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コアラモード.「雨のち晴れのちスマイリー」:カラフルに響く歌と音、表情を変える空模様

コアラモード.というデュオの音楽を初めて聴いたのは、2016年10月にリリースされたシングル「雨のち晴れのちスマイリー」でした。その頃、tvk「saku saku」の月間エンディング・テーマとして毎日流れていたため、そのキャッチーなメロディが印象に残りました。また、ウィークリー・ゲストとして登場したときも、2人のしゃべる雰囲気がとても良く、その点でも好印象でした。

「雨のち晴れのちスマイリー」はインディーズの頃に制作され、ずっと歌われてきた曲のようです。デビュー前からの経験が積み重なり、歌も演奏も丁寧に熟成された曲ですね。同時に、ずっと応援してきたファンとの時間もパッケージされた曲ともいえます。

バンド・サウンドがとても心地好い。軸のしっかりとした演奏とともに、歌が聴き手にエネルギーを送り込みます。起伏のある演奏や歌は、太陽の光や灰色の雲、降りしきる雨など、次々と表情を変える空のようです。それこそ「雨のち晴れのちスマイリー」という曲名を体現しています。YouTubeでは曲の一部が聴けますが、できれば、CD・ダウンロード・サブスクリプションなど形態はともかく、イントロからアウトロまで聴いてみてほしいと思います。

リリースから1年が経ち、この曲を改めて聴いていると、聴く人の背中を押す力強さというよりは、倒れないように「支える」というイメージが浮かびました。前に進む追い風や、倒れたところに手を差し伸べる優しさとも異なり、誰かを支えようとしているのではないか。倒れたら立ち上がるエネルギーが要りますが、倒れなければすぐに歩くことができますよね。そういう「支える」音楽なのかなと思いました。


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