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Are you ready to shoot?

『一度も撃ってません(2020)』

監督:阪本順治 / 脚本:丸山昇一
出演:石橋蓮司、大楠道代、岸部一徳、桃井かおり、妻夫木聡

石橋蓮司・主演、はとても珍しい。

主人公は売れない作家、裏の稼業は殺し屋なの?

今宵が最後の営業となるBAR"Y"に集い、事件が起こるの? 

というハードボイルド・コメディ。

なんの気なしに見ていたが、ヒジョーに懐かしい気分になってきたゾ。

本作が製作された背景として、

2011年死去した原田芳雄の自宅で行われた飲み会で桃井かおりが阪本順治に「次は石橋蓮司主演で映画を撮って欲しい」
とリクエストしたことがきっかけとされている。
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成る程そういった経緯か、あれ、ほら、あの映画が観たくなってきた。

そう、あの映画から30年以上も経ってしまうのか。

『われに撃つ用意あり(1990)』

監督:若松孝二 / 脚本:丸内敏治
出演:原田芳雄、桃井かおり、石橋蓮司、蟹江敬三、室田日出男

タイトルからして、先の映画はこのアンサーとして制作されたコトは明白だ。

舞台は新宿、今宵が最後の営業となるBARに集う全共闘世代の仲間たち。

原田芳雄がBARのマスター、ヤクザに終われるアジア人女性をかくまい騒動が起こる。

いったいあの60年代後半からの喧騒は何だっただろうか?

反戦運動から派生する全学連の安保闘争、デモ、ヘルメットとゲバ棒に火炎瓶、大学封鎖占拠。そんな中、67年新宿騒乱事件で気焔を挙げた仲間たち。

その未消化だったものを吐き出すように、街を駆け抜けるという映画。

当時観た時、自分は20代、随分と日和ってるなと感じたが、見返してみたら悪くない。というか、『浪人街(1990)』と同時期なのか!?

どうりで脂が乗り切ってぎらぎらしてる。

主演の芳雄さんはともかくとして、この映画での石橋蓮司は泥酔して寝てばかりだ。

それに桃井かおり、彼女はいったいどこまで貪欲なんだ。
ショーケンとも松田優作とも肩貸してるよね。

この映画から30年後にあの映画があり、それから先はあるのだろうか?

"Y" の次は、"Z" これで終わりってこと。

そんなノスタルジイに囚われ、過去の作品を漁り、

年齢を重ね、当時観ていた作品が毛色を変えていく。