夏のせいなのか開けたピアスの穴が膿んだ。

高校生の時に開けたピアス、今になって膿むことなんてあるのかぁ。なんて思ってたら年下の元彼が結婚したらしい。偶然にも彼と同じとこに開けたピアス。

左耳に1つ。右耳に3つ。女の人は奇数がいいという迷信を信じて、最後は左耳の軟骨に開けようと決めていた。バチバチ穴を開ける私を「痛くないの？」って心配してた彼に「もっと私が可愛く見えるでしょ？」って冗談を言ったら「なくても十分可愛いよ」って真面目に言われて年下のこういう素直で盲目なところがいいなあ、と思ったのを憶えている。

年上の女を可愛いって思う年下の男の子の気持ちは今でもわからない。どう考えても若い女のほうがいいに決まってるじゃん。でもまああの時はおかげで自己肯定感爆上がりでしたけど。大感謝。

晴れて軟骨のピアスを開けた。痛かった。骨の砕ける音がした。耳たぶなんかよりずっと痛かった。寝返りできない。ずっとジンジンしている。腫れた左耳の軟骨を写真に撮って連絡すると「痛そう」とだけ言われた(曖昧だけど反応は薄かった)。

それから少し経って彼と会った時、左耳の軟骨にピアスが開いていて「え！？どうしたの！？」って本気でびっくりしてたら「もっと俺がかっこよく見えるでしょ？」って言われて笑った。ビビりなくせに。痛いの嫌だって言ってたくせに。男がピアスなんてダサいとか言ってたくせに。ちょっとだけ嬉しかった。同じとこに開けたピアス、お前のだけやけに光って見えるなぁ。

友達ずてに聞いた結婚の報告。頼んでもないのに送られてきた写真の左耳の軟骨にはピアスはなかった。膿んだのいいことに、私も塞いじゃおうかなって思ったけど、私はあなたのために開けたわけじゃないし、軟骨のピアスって可愛いし、あの時の痛みをなかったことにしたくないし、もっと私が可愛く見えるし。と思って消毒したら今少し落ち着いている。よかった。

結婚おめでとう。お幸せに。

それでは皆様、良い夢を。