Ariana Grande – The Remix

Ariana Grandeの『The Remix』は、日本だけでリリースされたリミックス・アルバムです。彼女のシングル曲やコラボ曲のリミックスを聴くことができます。ジャケットも日本を意識しており、シンプルながらもポップなイラストが飾っています。

彼女はSUMMER SONIC 2015にも出演しますし、彼女のチームは日本を悪くない市場だと捉えているのかもしれません。もちろんAriana自身が日本に好意的だとも考えられますが、それだけで作品が(コンピレーションとはいえ)制作されることはないはずですよね。

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今や、ソフト・シンセの音は流行を通り越して、音楽制作におけるメジャーな選択肢になっていると言えます。TVCMなんかでも耳にする機会は増えていますね。その傾向を『The Remix』にも感じることができます。収録された曲の多くがソフト・シンセの音をきかせたエレクトロに仕上がっています。

テナーの音やIggy Azaleaのラップをフィーチャーした「Problem」[1] は、アプローチの異なる3つのバージョンが収録されています。ソフト・シンセの音に気持ちよく酔うことができます。"Dave Aude Twerk Edit" と "Dawin Remix" は、ともにキックとスネアとベースの使い方が格好良い。

「Break Free」[2] はZeddが曲を提供してミュージック・ビデオにも出演しましたが、ここでは彼によるextended mixを聴くことができます。オリジナルの印象を残しつつ、音を加えたり間奏を伸ばしたりすることで変化をつけています。オリジナルよりも長いのに、むしろ引き締まった印象を受けました。

「One Last Time」[3] のリミックスも、エレクトロの良さがメロディを引き立てていますね。哀愁を漂わせる、いわゆる「泣き」のメロディと、乾いた感じのエレクトロニック・サウンドがうまく混ざります。それらを支える四つ打ちのリズムもまた心地好い。

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他にも、Jessie JやNicki Minajとコラボした「Bang Bang」や、葉加瀬太郎のバイオリンを重ねたバージョンもある「Baby I」などのリミックスが収録されています。『The Remix』で初めて彼女の音楽に触れるのもいいのではないでしょうか。

リミックスをきっかけにオリジナルを聴いて他の曲も聴くことで、そのアーティストを好きになる、というケースはあります。シンセサイザーの音が好きな人であれば、琴線に触れるエレクトロニック・サウンドを『The Remix』で発見できるかもしれません。

[1] https://note.mu/iamfjk/n/n81ea802578b7
[2] https://note.mu/iamfjk/n/n3c79d165b2be
[3] https://note.mu/iamfjk/n/nf8d681d50f50

オリジナル:http://inthecube.exblog.jp/24676425/

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