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[言葉] 「konmari(こんまり)」、ときめかない日

固有名詞が動詞化するときがあります。
例えば、「検索する」という言葉を「ググる」というようになって久しいですが、これはグーグルという名詞が「体言+る」で動詞化した例です。そして、英語では「Just Google it.」のように『google』という言葉がそのまま動詞になるそうです。

面白いタイトルのブログ記事がMediumにありました。

Uber Execs Konmari Their Org, Lay Off Employees That Do Not Spark Joy

冒頭のように「ググって」、日本語に訳するとこんなところでしょうか。

”Uber(ウーバー)は、自社を「こんまり」し、ときめかない従業員を解雇する。”

ここで「konmari」は、「片づける」という動詞として使われています。

そしてこの「konmari(こんまり)」は日本由来の固有名詞です。

「こんまり」こと、近藤 麻理恵氏はその著書「人生がときめく片付けの魔法」が2011年ごろにベストセラーになりました。近年は日本だけでなく世界に活躍の場を広げています。

そして今年は、Netflixの番組「KonMari 〜人生がときめく片づけの魔法〜」で、エリー賞の候補にもなっているといいます。(発表は現地時間9月22日)

「こんまり」米エミー賞候補入り(共同通信)

「こんまり」という言葉は「Konmari」になり、「ときめき」は「spark joy」になって世界に羽ばたいています。

日本でベストセラーになった当時は、失礼ながら数あるブームの一つに過ぎない、なんて思っていた人間からは、Konmariなんて動詞化するなんて、想像の範囲外です。

もっとも、その使われ方は、レイオフなんていうおめでたい話ではありませんが。

ところで、日本においても、今年は大企業における早期退職が話題になりました。

「48歳で会社を辞める」時代がやってきた  NEC、富士通…大企業で相次ぐ早期退職者募集(文春オンライン)

近い将来「こんまり」が日本に逆輸入されて使われる日がくるのかもしれません。

働き方改革という名の、中年削減社会な日本において、ときめきがない中年な私も、いつ「こんまり」されるのやら。首の寒い時代です。

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