【随想】ビルオーナーは店子を選べるか?#4−プラットフォームに対する関心と対応(4/7)

 競争政策の視点から、このプラットフォーム問題に初めてアプローチしたのは、公取委による2003年3月31日公表の「デジタルコンテンツと競争政策に関する研究会報告書」においてではないかと思われる。この報告書では、いわゆるプラットフォーム事業者の中でもコンテンツ配信業者に注目し、まずその意義について「コンテンツをインターネット等のネットワークを利用して視聴者に提供するために必要なコンテンツ配信、データセンターサービス、認証、課金・決済……等のサービスを行っている事業者」とし、これらの事業は「インターネット接続サービス事業者、インターネット検索サービス事業者等が行っていることが多い」と、当時の状況を踏まえ説明を加えている(同報告書・7頁脚注10)。
 また、この報告書が作成・公表された当時は、コンテンツ配信事業がいまだ未成熟で、有力なプラットフォームが存在しない中、活発な競争が展開されていることが示唆されていた(同報告書・25-26頁参照)。
 その後、プラットフォーム問題は、こうした当時の状況認識を踏まえ、公取委と総務省の共同ガイドライン(「電気通信事業分野における競争の促進に関する指針」2001年11月30日)に結実する(2010年4月記)。

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