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格好良い人

 2020年はこれまでガサツに生きてきた自分を見つめ直し、可愛らしい人になりたいなと思っていたけれど、2020年の終わりに、自分はめっちゃ格好悪い人間だったということに気づき、2021年はぜひとも「格好良い人になりたい」と思った。

 いや、そもそも格好良いってなんだ?私の思っていた格好良いとは。

① 幼なじみのK君
 実家の二軒隣に住む同級生で、背は一番低かったけど、誰よりも運動神経が良く、きっと顔もイケメンだった。何より、小学校の卒業式が終わった教室で、担任の先生から、「Kは2つのことをやり遂げたよ。1つは皆勤賞、学校を1回も休まんかったね。もう1つは毎日1ページ学習を6年間全うした。」と言われていたのを見て、ああ、自分が6年間続けたことなんて、定期的に上靴を洗ったことだけだったな、と反省したと同時に、やっぱりK君は格好良いなと思った。

② 小・中学時代の友達Cちゃん
 小学校から一緒にバレーボールチームに入っていた友達が、短髪に基本ジャージ、運動神経がとても良く、男兄弟の末っ子でゲーム好き、男子からも女子からも好かれる、本当に気持ちの良い子だった。その子がひょいとハンドスプリングをやってのけたときに、と少々憧れを持ったようで、格好や仕草をどんどんその子に似せていった。格好良いと思って、言葉がぶっきら棒に、になっていった中学時代だった。

 さて、「格好/恰好」を辞書で引くと、

《「恰 (あたか) も好 (よ) し」の意で、ちょうど似つかわしいさまが原義。形がちょうどよいというところから、姿・形の意にも転じた》

[名]
1 外から見た事物の形。姿。また、身なり。
2 人に対して恥ずかしくない姿・形。整った形。体裁。
3 物事の状態。…のようなようす。
4 (年齢を表す語に付いて)年齢がだいたいそのくらいであること。ちょうどその年くらいのようすであること。

[名・形動]
1 ふさわしいこと。似つかわしいこと。また、そのさま。
2 値がちょうど手ごろなこと。また、そのさま。

要するに、「整っている」「相応しい」と意だ。

 2020年の終わりにひとつ続けていたことが終わった。これまでの自分を振り返って見ても、自分は何ひとつやり遂げられていないし、格好もついていない。なんて、年末に合った友人にぼやいていると、でもさ、と、「なっちゃんは、やってみるし、それである程度は続けてるでしょ。それはいいことじゃん。」とあっさり言われた。

 自分の目指す、思い描いている格好良いとは、そんな格好良いもんでもないのかもしれない。今まで何を見ていたのか。背伸びをせず、身の丈にあった、人生を作っていくことにようやく気付いた2021年。目の前のことを少しずつ、こなしていけばいずれ格好良くなれるはず。

 

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