジイになりたい。

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