見出し画像

企業研究してみる #2

#企業研究 #業界研究

前回の続き。前回はこちら↓
https://note.com/iceclimb/n/n6770827d5efc

人事らしいポイントも見てみよう

生産性

ここで最初に確認しておいた従業員数を使ってみよう。
この会社の従業員数は1,405人だった。
人数は増減している可能性はあるが、細かい話は置いておく。

56期第3四半期は約321億とある。
9ヶ月間の累計なので、1ヶ月あたりの売上高は約35億となる。
これを1,405人の従業員数で割ってみると約253万円という数字になる。

これは従業員1人あたりが稼ぎ出している売上高だ。あるいは従業員1人あたりが作り出している付加価値とも言える。

この数値のことを生産性と言ったりする。

「給与の3倍を稼いで一人前」というような、昭和臭のする格言を利用してみよう。「給与の3倍を稼いで一人前」というのは、なんら根拠がない根性論というわけではない。
業種業態によるが、売上高の30〜50%くらいが人件費におさまるよう、ビジネスモデルが設計されていることが多いだろう。

つまり株式会社タカミヤの場合、253万円の3分の1は約84万と考えることができるだろう。
この数字は結構重要な指標だ。
この84万円は「平均給与のトップライン」と考えることができるからだ。
「給与の3倍説」が揺らがないなら、月収の平均が84万円以上になることはないということだ。

もちろん細かい話をすれば、人事や経理といった管理系部門の従業員は生産性をあげていないとか、法定福利費がどうとか、文句のつけようはある。

だがこんなもんは自分独自の指標の一つだ。
同じ計算式を使って、他の企業と比べていくといいだろう。

生産性のトラップ

生産性が高いほど、付加価値が生みやすく、高い収益をあげられる構造にな
っている可能性はある。
こういう企業を「筋肉質な企業」という。
生産性が低いよりも給与が上がるポテンシャルはあると考えることができる。

一方で生産性が高すぎることも問題でもある。一人当たりの生産性が極めて高いであろう業種、例えばコンサルティングファームなどであれば、生産性が比較的高いだろう。

そうでない業界業種である場合、生産性が高すぎるということは本来5人で行うべき業務を3人で回しているのかもしれない。
つまり一人あたりにかかる負担が大きく、激務になっている可能性があるということだ。
あるいは従業員数が非常に少なく、派遣やバイトなどを活用して業務を回している業界もあるかもしれない。これだと従業員数の数はすくなくなるため、生産性は非常に高くなっているように見える。一方で派遣やバイトをマネージメントしなければならない負担が増大することになる。

生産性のデータは企業研究をする際に蓄積しておくとよい。
常に企業によってはホームページに掲載されている従業員数の意味するところが違う可能性がある。
正社員のみを指す場合もあるし、契約社員、バイトなどを含める場合もある。単位か連結かによっても変わってくるだろう。
一つの基準を自分で定めておくとよい。

また生産性データは競合他社と比較する時に役に立つ。
同じ業界、同じような事業規模にも関わらず、従業員数が大きく異なる場合、収益構造が違うの、あるいは先程の激務問題が疑わしくなる。
残業しまくって足りないマンパワーを埋めているのかもしれない。

感覚的だが1正社員あたりの生産性が年間3,000万円前後だと、非常にバランスがよい企業のような気がする。

まとめ

簡単に企業研究をしてみた。
今回はIRを使い、ほかにも調べたい項目があるが、4月5日も終わったことだし、また今度、別の企業でやってみよう。

つらつらと言い訳が述べられまくっている、テキスト情報何かを紐解くのは、なかなかクセになるのでオススメしたい。

IR情報を見ても就職活動の役に立たないという人がいる。
就職先は上場企業ばかりではないから、IR情報があるかどうかもわからない。
またIR情報を読み解く力が求められるので、習得コストがかかる。
面接の時の話題作りなら、プレスリリースや企業理念、社長のメッセージからヒントを得た方が良いだろう。
ほかにも中期経営計画を読むのもオススメだ。これも斜めに読んでいくとクセになる。

自分が興味がある企業の規模、伸び代を把握しておくことは後々役に立つだろう。いや最低限読めるようになっておかないと、いずれ恥をかくことになるだろう。
自分のキャリアが決まるファーストキャリアの情報かもしれないのだ。
面接前にIRを開くクセくらいは付けておくと良いだろう。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?