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LINKIN PARK「Nobody’s Listening」:吹き荒れるリズムの嵐と狂乱のスクラッチ・ノイズを従えた尺八ヒップホップ

ロックとヒップホップの両者を軸にしていたLINKIN PARKは、デビュー後にロックの色を濃くしていきました。そのなかでも、ヒップホップに大きく寄せた珍しい曲があります。それが『Meteora』に収録された「Nobody’s Listening」です。キックの効いた重厚なリズムのなかでスクラッチ・ノイズが響き、クールなラップとワイルドなボーカルが響きます。

アレンジの大きな特徴は尺八です。重いリズムや攻撃的なスクラッチ・ノイズと並走して、涼しい顔で淡々とループする尺八の音。耳にしたことがなければ特異な音に聞こえることでしょう。けれども、尺八と知っていても、こうしてロックやヒップホップの文脈に組み込まれると不思議な組み合わせに意表を突かれます。

「Nobody’s Listening」のライブ音源は聴いたことがなかったのですが、嬉しいことに『Meteora (20th Anniversary Edition)』に収録されました。「Step Up」と「It’s Goin’ Down」というヒップホップ系の曲とともに、メドレー形式で披露されています。前者はデビュー前の曲、後者はMike ShinodaとMr. Hahnがゲストで参加したX-Ecutionersの曲です。MikeのラップやMr. Hahnのスクラッチが縦横無尽に駆け巡る圧巻のパフォーマンスを見せてくれます。スタジオ音源よりも荒々しく攻撃的で、ライブならではの力強いプレイです。


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