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【鉄日】24/04/19. All Down The Line.

4月は新学期、新しい職場や学校、そんな真っ当な生活者が新生活を迎える。
あまり真っ当でない僕にとっては甚だつまらない心持ちで、桜の開花で酒をカッくらって、チェ真っ当なヤツらめと顔をしかめる。
だから四月馬鹿はいいとしても、四月病なんてちゃんちゃら可笑しくへそで茶沸かしちゃう。
転職の度に病気になってたら、フリーターなんてやってらんない。
朝まで酒を飲み明かし、通勤通学する者たちを横目に赤ら顔、まだ足りない「おやじ酒くれ」てやってるような生活をしてると、このような低所得になってしまうんだよ。
あゝ下北沢の駅前食品市場よ、せっちゃんのクソ不味いおでんよ、上がらない踏切にしょんべん臭い横丁、
足早に通り過ぎてく学生たちよ、見習うな、見誤るな、僕はただ帰りたくなかっただけなんだから。
30数年前の状況を語ってもしょーがない、僕はいまを生きるしかない。

さて現在、とある山にある宿泊施設にて雑務をこなす身。
ハローワークで紹介された簡単な水道設備のメーター管理という仕事は、なんだか得体の知れない雑務がそれを上回り、
用務員のおっちゃんというコトになってしまってる。
いいんですよ、むしろすげぇいいんですってば。
さうして春のキャンプ場開き(冬季は閉鎖)、炊事場やトイレの水道を開き、常設テントを組み立てる。
なかなか機能的に仕上がってるテントの仕組みに興味津々、しかし急斜面に拵えるので、骨組みなど部位を人力で運ぶのは重労働でござった。
ご老体にはかなり堪えたので、その日は夕飯も晩酌もスルーし夕暮れ時には直ちに就寝だった。
やはり僕は団体戦が苦手で、チームになって仕事をすると相手に合わせようと無理してしまう質で、ペースが乱れてしまう。
一人で黙々とこなす方が向いている。


道路補修

そんな作業で、道路の穴埋めは勉強になった。
コンクリートの亀裂や埋没した穴を、簡易コンクリで補修していく。
簡易コンクリを袋から出し穴を埋め散水して車で何度か押し潰していく。
押し潰していくとまた凸凹が凹むのでさらに追加し平になるまでギュッギュとやっていく。
山を下る道すがら、凹んだ箇所を発見してその作業を繰り返す。
と、もう普通に路上を走ってる時も凹んだとこが気になって、なんか車から降りて埋めたくなっちゃう。
日々そんな作業に従事してる方もいるんだなぁ、と知らなかった裏方の仕事を体感する。
悪路をコンクリで埋め道路を作っていくという見えない仕事。
むかしは土をコーティングして固めるという自然に相反した人為的なコトに違和感があったけれど、いまはそれも許そう。
でも時には、土の地面を曝け出した路上を見つけると、救われた気持ちになる。
だって地面は呼吸してるでしょ、アスファルトなんかでぜんぶを覆っちゃったら窒息しちゃうよ。

THE LINE

初挑戦の駐車場ライン、というかあまり誰もやろうとは思わないよなぁ。
自分も仕事じゃなきゃ、なかなかやる機会はない。
路上なのでアスファルトは土埃に砂利、それに決して平坦ではなく、F.ヴァッサーの造る床のように波打ってる。
そう自然に直線はないのだ。
そこに平均な直線を描くという難しさ、それに塗り難さが加味され、水で薄めたら塗りやすいんだけどそうすると養生していてもその隙間からペンキが漏れてしまって、どうも見苦しい線となってしまう。
だいぶ苦戦しました。
養生するのに数時間、塗り始めちゃえばあっちゅーう間、でも出来上がった後は清々しいのです。
とうとう身障者マーク(車いす)まで描く羽目になってしまったが、直線よりはやり甲斐があった。
丸みは紐にチョークをつけ当てずっぽうな簡易コンパスでやっつけたが、はっきり云ってとても見苦しい仕事になったと思う。
型紙をプリントアウトしちゃえばもっと簡単だったろうに、簡単じゃない方法を敢えて選んでみた。
それもそれで学び、路上を定規で測ってチョークを引きガムテープで養生していく。(それに3時間)
大雑把に色塗りしてから、細かい箇所を小さな筆で加筆していった。
黄砂吹き乱れる強風、今日の仕事はこれに没頭し、僕は満足げである。
こんな機会はあまり巡ってくるものではない。
その上お給金が頂けるなんて、いい経験をさせて貰ってます。

これだから飲んだくれにだってチャンスはあるんだぜいベイベ。