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ロンシャン礼拝堂で陰翳礼讃をみる


谷崎は、著書で

美は、物体にあるのではなく物体と物体の間との作り出す陰翳のあや、明暗にある。

陰翳礼讃


と話す。これには、感銘を受けた。
サグラダファミリア、コルビジェのロンシャン教会、ラ・トゥーレット教会に行った時に光と影が建築を作っていた。

ロンシャン礼拝堂




その言葉がずしっと腑に落ちた。 

フィンランドで建築を設計している時に、
バルコニーの設計をしていた。

その時に、ルーバーをファサードに設計し、
太陽の光がルーバーの隙間から差し込むように設計した。
そうすると、フィンランド人はこの空間をまるで森の中であるという。

森の中にいて、太陽の光が木々の間から差し込む記憶が根付いてるそう。

そんな原風景が体験できる空間を設計していたのかと後になって気がついた。


どの国でも光と影は美を作る。

ヒンメリという伝統工芸品は光のモービルと呼ばれる。
これは、長い冬の北欧の国の人たちが、冬至以降から日が長くなるため
太陽が生まれる日として冬至祭を祝い始めたところが
ルーツとされています。

極夜もあるフィンランドでは太陽の光がとても貴重でした。

影がゆらゆらと動き、美しい。そのような見える物体だけに
美があるわけではない。

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