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独歩の独白


何故この世界にはこんなにも音が溢れているんだろう、、
酒に溺れた若者たちの笑い声、ぼったくり居酒屋のやる気ないキャッチの声、 
こんなに雑音だらけじゃまともに息も吸えやしない。

すぐ横をホストの看板を背負うトラックが通り過ぎる。シンジュクNo.1ホストGIGOLO
この夜の街に祝福された男。
こうして街ですれ違うと全然知らない人に思える。
足取りが重い。耳鳴りがする。背中が丸くなっていくのがわかる。

こんな夜の街を歩く時、決まって良くない思考が脳みそを駆ける。

例えば、こんな具合だ。
一二三がもし女性恐怖症を克服できたら?
そして一二三に好きな人ができたら?
そうでなくともずっとこのまま俺と2人で住み続けるわけにはいかないだろうな。
俺には一二三しかいないけれど、一二三はそうじゃないんだ。

どうして同性同士ずっと一緒に居れないんだろう、、
異性同士ならば自然にずっと一緒にいられるのに、、
恋愛以外の形があってもいいはずだろう。

同僚は表立っては言わないが不審がっているだろう。
いい歳した男2人がいつまでルームシェアして何やってるんだって、
変な噂が立つこともある。。

世間の目なんて気にするな、
なんて分かっているけど、本当に気にしないで生きていける人が果たしてどれだけいるのか。

俺が一二三の幸せを奪っているのか?
それは嫌だ、俺は一二三に幸せになってほしいだけだ!

この感情は何だ?

恋愛じゃない。
友情、だけでもない。
だって俺は一二三の人生に関わりたい。
運命を共にしたい。

ただ、、
愛であることは確からしい。


end

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