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それは違う!!!さくらんの「中高年の主張」

私もともとは反抗心強めな人間なのですが、年齢を重ねたいま、基本的には穏便に生きていきたい派なので、真っ向から反論するってことは少ないです。
(やんわり受け入れた上で自分の意見を述べることはあります)
時に仕事でワケわかんないこと言い出す長老相手に論破を楽しむぐらい。

なのですが。

先日珍しくリアルで反論&熱弁を振るう機会が…。

相手「さくらの娘さん、去年は学校あんまり行ってなかったって言ってたよね。」

私「まあね、学校に合うか合わないかってのもあるしね。こればっかりはねぇ。」

相手「最近の学校って、良くないなって思うんだよね。この前なんかね、学校の先生なのに、挨拶もしないで目の前を通りすぎていったんだよ!地域の人に挨拶もしないなんて昔だったら、あり得ないよね?学校の先生の質も落ちたなって思ったよ。」

私「え?その先生、どんな人だったの?ひとりで歩いてたの?」

相手「若い女性で、新入生の引率をしててね。集団下校だと思うんだけど。目の前を通っても、挨拶もしないんだよ?地域の人に挨拶もできないなんて、先生としてどうなの?」

私「…。いや…。それは違うと思う…。」

普段温厚?な私が熱っぽく話し始めるのを相手は驚いていた。


その先生は、小学生になりたての幼い子どもたちを引率して、事故に遭わないように、怪我の無いように、ものすごく気をつかって歩いている最中だったと思う。
この前まで園児だった子どもたちを数十人も連れて歩くなんて、ものすごく大変なことだよ、きっと。
慣れた先生だったら余裕もあるかもしれないけど、若い先生で、もしかしたら新任だったかもしれない。
ついこの前まで学生さんだった若い女の子が、突然オトナになって、幼い子どもたちの命を預かってるんだから、そりゃあ大変だろうし心に余裕なんて無いかもしれない。
余裕があるときは地域の人にも挨拶できるかもしれないけど、その時は余裕なんて無かったのかもしれない。

それにさ。
あなたは、そこに立って眺めているだけだったの?
先生のくせにって思いながら?
挨拶ぐらいしろよって思いながら??

それはちがう。
そうじゃないと思う。
同じ世の中に生きていく年長者として、どうしたらいいのか考えて生きようよ。

もう私たちはじゅうぶんオトナで、その若い先生の親にもなれる年齢だよ。
長く生きてきただけの経験もあるし、余裕だってある。
それをさ。
世の中のために生かしていく立場だと思うんだよ。

年若い人たちのアラを探して軽蔑するのは、世の中を良くしない行動だよ。

小学一年の集団下校。
ちょうどそこに立ち合ったとしたら。

私なら。
自分から挨拶するよ。

若い人が年長者に挨拶するのが礼儀って人もいるけれど、私は、そうは思わない。
相手を認めて挨拶をするってことを、自らの行動で世の中にひろめていく。
それが年長者の役目だし、世の中を良くする行動だよ。

もう、他者の批判をするような年齢じゃないんだよ。
どうしたら世の中が良くなるのかを考えながら生きる年齢だよ。
それだけ長いこと生きてきたはずだよ。
あなたも私も。


私の熱弁を黙って聞いていた相手は、そこまで聞いて口を開いた。

「そうか。さくらの言うことは良くわかるし、その通りだと思う。自分の姿勢は間違ってた。次からは自分から挨拶してみる。その方が子どもたちも安心して登下校できるだろうから。ね。」

良かった…。
わかってくれて。

ありがとう。

一生懸命、自分の考えを説明して。
相手が理解してくれる。

時に、こんな素敵な経験ができるから、人と関わるのは楽しい。

やっぱり人が好きなんだろうな、私は。