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LINKIN PARK「QWERTY」:ラップとボーカルが絡み、肉厚なギター・サウンドが駆け抜ける

『Papercuts - Singles Collection (2000-2023)』と題したLINKIN PARKのベスト盤が2024年4月にリリースされました。大きなニュースは未発表曲の「Friendly Fire」を公開したことであり、アルバムに先行して配信されています。同様にスタジオ・アルバムに入らなかった「QWERTY」が聴けるのも、このベスト盤のポイントです。

「QWERTY」は三枚目のスタジオ・アルバム『Minutes To Midnight』のセッションで制作された数多くの曲のひとつです。2006年の夏にバンドが来日したときに披露されました。前作『Meteora』のリリースから三年が経っていたこともあり、次作との関係性が推察されたのは当然です。新しいアルバムの中心になるのだろうと当時は思いましたが、最終的に収録が見送られます。後にファンクラブ限定のCDや未発表曲を集めた企画盤のCDに収録されたので『Papercuts』が初めての収録ではありませんが、ついにストリーミングで聴けるようになりました。

Mike Shinodaのラップ。Chester Benningtonのシャウト。テンポよく畳みかける肉厚なギター・ロック。LINIKN PARKのInstagramによると、「QWERTY」は “as a break in the middle of the Minutes To Midnight recording sessions” とのこと。だからなのか、この曲のアレンジや歌の雰囲気は『Minutes To Midnight』の路線よりも、『Meteora』の流れに近いと思えます。想像するに、三作目が「QWERTY」の曲調を中心にして、Mikeのラップの比率を高めていたのなら――デビュー作『Hybrid Theory』と『Meteora』に続く三部作として位置づけられ、その完結という大役を担ったかもしれません。


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