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「生ビール」ってなに? 熱処理ビールとの違いは?

「生ビール」とはどんなビールか知っていますか? よく比較に出される熱処理ビールとの違いは、どんな点にあるのでしょう。今回は「生ビール」を軸に、熱処理ビールやドラフトビールの話題にも触れつつ、おいしいビールの条件やおすすめ銘柄なども紹介します。

目次
・「生ビール」とは?

・「熱処理ビール」とは?

・「ドラフトビール」とは? 海外との違いは?

・おいしい生ビールの条件

・おすすめの「生ビール(ドラフトビール)」

・家でもおいしい生ビールが飲める方法


「生ビール」とは?

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「生ビール」とは、日本では「熱処理をしていないビール(非加熱処理ビール)」のことを指します。日本のビールのほとんどがこれにあたります。

とはいえ、日本では居酒屋さんなどで提供される樽詰めのビール(樽生)を「生ビール」と呼ぶ習慣があるため、サーバーから注がれるビールだけが「生ビール」だと思っている人も少なくありません。

しかし、熱処理をしていなければ、缶ビールだろうが瓶ビールだろうが、すべて「生ビール」なのです。


「熱処理ビール」とは?

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ここでは、ビールに熱処理を施す理由とともに、熱処理ビールの銘柄を紹介します。

ビールを熱処理する理由

ビールに熱処理を施す理由は、酵母の活動を止めるためです。ビールに生きた酵母が残ったままだと、酵母が発酵を続けて「過発酵」の状態になり、風味が変化して、品質を一定に保つのが難しくなります。また、熱処理(低温殺菌)には、菌の繁殖を抑え、保存性を高めるという目的もあります。つまり、ビールの品質を保ち保存性を高めるのに、熱処理は必要な工程なのです。

熱処理の方法としては、日本ではおもに以下の方法が採用されています。特徴をかんたんに見ていきましょう。

【トンネル・パストリゼーション】
徐々に温度を上げながら、最終的に60度程度の温度を20分間ほど保ったあと、温度を下げていく方法。おもに地ビールなどを造る中小メーカーで用いられています。

【フラッシュ・パストリゼーション】
熱交換器を使って、一気に70度以上まで温度を上げ、20秒もしないうちに次の機械に移動させ、一気に温度を下げる方法。大規模な施設が必要となるため、おもに大手メーカーで導入されています。

なお、熱処理技術が生まれる前は、加熱殺菌やろ過などは施されることなく、樽出しのまま出荷されていました。酵母が残ったままのビールは保存性が低いのがネックですが、当時は、アルコール度数を高くしたり、氷で冷却したりして品質を保持していたようです。

現在では、クール便など冷蔵配送も発達したので、クラフトビールを中心に、熱処理やろ過を行なわない 、酵母が活きている「無濾過生ビール」も人気が高まってきています。

熱処理ビールの代表的銘柄

熱処理ビールの代表的な銘柄には、キリンビールの「キリンクラシックラガー」と、サッポロビールの「サッポロラガービール」となどがあります。

「キリンクラシックラガー」は、昭和40年ころの味わいを再現したという熱処理ビール。「コク・苦味・味わい」にこだわった本格派で、濃厚で飲みごたえのある味わいをたのしめます。

一方の「サッポロラガービール」は、日本に現存するビールブランドのうちもっとも歴史のあるブランド で、北極星をイメージしたラベルの赤い星が目印。通称「赤星」と呼ばれ、親しまれてきました。熱処理ビールならではの厚みのある味わいと、ほどよい苦味が魅力です。


「ドラフトビール」とは? 海外との違いは?

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「ドラフトビール」という言葉もよく耳にしますが、どんなビールを指すのでしょうか。海外の「ドラフトビール」についても確認しましょう。

日本のドラフトビール

日本では、ビール酒造組合が定める「ビールの表示に関する公正競争規約」で、「熱処理(パストリゼーション)をしていないビールでなければ、生ビールまたはドラフトビールと表示してはならない」と規定されています。

逆をいえば、熱処理していないビールなら、瓶や缶などに「生ビール」と表示しても、「ドラフトビール」と表示してもよいということになります。要するに日本では、「熱処理をしていないビール」という点で、「生ビール」と「ドラフトビール」は同じものと見なされているのです。

ちなみに「ドラフトビール」の「ドラフト」には、もともと「汲み出す」「樽から出す」などの意味があります。日本ではかつて熱処理をせずに出すのが一般的だったため、「樽出し=加熱処理をしていないビール」ということで、「生ビール」と呼ばれるようになったといわれています。

アメリカのドラフトビール

アメリカでも、日本と同様に熱処理をしていないビールのことを「ドラフトビール」と呼びます。たとえば、アメリカの代表的なビールブランド、ミラーの「ミラー ジェニュインドラフト 」などが「ドラフトビール」にあたります。

ただ、熱処理をしているビールでも、樽出し(樽から出すビール)
であれば「ドラフトビール」と呼ぶ場合もあるようで、定義はあいまいです。

ドイツのドラフトビール

ビール大国ドイツでは「ドラフト」の本来の意味どおり、熱処理を行わない、樽出しのビールのことを「ドラフトビール」と呼びます。

なお、日本では、熱処理をしていないビールであれば、瓶入りでも缶入りでも樽入りでも「ドラフトビール」と呼びますが、ドイツでは樽以外の容器に入ったビールは、「ドラフトビール」とは呼ばれないようです。


おいしい生ビールの条件

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おいしい生ビールには、いくつか条件があります。日本で多く流通しているピルスナータイプのビールを例に、お店で飲む際の見分け方のポイントを見ていきましょう。

◇泡
クリーミーできめ細かく、長持ちする泡は、おいしいビールの条件のひとつ。泡には蓋の役割があり、ビールの鮮度をキープする効果があります。泡を口に含んだときの感触がやわらかだったら、おいしいビールの可能性大。

◇気泡
ビールの色が透明感のある黄金色で、グラスの内壁に気泡がないことも大切な条件。この気泡はビールの炭酸が分離している証拠で、グラスに目には見えない油分の汚れが付着していると、生じやすくなります。気泡が見られる場合は、おいしい生ビールではない可能性も。

◇泡の層
「フロスティミスト」があることもポイント。フロスティミストとは、泡とビールの境界辺りにできる霧状の細かい泡の層のことで、ビールを口にすると瞬時に泡を再生します。そのため泡持ちがよくなって、いつまでもおいしく飲むことができるのです。なお、ビールを注いだあとに泡だけを追加すると、この層ができやすくなるといわれています。

◇泡の跡
飲むたびにグラスの内壁にリング状の泡の跡「レーシング」がつく場合は、グラスがきちんと洗浄されているということ。その生ビールが、おいしい一杯であったことを示しているといわれています。ただし、きれいなレーシングを作るには、上手に飲むことも必要です。


おすすめの「生ビール(ドラフトビール)」

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日本で流通している大手ビールメーカーの「生ビール(ドラフトビール)」のなかから、おすすめの銘柄を紹介します。

サッポロ ヱビスビール

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「サッポロ ヱビスビール」は長期熟成によって造られたプレミアムビール。ヱビス専用酵母由来の芳醇な香り、クリーミーな泡、コクのある深い味わいが特徴です。

製造販売元:サッポロビール株式会社


サントリー ザ・プレミアム・モルツ

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「サントリー ザ・プレミアム・モルツ」は高級感あふれるプレミアムビールです。クリーミーな泡と芳潤な香り、深みのあるコクが特徴で、上質な味わいを堪能できます。

製造販売元:サントリービール株式会社


キリン 一番搾り

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「キリン 一番搾り」は、麦芽100%で、キリン独自の製法で一番搾り麦汁だけを使って造られた贅沢なビール。雑味が少なく、クリアな味わいが特徴です。

製造販売元:キリンホールディングス株式会社


アサヒ スーパードライ

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「アサヒ スーパードライ」は、厳選した酵母を使用した、スッキリ辛口なビール。爽快なのどごしとキレをたのしめます。ジョッキで飲むビールのようにたのしめる、「ジョッキ缶」タイプも人気があります。
フタが全部開き、開けるとキメ細かい泡が自然に出てくる、まるでお店のような生ジョッキ感覚のスーパードライも、数量限定で発売中です。

製造販売元:アサヒビール株式会社

https://www.asahibeer.co.jp/products/beer/superdry/


家でもおいしい生ビールが飲める方法

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日本では、ろ過技術などが進んだことで、熱処理されていない「生ビール」を家庭でも飲むことができます。とはいえ、お店で飲む「生ビール」のほうがおいしいと感じる人もいるでしょう。

お店で飲む「生ビール」がおいしく感じられるのは、その場の雰囲気だけではなさそうです。その理由として、以下のようなことが挙げられます。

◇サーバーなど各種機器を洗浄して常にクリーンに保つ
◇生ビールを注ぐときに関係するガス圧を適切に調整
◇生ビールを最適な温度で保存
◇飲みごろを計算
◇新鮮なうちに飲み切る

サーバーやビールの管理はさることながら、こだわりの強いお店では、お客さんの前に運ばれたときの温度が飲みごろになるように計算して、グラスにビールを注いでいます。また回転率が速いお店では、樽を開封してから比較的早くなくなるので、おいしい「生ビール」がたのしめるのです。

家でもおいしい「生ビール」を飲むには、このような、お店で行われていることにヒントがありそうです。

まずはビールの保存方法に注目。お店では保存に最適な環境下で管理されています。自宅でビールを保存する際も、香りや味わいのバランスを崩す原因にもなる直射日光の当たる場所や高温になる場所は避け、暗くて涼しい場所に保存するとよいでしょう。

一般的な日本のピルスナータイプのビールは、夏場は約4~6度、冬場は約6~8度くらいが飲みごろとされています。

それから、新鮮な味わいをたのしむためにも、賞味期限内に飲み切ることもポイントです。


「生ビール」と「熱処理ビール」にはそれぞれに独自の魅力があります。瓶や缶で手軽に味わえるので、リラックスタイムに飲み比べて、違いをたのしんでみてはいかがでしょう。ビールの保存方法などもぜひ参考にしてくださいね。

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