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「そこにいるだけで腹が立つ」息子に対しての愚痴を聞く私-さくらん家の嫁姑事情

息子家族と同居中。
息子、あーちゃん(息子の妻)、孫1歳半。
そして長女、次女、私。

期間限定の6人暮らし。
毎日賑やかで忙しくも楽しい日々。

が。
子育て中の若い夫婦にはイザコザがつきもの。
あーちゃんは2人目妊娠中ということもあってか情緒不安定。
このところ息子相手にキレ散らかしている。

幼い子どもがいて、自分は妊娠中で思うように動けず、同じ立場にいるはずの夫が少しでも自由にしていると「お気楽」に見えてしまう。
「なんで自分ばっかり、こんな辛くて大変なの…。」と夫を憎んでしまう。
同じ立場に立ったことのある人間として「無理もない」とは思う。

息子夫婦の喧嘩を見ているのは辛いが、当事者ではないので口を挟むわけにもいかず…。

ある朝。
口論の末、息子はそのまま仕事へ。
リビングに残されたあーちゃんは、ボロボロと泣いている。

「悔しい!!!」

聞けば、どちらの言い分も間違っていない。
ただ…。
双方への思いやりがない。
だからイザコザしてしまっている。

うーん…。

しかし私は解決策を問われているわけでもないので、目の前で泣きながら愚痴を言う、あーちゃんの言葉にひたすら賛同し、うんうんと話を聞き続ける。

子育て中の妻の不満というのは似通ったモノなのだろうか。
「子どもは可愛いけれど少しでも自由な時間が欲しい」
「夫が遊びに行くときは『ひとりで』前提なのに、自分が遊びに行くときは『子連れで』前提なのは、ずるい」
「なんで私ばっかり…。」
「夫くんが目の前にいるだけでイライラするようになっちゃった…。」
「もう、帰ってこなければ良いのに!」
「でも、遊びに行かれると、また腹が立つんだよね!!」
「もう、本当にヤダ!!」

あーちゃんの話を聞いているうちに、夫2と結婚していた頃、ワンオペ育児をしていた辛い感情が蘇ってきた。
もう共に生活をしなくなってから5年も経つというのに…。
女の恨み辛みは時空を超えるのだな、きっと。

あーちゃんに賛同しつつ、話の流れから、夫2への愚痴を繰り広げる私。
「子どもが熱を出していても、ひとりで遊びに行っちゃう」
「仕事が休みの日は自分の趣味優先で家にいない」
「ゴミを出しただけで『俺だってやってる』とか偉そうに言う」
「最終的には同じ部屋で同じ空気吸うのも耐えられないぐらい嫌いになっちゃってね…」
「いても、なんにもならないし、そこにいるだけで腹が立つから、離婚して精神的に、ものすごくスッキリした!」

時空を超える、妻の愚痴。笑

それを聞きながら、あーちゃんが言う。
「それは酷いね…。さくらさん、離婚して良かったね!!」
でしょう?笑

あ「さくらさんの話を聞いてたら…。夫くんがめちゃくちゃ良い夫に思えてきた」
私「あ、そ、そう??」
あ「私、夫くんに言い過ぎちゃった…。これから『ごめんね』ってラインする。今日帰ってきたら優しくする!!」
私「そっか。それは喜ぶよ、きっと。」
あ「夫くんに、いなくなって欲しいわけじゃない。夫くんがいなくなったら、本当に困るのは私の方なの。私はさくらさんみたいに、ひとりで子どもを育てたりは出来ない。それに、夫くんはすごくいいパパなの。本当は優しい夫くんをイライラさせてるのは私なの。」
私「まあ、夫婦でどちらかだけが悪いってことはないよ。ふたりで作ってる関係だからね。あーちゃんが悪いわけじゃないよ。」

あ「こんな話、夫のお母さんにするひとなんていないよね?こんな話、聞かせてごめんね。息子の悪口なんて聞きたくないよね、普通。」
私「そんなことも、ないんじゃない?聞いていてもイヤじゃないし、あーちゃんの気持ちもわかる。」
あ「いつもありがとうね、本当に。夫くんに、もうちょっと優しくする!」
私「まあ、無理はしないでね。夫婦って本当に大変だと思うよ。私なんて耐えられなくて二度も投げ出しちゃったから!笑」

そんなこんなで。
昨晩は。

仲睦まじく耳掃除をする息子夫婦の姿を見ることが出来た。

幸せな光景。

あーちゃんが私に言う。
「夫くんの耳って、ものすごく掃除するの楽しいよね。なんでだろうね??」

そうそう。
息子の耳は不思議で。
なぜだか耳掃除をしていると楽しくなってくるのだった。
思い出した。

もう何年も、息子の耳掃除は、あーちゃんの役目。

幼い息子の耳掃除をした日々を思い出しつつ。
その楽しさを共有できるひとがいてくれることに感謝しつつ。

幸せな光景がいつまでも続いてくれれば良いなぁと願う母なのであります。