合弁事業は螺旋階段を上るようなもの

合弁事業はテコの原理
何を目的にするのか?を整理すると、自分の良いところ(資源や強み)と相手の良いところを「掛け合わせ」ることで、より速いスピードで、より遠いところに到達することだと思います。

あくまでも足し算では無く「掛け算」であることがポイントなので、その分野における自分たちの能力が最低でも1以上なければいけませんし、相手にも同様なレベルを求めなければいけません。
なので、自分たちの能力が発展途上にある間は、合弁事業など考えずに、自分たちの事業分野(ニッチ可)でNo1をひたすら・ひたすら目指してください。
この期間中はそもそも声が掛からないと思いますし、もし声が掛かった場合は(言葉が悪いですが)相手の見る目が無いのです。弱者同士で手を組んだとしても「掛け合わせ」なので結果は見えています。

今回発表された能作とLOTAグループのケースでは

・能作の資源:100年以上受け継がれた技術、若い職人(活気ある現場)、高岡のバックグラウンド、能作克治(人たらし)、ブランド力、企画・デザイン力 などなど
・ロタグループの資源:圧倒的な資金力、中華圏での販路や人的ネットワークなどの経験値、最新技術・生産能力・原材料の調達 などなど

日本と台湾の場合、心理的・物理的距離は近く、かと言って「商売のこだわりポイント」が少しズレているため、どうやら相性が良いみたいです。

合弁事業の留意点は自社だけで事業展開するよりも関係者が増えるため、細部に至るまでの方向性の一致です。多くの場合「総論賛成、各論反対」(TOP同士はイケイケ・ガンガンでも現場レベルでは矛盾が発生)となりがちです。これは立場の違いは勿論、商習慣の違いにあると思います。

これを解決するにはお互い膝を突き合わせ、また時間と回数を掛けて議論するしかありません。相手に向き合うことで、螺旋階段のようにグルグル昇華していくと自然に最適解に巡り合うことでしょう!


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