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2Hz - 3Hz  『想像力と三百円』



接客とは愛だ。
愛とはサービス精神と想像力だ。


というわけで、僕はAマッソ加納の大ファンなのだが。
加納のYouTubeの個人チャンネル『キウイチャンネル』に実のお兄ちゃんが登場した回がある。

加納のお兄ちゃんはバーテンダーをやっていて(めちゃくちゃイケメン、ぜひ動画見てください)、加納が京都木屋町にあるバーを訪れて兄妹でただ話すだけの回だ。

このお兄ちゃんが話していた、バーテンダーにとって大切なこととは?の答えが冒頭の台詞になる。

接客に愛が必要かどうかは全くわからないが(ツンデレ)、想像力が必要なのは全くもってその通りだと思う。

僕は大学時代のアルバイトから会社員に至る今まで接客の経験がそこまで多くないのでその道のプロに読まれたら恥ずかしいのだが、接客に限らず人と付き合う上で想像力を働かせることは必要不可欠だと思っている。


優しさの根源は想像力だ。
相手を理解しようとして、相手の心情を思いやる想像力を持つこと。
誰かの喜ぶ姿を想像することが、優しさのはじまりになる。



バーにはいろいろな人がいろいろな感情を持ってやってくる。
いろいろなバックボーンを抱えながら、いろいろな今日を乗り越えてお酒を飲みに来る。
今日はどんな言葉がほしいか、ひとりでしっぽり飲みたいのか、誰かに話を聞いてもらいたいのか、酔いたいのか、騒ぎたいのか。

本当は直帰すればいい今日を、家にいればいい今日を、わざわざ足を運んでくれるのだから、それなりの理由があるのかもしれない。
全くないのかもしれない。
大体は後者なのだけど、でも何かしらの想像を膨らませることで誰かが救われる世界線があると信じている。


お酒を飲む人の界隈は人間関係というか、人間模様が非常に複雑だ。
全員が想像力を持って飲んでくれたらどれだけ平和だろうといつも思うけど、酔うと想像力など皆無になるので仕方がない。
これを読んで響いてくれる人が一人でもいたらいいと思っている。「自分かな?」と思った人は全員以下の本を読んでほしい。


伊坂幸太郎は『ラッシュライフ』で

優しいって字はさ、人編に『憂い』って書くだろ。あれは『人の憂いが分かる』って意味なんだよ、きっと。
それが優しいってことなんだ。
ようするに想像力なんだよ。

と言った。

朝井リョウは『何者』で

想像力が足りない人ほど、他人に想像力を求める。
他の人間とは違う自分を、誰かに想像してほしくてたまらないのだ。

と言った。

サン=テグジュペリは『星の王子様』で

ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。
本当に大切なものは、目に見えない。

と言った。


僕も想像力を飛ばしまくって、何某かの偶然の連続で二階堂ふみがHzに来て、僕のことを気に入ってもらい、連絡先を交換して、デートに行き、付き合えるところまで想像している。
誰かに親身に接することがまわりまわって、ひとつひとつの接客が二階堂ふみに繋がると信じていつもカウンターに立っている。

なので、皆さんも今日来たら二階堂ふみがいるかもしれないと思って毎日ドアを開けてほしい。
横浜流星かもしれないし、広瀬すずかもしれない。常田大希かもしれないし、大谷翔平かもしれない。
ありえないなんて、ありえないのだ。
想像のフィルターを通せば、彼ら彼女らがチャージ代300円を払ってスナック菓子を食べている姿が見れるかもしれない。



ここまで読んで「キモい人だな」と思われることも全部想像できる。
それでもいい、今日はAマッソ加納と二階堂ふみのファンだということを伝えたかっただけなのだから。

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