ざん

読むことだけが好きなのですが最近うまく言葉が出てこなくなったのでリハビリとして始めてみ…

ざん

読むことだけが好きなのですが最近うまく言葉が出てこなくなったのでリハビリとして始めてみました。 粗雑な文章ですが読んでくれると嬉しいです。

最近の記事

独歩の独白

何故この世界にはこんなにも音が溢れているんだろう、、 酒に溺れた若者たちの笑い声、ぼったくり居酒屋のやる気ないキャッチの声、  こんなに雑音だらけじゃまともに息も吸えやしない。 すぐ横をホストの看板を背負うトラックが通り過ぎる。シンジュクNo.1ホストGIGOLO この夜の街に祝福された男。 こうして街ですれ違うと全然知らない人に思える。 足取りが重い。耳鳴りがする。背中が丸くなっていくのがわかる。 こんな夜の街を歩く時、決まって良くない思考が脳みそを駆ける。 例えば、

    • その言葉に愛はあるのか

      仕事終わり、帰宅支度をしていたら後輩が後ろを通り過ぎていった。なんとなくその後ろ姿を見ていたら涙を拭う仕草をしていたように見えた。 今日は警報が出るほどの大雨。電車が止まるとか止まったとか。。 このまま気付かないふりをして帰ろうかと、ふと頭をよぎりながらもその背中を追いかけた。 話を聞くに、とある先輩にとても強い口調で注意をされたらしい。その先輩は好き嫌いがはっきりしており嫌いな子には(とりわけその子には)当たりが強い先輩だった。 “言われたことは正論だったし自分にも過失

      • 或る夢の話

        山田一郎は夢を見た。その夢は遠く昔のことのようだった。 一郎は2人の弟と公園で遊んでいる。齢は大体7歳くらいだろうか。ふと気づくと数歩先に両親がこちらをみて微笑みながら手を振っている。嬉しくなってぶんぶん腕を振り返した。空は雲ひとつなく澄んでいて、なんだかこの世の幸せををかき集めたみたいな光景だった。 「うっ、、ぐすっ、うぅ」 「、、おい、おい一郎、大丈夫か?」 波羅夷空却は睫毛の長い瞳を大きく開いて驚いている。 「おめぇは夢ン中でも苦しそうだな」 ひゃははとからかうよう

      独歩の独白