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スーパー戦隊のヒーロー側をMBTI分析してみた、『炎神戦隊ゴーオンジャー』(2008)編

今回もスーパー戦隊シリーズのヒーロー側限定でMBTI分析をして行こうかと思います、作品の批評とは別にこういうのも遊びの1つとしてあってもいいのではないかと思うので。
第三弾は最近YouTube配信を終了した『炎神戦隊ゴーオンジャー』(2008)のヒーロー側の主要キャラクターであるゴーオンジャーとゴーオンウイングスを対象にMBTI分析を当てはめてみましょう。
本編の情報を基に詳細な分析結果を出しますが、あくまで判断基準は厳密なものではなく私自身が「こうではないか?」と思った主観・独断・偏見を入れた印象評価として書きます。
みなさんそれぞれに違う意見もあるかと思いますので、「このキャラはこうではないか?」という方は是非ともコメント等をしていただけば幸いです。


ゴーオンレッド/江角走輔

分析結果:ESFP-A(自己主張型のエンターテイナー)

  • E外向型。誰に対しても物怖じせず対等にぶつかっていけるし、悩みという悩みなんて抱えてなさそうな底抜けの明るさこそが彼の人となりをよく表している)

  • S感覚型。抽象度の高い洗練された第六感で動くというよりは、五感をフルに活かして目の前に現れた困難を排除していくということがほとんど)

  • F感情型。難しいことを考えるよりも今ノッてるかどうかをすごく重視するので、そこがウイングスの2人からすれば特に「バカ」という印象に映るのだと思われる)

  • P知覚型。ガイアークを許せないという気持ちはあれども、独断専行する印象は意外となく可能性や余白を残しているので、チーム全体も自由闊達な雰囲気に)

  • A自己主張型。とにかく先陣を切っていくタイプであり、彼が常に矢面に立って突っ込んでくれるからこそ他のメンバーも安心して戦うことができる)

走輔に関してはもう誰が見ても納得のESFP-A(自己主張型のエンターテイナー)でしょう、中の人の古原靖久のキャラがそのまま投影されている感じです。
「ゴーオンジャー」がとにかく賑やかで騒がしく、バカバカしくも楽しいイメージがあるのは中心にエンターテイナーの走輔が居てくれるからでしょう。
彼がとにかく考えない・悩まない・行動あるのみみたいな「バカレッド」のイメージのまんまを地で行ってくれてたからこそ、「ゴーオン」が明るい作風となりました。
子供っぽい幼稚さこそ残されていますが、他のメンバーが慎重派が多いので、とにかくどんどん動いてくれる走輔の存在がメンバーの求心力になっています

ゴーオンブルー/香坂蓮

分析結果:ISTP-T(慎重型の巨匠)

  • I内向型。基本的には炎神やギンジロー号のメンテナンスや新武器の開発といったところに時間を注いでいるので、あまり仲間たちに意識を向けることはない)

  • S感覚型。抽象的な思考というよりも具体的な事物に対応していく方が得意であり、それがメカニックとしての性質にも現れているのだと思われる)

  • T思考型。走輔がとにかく感情優先で突っ走ってしまうため、それを冷静沈着にカバー・サポートできるのは感情を抑えて理性で動ける蓮がいてこそ)

  • P知覚型。決して相手に対して「こうだ」と判断を下すのではなく、常に可能性を模索して余白を残しているために、押し付けがましい印象がない)

  • T慎重型。走輔と軍平がとにかく自己主張しまくるので、特に後半は大翔と並んで抑え役に回ることが多く、何かと苦労が絶えなかった)

蓮に関しては走輔との相性を鑑みたのもあるのでしょうが、典型的なISTP-T(慎重型の巨匠)であり、描き方によっては一匹狼と思われても不思議ではありません。
とにかくメカニックとしての活躍が多く、機械類のメンテナンスや料理でも変わったものを作りたがるのは実にISTPの動き方であると言えます。
似たタイプのウイングスの大翔と大きく違っているのは抽象度の高い学問的思考が苦手であること、相手を判断して決めつけないということでしょうか。
何だかんだ走輔の良き理解者であったのは蓮が上手いこと距離感を保っていたことと、間に早輝が入ってくれていたからかと思われます。

ゴーオンイエロー/楼山早輝

分析結果:ISFP-T(慎重型の冒険家)

  • I内向型。「スマイルスマイル」と言ってはいるものの、自発的に仲間に優しくしようとするのではなく、相手の出方を伺いながらということが多い)

  • S感覚型。難しい抽象的なレベルの直感ではなく、目の前に現れた事物に対して反応していく形なので、ウイングスの言っていることが理解できない)

  • F感情型。本編を見ているとテンションが高いときと低いときの落差が激しく、これは自由奔放な暴君の姉に虐待を受け続けてきたせいだと思われる)

  • P知覚型。ウイングスに対しても誰に対しても「こうだ!」と決めつけるのではなく、常に余白を残しながら新たな可能性を模索していくという感じ)

  • T慎重型。蓮もそうだが、走輔が先陣を切ってくれなければ自分からは行けないタイプであり、ウイングスにも支えてもらうことが多かった)

早輝に関しては正直劇中での印象がそんなにないので判定には苦労しましたが、消去法みたいに考えていったところではISFP(冒険家)ではないかと判断しました。
元々パティシエになりたいという芸術家気質なところがあってお菓子作り限定で得意というのは描かれていましたが、戦いではこれという目立った印象はありません。
そのあたりのヘタレっ気が出てしまいがちなところが「女版のび太くん」という感じですが、そんな彼女だからこそウイングスの美羽と組むと意外と相性がいいです。
ことによると彼女の存在はチームに必要不可欠ではないかもしれませんが、マスコットとして入れるか入れないかでチームの空気が左右されるので、居て邪魔にはならないでしょう。

ゴーオングリーン/城範人

分析結果:ISFJ-T(慎重型の擁護者)

  • I内向型。明るい性格のように描かれているが、基本的には自分のことにしか興味がない快楽主義者であり、だからコロコロとバイトを変えることができる)

  • S感覚型。メンバーの中で高校生という最年少であることを差し引いても、目の前の事物に反応するという動物的な感覚で動いているという典型)

  • F感情型。ゴーオンジャーに入ったのも「楽しそうだから」であり、走輔や軍平とつるんでくだらない馬鹿騒ぎをするのが大好きなのが目立つ)

  • J判断型。可能性を模索するというよりは「こうだから」と決めつけて動くタイプなので、意外と迷いがあるようでない)

  • T慎重型。初期は特に軍平の子分として動くことが多かったので、走輔か軍平にリードしてもらう子犬系という感じがよく出ていた)

範人に関してはとにかく楽しいこと大好きな愉快キャラとして描かれているので走輔や美羽と似たタイプかと思いましたが、よくよく見ていくと意外と単独行動が多いです。
かつ今が楽しければそれでいいという快楽主義者なところからSF、そして一度自分で判断したらそれを滅多なことでは覆さない辺りでISFJだという風にわかりました。
ISFJはとにかく「縁の下の力持ち」タイプなので子分にはもってこいのキャラであり、だから軍平をはじめとするメンバーのことをうまくフォローしたりします。
彼が子犬系キャラだったからこそ、何かと尖がちな「ゴーオンジャー」という作品に柔らかさと親しみやすさが生まれ、より作品としての幅が広がったと言えなくもありません。

ゴーオンブラック/石原軍平

分析結果:ISTJ-A(自己主張型の管理者)

  • I内向型。根本的に自分から仲間たちとバカをやるのを嫌いたがり、愚痴を始め相談事は相棒のガンパードとすることが多かった)

  • S感覚型。抽象度の高いことを考えながら動くのではなく、目の前の現実に対して「かっこよすぎる」と反応しながら動いていくタイプ)

  • T思考型。感情的に絡むこともなくはないですが、元刑事というのもあってか自分の中の「こうあるべき」という理論・理屈で動いている)

  • J判断型。走輔たち3人に対していきなり「ガキばっか」と上からマウントを取って決めつけるように言ってくるので、3人からしたら目の上のたんこぶ)

  • A自己主張型。とにかくもう走輔と張り合うわウイングスに噛み付くわ子分の範人を振り回すわとやりたい放題で、とにかくうるさい)

軍平に関しては元刑事という設定だからというのもありますが、もう第一話〜第二話を見たときからISTJ-A(自己主張型の管理者)以外にありえないと思っていました。
とにかく生真面目な仕事人間で、「元刑事」というのを建前にマウントを取りたがるのですが空回りし、メンバーの足をひっぱり輪を乱すこともあるなど報われません
そしてウイングスが出てきてからは余計にその残念なポンコツ感が露呈していきGP19ではその辺りが爆発していましたが、一方で彼の存在が必要だったのも事実です
走輔に対して横からバーンとぶつかっていけるのは蓮でも大翔でもなく軍平しかいないので、彼がいてくれたのはチーム全体のバランスとしてはよかったのではないでしょうか。

ゴーオンゴールド/須塔大翔

分析結果:INTJ-T(慎重型の建築家)

  • I内向型。一人で自主練しているかカフェでくつろぐかがほとんであり、意外とゴーオンジャーの輪の中に混じることは少ない)

  • N直観型。先の先を予測しながら戦おうとするところやゴーオンジャー5人の本質を見抜いて最適解を導こうとするなど、浮世離れした直感力を持っている)

  • T思考型。感情的な面も無きにしも非ずだが、基本的にはノブレスオブリージュ(高貴なる者の義務)に従って動くので、焦ることはほとんどない)

  • J判断型。相手を見ながら「こうだ」という評価を下し、ゴーオンジャーに対してもガイアークに対しても厳しい判断を下しながらチームを影から導く)

  • T慎重型。走輔と軍平がとにかく暴走しまくるので抑え役になることが多く、そんな彼が暴走する時はGP31のみであり、基本的には冷静沈着)

おバカなゴーオンジャーをガツンと締めるという目論見があったのでしょうが、大翔は劇中でいわゆる「大人」「いぶし銀」のように描かれており、まさにINTJ(建築家)ですね。
影からゴーオンジャーの5人を厳しく批評して「奴らは先のことなど見ようともしない」とか、デタラメデスに苦戦した時も走輔に「俺の真似をするな!今必要なのはお前の戦い方だ」とアドバイスしています。
このことから大翔はすごく抽象度の高い思考からその場に応じた戦術から長期的な視野の戦略までを導き出し、ノリと勢いで突っ走るだけだった「ゴーオンジャー」に波乱と論理性をもたらしてくれました
彼がメンバーに加わってくれたおかげでゴーオンジャーのチームワークもより一体感が生まれ、また彼自身も全く真逆の走輔から影響を受けてより前向きになることができたのではないでしょうか。

ゴーオンシルバー/須塔美羽

分析結果:ENFP-T(慎重型の運動家)

  • E外向型。ゴーオンジャー5人を批判しながらも「可哀想だから」と面倒見がいいところを発揮してしまうところから、本当は仲間のことが大好き)

  • N直観型。お金持ちであることと兄の影響もあるのだろうが抽象度の高い話が多く、またガイアークの出現を敏感に感じ取ることができる第六感のようなものもある)

  • F感情型。冷静沈着な兄とは違って自分の感情を開けっぴろげにして動くので、理論・理屈はのようでいて実は楽しいことやお祭りが大好き)

  • P知覚型。厳しいことを言いながらも兄と違って「こうだ」と決めつけずに選択の余地を残しながら動くので、あまり不快な印象がない)

  • T慎重型。暴走野郎の走輔をまるでお姉さんのように飼い慣らそうとするところからもわかるように、あまり無茶なことはしたくないタイプ)

美羽に関してはESFPである走輔との絡みが印象的で、二人で絡むとその場がとにかく楽しくなるのでまさに「ミニオンズ」みたいな盛り上がりを見せていました。
兄の影響もあって「ヒーローは人を幸せにする義務がある」とか偉そうなことを言っていますが、彼女がゴーオンジャーに絡んでいくのは楽しいことや仲間が大好きだからです。
その上で直観力に優れており、それが第六感としてガイアークが出現した時の反応として描かれているという形で、かつ意識が内側ではなく外側に開かれています。
そこも含めてENFP-T(慎重型の運動家)に収まるべくして収まったというか、早輝との対比も含めてとにかく派手好きなキャラとして作品に彩りをもたらしてくれました。

まとめ

「ゴーオンジャー」に関しては走輔と軍平がとにかく騒ぎまくるのもあってバカっぽいチームという印象でしたが、MBTI診断をすると意外とキャラわけがはっきりしていますね
メンバー構成で見るとP(知覚型)が4人、J(判断型)が3人で7人になってようやく1つのチームとしてまとまるというのは当初の構想ではないにしても、ある程度作り手の目論見があったのかも。
とはいえ、ゴーオンジャーの5人は大翔が「先のことなど見ようともしない」と言っていたように、S(感覚型)しかいないので抽象的なものの見方や捉え方ができる人がいません
軍平も「ゴーオンジャーはガキばっかか」と突っ込んでいたことから、J(判断型)から見るとP(知覚型)って緩くてふわっとしているように見られるのではないでしょうか。

意外だったのはグリーンの範人がISFJ(擁護者)だったことであり、でもよくよく作品を見ていくと彼って意外とシビアに物事を見ているし、意外とフォローに回るのも早いんですよね。
まあ走輔と軍平という暴走野郎が2人もいるからというのもありますが、その意味でもウイングス、特に大翔が抑え役として入ってくれたことがバランス良かったのかもしれません。
これに加えて炎神たちのキャラもありますのでそちらも判定したかったのですが、なにせ12と数が多すぎるので7人だけにさせてもらいましたが、かなり鋳型にハマったキャラ造形です。
なのでわかりやすいといえばわかりやすいのですが、逆にいえば物語全体としてもキャラ単位でも驚きや衝撃が少なく、あまり心に刺さらなかったのも特殊な造形がいなかったからではないでしょうか。


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