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いつでも死ねるように、いつお客さんが来てもいいような部屋にしておこうと思った【後編】

 前回の話の続きというか後日談というか。

■少し回復してきた私を更に助けたもの


 丁度この頃、アニメ「鬼滅の刃」遊郭編がテレビで放送されていて、私は

鬼いちゃんに惚れ込んだ。

 元々「そろそろ堕姫のお兄ちゃんの妓夫太郎が出てくるなぁ。好みのキャラクターだと思うから登場が楽しみだな~」と思いながら見ていたのだけど、予想以上に心を撃ち抜かれてどハマりしてしまった。

 セリフから垣間見える彼の生前の願いとか……鬼になり記憶が蝕まれて凶暴化しても、なお残る人間らしさとかが……逢坂良太氏の怪演により一層際立っていた。すごい。

「このお兄ちゃんみたいに下のきょうだいを大切にできる人でありたいな」とか「この子達を守れるくらい甲斐性のある大人になりたいな」と思わせてくれた。

 これまでにも物語の登場人物を気に入る事はあったけど、ここまでダイレクトに良い影響を受けた事は無かった気がする。

 彼には感謝しかない。ありがとう妓夫太郎くん。ありがとう上陸兄妹。

 初めてスマホのアルバムに100枚以上の画像を集めるほど大好きになったし、同じアニメの同じエピソードを何周も観るヲタクの心というものも初めて真に理解したと思う。
 おかげでかなり活力が湧いた。

 それともう一つ。

手帳が心強い味方であると気づいた。

 紙の手帳の、マンスリーのページに予定や片付けておきたいタスク等を書き出し、ウィークリーのページに達成できた事や一言日記を書くようにしてみた。

 些細な事でも紙に書き出しておく事で、頭の中がごちゃごちゃしなくなる。毎日をダラダラ過ごして消費せずに済むようになった。

 そんな事で?と思われるかもしれないけど、意外なくらい効果があった。

 そういえばかつてブラックな職場でボコボコに怒鳴られて朦朧としていた時も、「日誌に今日の予定を書いておく」「実際にクリアしたタスクは即座にその隣に書き込む」ようにしたら、だいぶテキパキと動けるようになっていた。
 私には合っている方法なのかもしれない。

 手帳に毎日一言日記を書くと思えば、めんどくさい用事もちゃんと片付けておこうかな、という気分になれる。
 本当に何も出来なかったとしても、別に「今日はごろごろした」「生きててえらい!」とか書いておけばいいんだけど。

 日記に関してはアプリを使うのもおすすめです。
muuteというアプリを見つけたので使ってみているのだけど、後から感情を確認したり話題ごとに書き込みを抽出したりして振り返ることができるのはデジタルならではだなぁ。

■大掃除をしてから思わぬ変化もあった

 目覚めが良くなり、行動力も上がった。

 朝の異常な寝起きの悪さや、面倒くさがりですぐ散らかしてしまう事は、私が20年以上生きてきて全く改善の見込みが無かった弱点。

 子供の頃は、部屋は親に勝手に片付けられても1週間で元に戻ったし、揺さぶられても全く起きないので毎日寝室から布団ごと引き摺られて居間に引っ張り出されていた(それでもそのまま眠り続けていた)。

というか胎児の頃から昼夜逆転していたらしい。日中は全く動かず、母が寝る頃になってからポコポコ動き出していたそうだ。

 それが短期間でも改善されている時点で、もはや天変地異なのですよこれは……。
 これまで片付けたそばから散らかしていた私では考えられないほどすっきりした部屋をキープできている。

 もし今回の不調が本当に冬季うつなら、また来年ぶり返す可能性もあるので油断は禁物だけど、「その時はその時でまたなんとかできそうな気がする」と思えるようになった。

■今後は「面倒くさい」を減らしたい

 私は死にたいとは思わないけれど、最初から生まれてこなかった事に出来るなら正直そうしたいと感じているフシがあった。
 「しんどい想いをして命を繋がなきゃいけなくなるなら初めから存在しないのが楽だったよね~」と思えてしまうくらい、筋金入りの面倒くさがりなので。

 生きていくのは楽しい事も沢山あるけれど、物凄く面倒くさい。未来を考えると不安も多い。

 きっと私が心底生まれてきて良かったと思うためには、面倒くさがりの私が面倒くさいと考える暇がないくらい、毎日を新鮮な感動で満たさなければならないのだろうなぁ。

 だからいつか、いつでも死ねるように綺麗にしたこの部屋に私の好きな誰かを招いてみたい。
 もしその時が来たら、ちょっと感動すると思う。(でも本当に人を呼ぶならいっそ引っ越したいかも……)

 ちょっと頑張って、重い腰を上げていつもと違う事にも挑戦した方がいいと思いました。
 これでも以前より腰の重さは改善されているので、この調子でもっとフットワークを軽くしていきたいなぁ。

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