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Han-Na Changのオーケスとレーションとベートーヴェン 第5 Sym 理解

指揮者として大成しつつあるHan-Na Changの真っ向正面チャレンジ、ベートーヴェン第5交響曲。ときにスフォルツアンドが硬かったり、弦楽器セクションの粘り過ぎが気になったりするけれど、人生と宇宙を肯定的にとらえた讃歌としてかけがえのない演奏だと思う。

木下智夫

https://www.youtube.com/watch?v=x5aF55N4tLA&t=2s


ありがとう。やっぱり気になったのは弦楽出身かな~と言うところでしたが、指揮デビューのまえはチェリストですね。昨日も言ったように男性ホルモン的理解ではベートーヴェンというとオーケストレーション!交響曲を9つも書いた圧迫者!という感じについついなるけど、先日後期SQについてのnoteの記事を書くのに、sym8ではもうオーケストレーションの立付けがSQになっているのに気づき、SQスタイルのベートーヴェン交響曲指揮がもっと盛流になってもいいなと思っていた所。
sym5でもそれは構わない訳です。
Han-Na Changは三楽章の終盤、ピチカートもppで交響曲と言うよりは非常に弦楽的な表現をさせていますね!

彼女の指揮はすごくいい。粘りに関して言えば(危うい政治状況の中で)ベートーヴェン自身が秘匿恋愛をつねに表現したという点に着目されるなら、弦楽奏云々以外にそういう意味でもこの粘り気は必然的表現だし、コントラバスで肯定=自己確認=述定表現といった理解からはもっと出してもよいくらいかも。
讃歌というのは当たっていると思う。彼女はこの厳めしい交響曲においてもエサンスはつねに「E」メタファ(女性讃美・可愛らしさ讃美)から生起しているのを理解していると思え、そこからのsym6との融合性(もとが一つ)も、第二楽章などでとても出していると思いました。
とくに彼女の出身の低弦ではもっと執拗に粘ってもよいくらいで、そのへんのサッパリ感というのは案外女性演奏家にありがちな「処理する」っていうニュアンスかもね。家政力??男性だったらもうすこし出して欲しいところでしょう。私もだけど。

チャンはデュ・プレ以来の天才(その意味では男性的?ですね)チェリストですね。その音楽は歌とともに構築性が強い。ただ最近は、指揮者個人のカリスマ性がどこまで総合的に音楽を創るかよくわからなくなっています。

木下智夫

うん 中性的かもね。中性的ってしばしば優れているってことにもなる笑)両義性のこともあるし聖性になることもある 笑)

弦楽出身かと思ったのはピアノみたいに余韻のみを残して減衰〜消滅していくものだ、という音のスタンスに予め立っていない。


ここでユダヤ人であり、知るひとぞ知るピアノの名手でもある「男の仕事」としてのブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響楽団のベートーヴェン五番をあげる。夏秋レイの慧眼が示すとおり、ここでワルターはスフォルツアンドアタックを減衰音として処理している。

木下 智夫


https://www.youtube.com/watch?v=DCofg-MFhsA&t=2s

じっさい、スフォルツァンドアタック処理で減衰音での表現をすると所謂ベートーヴェンらしい前駆性、推進力が出てくるのですけども。この味わいはオーケストラならではですね。内省や思慕・情感を蘇生させる状況・シーンの語り、ましてや晩年の瞑想性や悟達に通じさせたければ室内楽modeになっていくと思われます。

Han-Na Changでは管楽器においてさえ殆どpauseも入れず、減衰音処理を許していませんでした。弦楽仕様の所以ですね。

木下さん ありがとうございました♡♡♡^^/

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