夢妃杏瑠さんの卒業を見送って


2021年12月26日、東京宝塚劇場で杏瑠さんのご卒業を見送ってきました。

振り返ってみれば、ランスロットのモルガンを演じられていた杏瑠さんに初めて心を撃ち抜かれた時から、10年経っていました。運命に抗い、自分の道を歩もうとするモルガンの熱のこもった力強いお芝居と、のびやかで心地いい歌声は今も心に残っています。

その時から今日まで、数々の魅力的な役を演じ、劇場いっぱいに美声を響かせ、ダンスも華やかで、星組の娘役らしい個性で魅せてくれる杏瑠さんを応援させていただいて、私は心の底から幸せなファンでした。
毎公演着実に活躍の場を広げていき、お芝居もショーも役付きが良くて、星組娘役として存在感をどんどん増していくのがはっきりと分かって、本当に楽しかった。杏瑠さんを観ていて、娘役がどれだけ魅力的で、実力と可能性をもっているのかを実感しました。

ロザリンデ、阿漕、刑亥、マダム・カヴァリエリ、そしてキャピュレット夫人のような濃く、強く、華やかな女性ははまり役で、そのかっこよさと美しさに惚れ惚れしました。
太陽王のイザベルや阿弖流為の惡玉といった、凛とした強さを持って男役を支える役は大好きで、何度も劇場に観に行った記憶があります。
中村スガ、アルマ、お仲、そしてお沙和さんはお芝居に心を打たれ、泣かされました。
スカーレットⅡ、マリンカはお芝居だけでなく、大好きな曲を歌う杏瑠さんの歌声が聞けて、至福の時でした。
どちらかといえば個性的な役をやることが多い杏瑠さんのシュザンヌは、ザ・正統派娘役といった楚々とした雰囲気で、とても可愛かったです。
杏瑠さんのお誕生日に観劇させていただいたラブドリは本当にまぶしくて、舞台の上できらきらと光を放っている姿を今でも忘れられません。
私が好きだった役を書き出してみようと思いましたが、まだまだあって書き尽くせません。新公エトタカ、REON!!シリーズ、Dear Diamond!!、THE ENTERTAINER!、キラル、モアダンをはじめ、ショーも好きな作品、好きなシーンが多すぎます。

たった1つの後悔は、『おかしな二人』を観に行かなかったこと。
そして本音を言えば、まだまだこれから観たい舞台がありました。
今日まで本当にたくさんのきらめく夢を見せてくださって、ありがとうございました。
杏瑠さんを好きになったからこそ、さらに宝塚が楽しく、大好きになりました。


あの千秋楽の帰り道から、どうしようもなく寂しい。