【随想】通信環境の見直しを迫るリモートの定着#1−非力だが安価なブロードバンド環境(1/5)

 アナログを自認するわたしのまわりでも、この一年ですっかりリモート環境が定着した。当然、仕事のスタイルも相応に変えざるを得ず、わたし自身も自宅や自宅周辺でさまざまな業務をこなすリモート仕様の仕事スタイルに徐々にではあるが移行を進めてきた。
 しかし、いまだに変えることができず粘っているのが、自宅の通信環境である。いわゆる光ファイバ・ブロードバンドサービスを利用しているのだが、通信会社によるものではなく、ケーブルテレビ会社が提供するサービスを使い続けている。
 かつて契約していた地域のケーブルテレビ会社が、ずいぶん前になるのだが、競合の大手ケーブルテレビ会社に吸収合併された。このとき、既存契約の加入者は、従前のサービスを受け続けることができ、これがブロードバンドサービスとしてはいかにも非力だが、とにかく安いのである。
 いくつもの通信会社から携帯電話とブロードバンド回線の両方をまとめると安くなるなどといった売り込みをしばしば受けることがある。だが、いまの契約条件を示すとすぐに諦めてくれるほどなのである。
 ケーブルテレビ局が提供してくれるBS・CS放送はアンテナを設置することなく楽しめる。ブロードバンドサービスについても、わが家では高解像度の動画やゲームなどの大容量コンテンツを日常的に楽しむ習慣はなく、データ通信をそれなりに利用できれば十分と考えていた。
 だが、リモートの定着はこうした状況の見直しを迫るものになっている。わたしの業務だけならまだしも、高校生と中学生の二人の子どもたちも頻繁にウェブ会議システムを使うようになった。そして、しばしば同じ時間帯にWeb会議サービスを利用する状況が現れてきた。非力なブロードバンド回線では、なんとも覚束なくなってきたのである(2021年2月5日記)。

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