見出し画像

MAとCRMの違い|目的・機能・役割でわかりやすく解説|マーケティングオートメーションと顧客関係管理システム

MA(マーケティングオートメーション)が日本に登場してから数年、現在では国内での認知度も高くなっています。

MAとよく混同されるツールとして、CRMが挙げられます。いずれも顧客管理や販促に関わるツールであり、機能が重なる部分もあることから、両者の違いに疑問を持たれる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、MAとCRMそれぞれのツールについて、役割や目的の違いからどちらを選ぶべきか、さらに企業の成功事例までを詳しく紹介します。最後におすすめのツールも紹介しているため、効率的にマーケティング活動を実施したいと考えている方はぜひ参考にしてください。

MA(マーケティングオートメーション)とCRM(顧客管理システム)の定義

MA(マーケティングオートメーション)もCRM(顧客関係管理システム)も、企業の売り上げを伸ばすためのマーケティングツールです。しかし、導入目的や機能性において細かな違いがあります。

ここからは、MAとCRMそれぞれの意味や定義と違いを紹介します。

MA(マーケティングオートメーション)とは

MAとは、「Marketing Automation(マーケティングオートメーション)」の略であり、頭文字をとって「エム・エー」と呼ばれています。もともと米国から始まったツールで、2014年頃から日本にも登場しはじめました。

MAは直訳すると「マーケティングの自動化」という意味であることから、「MA=マーケティングを自動化するためのツール」と説明されることがしばしばあります。しかし、より正確に定義するならば、MAとは「パーソナライズドマーケティング」や「1to1マーケティング」をプログラムによって実現するツールといえます。

※パーソナライズドマーケティング…顧客一人ひとりに最適化されたマーケティング。ユーザーの個人情報を元に、一人ひとりの興味関心に沿った情報やサービスを提供するマーケティング手法。Adobeが発表した「2019年のマーケティング予測:注目すべき5つのトレンド」にも選ばれた。
※1to1マーケティング…基本的にはパーソナライズドマーケティングと同義だが、よりマスマーケティングの対比として語られる。製品単体ではなく、提供の仕方やサービスなど、顧客の体験から差別化を図るものである。

CRM(顧客管理システム)とは

CRMとは「Customer Relationship Management(カスタマーリレーションシップマネジメント)」の略であり、頭文字をとって「シー・アール・エム」と呼ばれています。

CRMも、MAと同様に米国から伝わってきた用語で、直訳すると「顧客関係管理」という意味となります。歴史はMAより古く、90年代後半から2000年代初期に日本で広まりました。もともとは顧客と良い関係を構築しようという考え方や経営手法を示す言葉ですが、現在では、その手法を実現するためのツールを意味することが多くなり、「顧客関係管理システム」と訳されることが多くなっています。

MAとCRMの違い(1):導入目的が異なる

MAとCRMの違いの一つが導入目的です。どちらも販促に関わるツールであり、最終的な目的は売り上げの向上である点は共通していますが、顧客の購買フェーズのどこに注力するかという点が異なります。

MA(マーケティングオートメーション)の導入目的と役割

MAの主な導入目的は見込み客の発掘と育成です。マーケティング用語では、前者を「リードジェネレーション」、後者を「リードナーチャリング」といいます。

リードジェネレーションとは、前述のとおり自社のターゲットになりうる見込み顧客を獲得することです。「獲得」とは企業からアプローチするための顧客情報を取得することであり、具体的には、氏名やメールアドレス、電話番号、法人顧客であればさらに、社名や部署などの情報がそれにあたります。

見込み顧客を獲得する手法は、展示会やセミナーを開催して名刺を交換したり、記事広告から商材の申し込みフォームへ誘導したりと、これまでにもさまざまな方法がありました。しかしMAを用いることで、その施策をさらにパーソナライズできます。

例えば、自社サイトで商材Aのページにアクセスした見込み顧客が数日後にサイトのトップページを訪問した際、複数の情報を一律に表示させるより、商材Aに関するセミナーや資料の案内を表示した方が申し込まれる確率が高くなるでしょう。このように各個人の関心に合わせた情報を提供することで、見込み顧客を獲得することがMA導入の目的の一つです。

MAのもう1つの導入目的は「リードナーチャリング」です。リードナーチャリングとは、見込み顧客に対し自社のサービスや商材への必要性を喚起し、興味を醸成していくことです。具体的には、ブログやメールマガジンなどを通してコンテンツを発信したり、セミナーやキャンペーンの案内を送ったりといった施策です。

今までも同様の手法はありましたが、MAでは自社サイトの閲覧状況やメールの反応などによりコンテンツの内容を変えるなど、条件によって異なるシナリオを設定することが可能です。各個人の確度にあわせて複数のシナリオを用意することで、徐々に見込み顧客の商材への関心を高められます。

CRM(顧客管理システム)の導入目的と役割

CRMの主な導入目的は、既存顧客と良い関係を構築することでLTV(Life Time Value)を高めることです。LTVとは「顧客生涯価値」と訳され、「一人の顧客が生涯において企業にもたらす利益」のことを意味します。LTVを高めるということは、端的にいうと自社の商材のリピーターや継続ユーザーを増やすということです。具体的には、顧客の購買履歴や問い合わせなどのやりとりを管理し、その情報をもとに顧客に喜ばれるサービスや対応を提供しようというものです。

新規顧客へ商材を売ることは、既存顧客の売り上げを伸ばすより難しく、コストも数倍かかるといわれています。そのため、近年特に既存客へのアプローチが重視されています。

このように見込み顧客が商材を購入するまでがMAのフェーズ、購入後がCRMのフェーズといえますが、購入後はMAを使わないということではありません。購入後もリピーターになってもらうためには、個人ごとに最適な施策が重要であり、そのためにはMAが欠かせません。CRMで管理している顧客情報を活用し、MAでアプローチする流れで、相互に保持しているデータを連携してツールをより活用することができます。

★Grab記事本編では、MAとCRMの機能の違いや企業の成功事例について解説しています。ぜひ、ご覧ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?