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もうちょっと注目されて欲しい水星の話

※当記事は占星術上の水星を扱っています。

これを書いている現在、お空では水星逆行が始まって少し経っている。何かと『真っ直ぐは行かない』ような時間帯で、既に決定したことが覆ったり、順調にいっていたことに横やりが入って停滞したり……のような時間帯だ。だったらその流れに乗っかって、モノゴトをしっかり検討するには良いとも言える。部屋の掃除矢模様替えをしたり、各種料金プランや保険の見直しをしたりするなら、水星逆行時にやるといいんじゃないかな、と私は思っている(※但し検討・確認の作業に限る。決定するのは水星逆行が開けて数日経ったくらいからがいいんじゃないかな、とかつて勤めていた書店の様子を思い出しつつ申し上げる)。

……とまあこんな具合に、定期的に逆行するが故にトランジットとしては意識する機会の多い水星だけれど、個人の出生図上の水星はどうだろうか。出生図を読むときにはまず太陽と月が大きく扱われがちで、もちろんこのライツコンビはめちゃくちゃ重要ではある。しかし近年の状況、つまり情報が増え、PCとスマホとインターネットがもはやインフラと化し、現実を形作っているアレコレがものすごい勢いで『情報』に化けていくこの社会では、もう少し水星の扱いを重くしてもいいんじゃないかなー、と思う次第だ。

というわけで今回の記事では、水星についてちょっと深めに書いてみようと思う。この風の時代という名の情報氾濫の中を生きていかねばならない人、そして『自分の作品を人に届けたい』創作の人に、多少なりともお役に立てれば良いなと思っている。

それから例によって、当記事はあくまで個人的見解のひとつに過ぎない。なので「そういう考え方もあるんだな」くらいに受け取っていただければ幸いだ。


現代の水星は忙しい

占星術の水星に関する基本的な部分は、ざっくりこちらでまとめた通りだ。情報と旅と交通が一体のものであった時代は随分長く、担当の神様であるメルクリウス様の分野もだいたいそのへん……という感じなのだが、近年、この三つのうち『情報』がとんでもない勢いで加速している。

地球の全域に通信網が張り巡らされ、物理的な距離が全く問題にならない形での情報のやりとりがここまでの量になったのは、ここ数十年くらいの話だ。人類史上、結構な異常事態である。にも関わらず、ホモサピエンスという名の動物の身体は、さほど変わっていないらしい。よって、今の情報氾濫にあまりにも『どっぷり』になりすぎるといろいろ無理が出るのは、もうある程度までは仕方ない……と思う他ないだろう。

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