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タイ旅行記②【寺と充電とタビビトノキ】

眠タイ🇹🇭……

朝方、眠りの中で激しいスコール音を聴く。
今日は朝からお寺に行って、そこで体験できるタイ版ヨガに参加してみようと思ってたけど、この雨じゃ無理だな。
日本ですっかり夜型の生活になってしまっている私は、ただでさえ朝が苦手なので、スコールを言い訳に惰眠を貪る。

起きてみるとこんどはお腹がシクシクする。これは…昨夜のトムヤムクンの辛さに私のお腹が負けたんだな、と思い当たる。でも美味しかったから食べたことはまったく後悔してないし、むしろまた食べたいと思ってる。
今日がファンミーティングの日じゃなくて良かったと思いながら、出かけられるようになったのはお昼ごろ。

レートの良い「サイアムエクスチェンジ」で両替し、ファンミーティングの会場も近い隣駅Siam(サイアム)のショッピングモール「サイアムパラゴン」内にあるレストランへ。
もともと食べることにあんまり執着がなく、ふだんも食事をいい加減に済ませがちで、一人で旅行に行くとそれがもっと顕著になってしまうので、今回の旅ではちゃんと食べようと食事処はいくつかチェックしてあった。
向かうのはパッタイ(米粉の麺)が美味しいというタイ料理屋さん。
サイアムにはどデカいショッピングモールがいくつも建っていて、だいたいみんな「サイアム〇〇」という名前がついているので、建物を間違えないようにしないと中で永久に迷うことになる。

このショッピングモールが立ち並ぶ道にもまた小さなお寺があって、タイ人の信仰心の篤さがうかがえる。

サイアムパラゴンの6Fに行くとレストランエリアがあり、ぐるっと回ってみたものの、あるはずのお目当てのレストランが見つからない。奥に行くほど日本料理やちょっと高級と思われるお店になるし、そういう感じのお店じゃないはずなんだよな…と思って2周。……ない。
閉店しちゃってないよね?Googleマップで見るとちょっと違うところ指してるけど、サイアムパラゴンて建物一つだよね?
よく分かんなくなってきて横にも縦にも建物内を行ったり来たり。

昨日行ったMBKセンターもそうだったしサイアムパラゴンもそうなんだけど、エスカレーターが階ごとに途切れて、反対側に回ったり別の場所に行かないと続きがなかったりするので一気に上ったり下ったりできなくて、建物も大きいし地味に疲れる。そういえば日本でもデパートやモールは苦手なんだった(エスカレーターが続いていたとしても)ということを思い出す…

ダメだ、見つからない。もうパッタイはあきらめてお寺に行こう。
ここで別のものを食べようという気力はすでになく。なんせ朝のお腹ダメージでも体力を消耗していたし、そうこうするうちに行こうと思ってるお寺が閉まる時間になっちゃうし。お腹が弱い日は気も弱くなる…

バンコクと言えばまずはこの寺院へ!という三つのお寺さんがあって、サイアム駅からBTSとMRT(地下鉄)で25分ほどのSanam Chai(サナームチャイ)駅が最寄り。
駅から一番近い「Wat Pho(ワット・ポー)」、その少し先の「Wat Phra Kaew(ワット・プラケオ)」、渡し船でチャオプラヤー川の対岸に渡ったところにある「Wat Arun(ワット・アルン)」。
「Wat」は「お寺」の意味で、寺院名の前につきます。

時間的に対岸のワット・アルンはあきらめ、ワット・ポーより先に閉まるワット・プラケオへ。
向かう道の反対側には宮殿や国防省などが建ち並んでいる。ワット・プラケオに隣接して王宮もあり(というか、王宮内にワット・プラケオがあるのかな)、この辺りの大きな建物はみんな荘厳な雰囲気。

ワット・プラケオに向かう途中にあったサランロッム宮殿

🛕ワット・プラケオは、1782年にラーマ1世が護国寺として建てた寺院だそうで、仏塔には仏舎利(ブッダの遺骨)が納められているとのこと。

敷地内のチケット売り場までは無料で入れるエリアで、ここでも記念撮影している人がたくさんいる。
中に入るつもりだけど私も撮っておこうかな、と思ってiPhoneを取り出すと充電がけっこう少なくなってて、モバイルバッテリーを繋ごうと思ったらケーブルを持っていないことに気づく。
…宿に置いてきたわ…これから撮影スポット回るってのにマジか…え、一回宿戻る?いやお寺閉まるよな…今日を逃したらもう今回ここに来られるタイミングはないし…テンションだだ下がりでちょっと呆然としながらも、とりあえずチケット売り場へ。

チケットは500バーツ🎫とちょっと高め(外国人料金)だけど、隣りの王宮エリアにも入れて、隣駅のシアターで伝統の仮面劇を観られる券などもついてくるので、うまく利用するとお得かもしれない。

有料エリアに入るとすぐに立派な本堂が現れる。とても煌びやかに装飾された外壁が取り囲む本堂内には、ヒスイで造られたエメラルド仏が安置されていて、ワット・プラケオはエメラルド寺院とも呼ばれているそう。

ワット・プラケオ本堂

本堂には靴を脱いで入る。堂内ではみんな床に座って仏像を拝んだり内装を鑑賞したりしていて、空いているスペースで好きなだけ座っていることができる。
仏様に足の裏を向けてはいけないのと、本堂内は撮影禁止、ノースリーブの服やショートパンツもダメなのでそこは注意が必要。
おそらくタイの方が前方で熱心に拝んでいて、旅行者にとっては観光地だけどタイ人にとっては日常の中で信仰するお寺の一つなのかなと思う。

本堂向かいに仏舎利が納められた仏塔、経堂、王室専用の御堂が並び、いずれも豪華で美しい。

仏舎利が納められた仏塔
王室専用の御堂
台座を支える守護神たち 「ヤック」とか「モック」とか名前があるらしい

御堂の階段を登ったところで、「写真撮ってもらえませんか」と声をかけられる。「あのあたりをバックに〜〜」と英語で話しかけられるのを聞きながら預かったスマホの画面を見ると、メニューが日本語。
「ひょっとして日本の方ですか?」と言うと「え、あなたも?」となって、いろいろお話することに。

「あそこに見える8つの仏塔が有名みたいで、8つ全部入れるのは難しいかもしれないけどだいたい入っていたらいいので」という彼女の写真のアングル説明でここの見どころを知り(ちゃんと予習して来なかった💦)、私も同じアングルで撮ってもらう。
言われてみればブルー(エメラルドグリーン?)を基調とした仏塔が空に向かっていくつも伸びていてとても美しく、気持ちもスッと空に向かう気がする。

彼女のカメラが広角設定で私のカメラでは入らないところまで写り、「わぁ広角すごいいいですね!」と言ったらその後の写真を彼女のカメラで撮って送ってくれた!なんていい人!

「予習して来なかったからどの建物が何か分かってなくて」と話すと、「私もガイドブックダウンロードしてそれ見ながら」とワット・プラケオの説明も共有してくれる。
話の流れで充電のケーブルを忘れた話もすると、「何時までここにいます?私まだいるので良かったら充電器使います?あとでまた出入口あたりで待ち合わせします?」というミラクル!✨決して、出会ったばかりの人に充電器を借りる気なんてなくて、話の流れでぽろっと言ったことだったのに、このご親切!😭✨私はこの人に足の裏を向けられない…
出入口で落ち合う時間を決め、念のため連絡先も交換していったんお別れ。iPhoneが充電されていくのと同時に、私の中にもエネルギーが満ちてくる心持ちで寺院内を巡る。

回廊の壁画、鐘楼など見どころはたくさん。敷地も広く、約束の時間に出口に出られる気がしなくなってくる。

連絡すると、”ずっと本堂にいたので出口にまだ向かってなくてすみません!”とのお返事。私も本堂の近くにいたのでどのあたりにいるか聞くと、”この植物の近くです”と、本堂と謎の植物が写り込んだ写真が送られてくる。
植物?植物って目印になる?
見回すと、私の視界に入る本堂には植物がないからきっと反対側だ。向かおうとすると私がどこにいるか聞かれ、こちらに来てくれて再会することができた。

謎の植物が気になり連れて行ってもらうと、本堂周囲で目立つ植物はそこだけで、たしかにこれは目印になるなと笑ってしまった。
「ふつう植物を目印にしないですよね」と彼女も笑って、よくよく話を聞くと植物の研究のお仕事をしているとのこと。それは目が行くよなぁ🪴

そしてその植物が「タビビトノキ(旅人の木)」という名前だと教えてもらう。旅行中に出会う植物が旅人の木だなんてステキすぎる!
あとで調べたら、葉のあたりに溜まる雨水で旅人が喉を潤したからとか、葉が東西に広がって方角を判断できるから、とかのいわれがあるみたい。

タビビトノキ(旅人の木)と記念撮影

その後、二人ともワット・プラケオ内の観光をもっとしたいということで、私の行きたいと思った王室専用図書館(貴重な経典が納められているそう、内部は非公開)につきあってもらったり、隣りの王宮にも行ったりして、出口まで行動をともにすることに。

「日本の鳥とはなんか鳴き方が違いますよね」「あ、プルメリア」…というふうに、彼女のおかげで建造物だけでなく生きものにも目を向けながら回ることができ、仕事や旅の話もしてとても楽しい時間を過ごさせてもらって大大感謝でした✨

植物研究の話などもっと聞きたかったけど、出口で充電器を返してお別れ。
彼女は「この近くに良さそうなオイルマッサージがあったら行こうかな」とその場でチャチャッと検索。タイ古式マッサージは痛いけどオイルマッサージは気持ちよくてオススメですよ、現地の人に聞いた話だと1時間200バーツが妥当な金額らしいです、と教えてくれた。

話しながらも行くお店が決まったらしく、こんどはバイクタクシーを予約。
Grabというアプリで目的地を入力すると、現在地の近くにいるバイクタクシーやタクシーを呼ぶことができるのだ。金額も目的地を入れた時点で確定するのでドライバーと交渉しなくていいし、クレジットカードを登録しておいてカード払いできるのでラクチン。
私もこのアプリのダウンロードだけは日本でしてあったけど、具体的な使い方を知らなかったので教えてもらう。
「バイクタクシーちょっと危ないかもしれないけど、移動の時短になっていいですよ。あ、バイクタクシーがあっち側に来るみたいなので行きますね。良い旅を!」そうして彼女は颯爽と通りの向こう側へ。
私は歩くのも好きだし移動のプロセスも楽しく感じるので、その分移動に時間がかかってやれることが少なくなってしまうことが多い。
行動力のある人はこうやって次々といろんな場所へ行っていろんなことをするんだなぁ、と感心して見送る。

さて、私はというと、駅までの道を少し戻りワット・ポーへ🛕
バンコク最古の寺院で涅槃寺とも言い、大きな寝ている釈迦像があるお寺です。
朝行こうとしていた、タイ式ヨガ体験ができるのもこのお寺。

こちらも堂内へ入るときは靴を脱ぎ、肌の露出は×。
涅槃仏は全長46m、高さ15mの金ピカの仏様。
堂内に入るとまず頭部が見え、慈悲深い穏やかなお顔を拝むことができます。

お体に沿って歩いていくとお御足に到着。
長さ5m、幅1.5mの足の裏には、バラモン教の宇宙観が108の絵で表された螺鈿細工が施されているのだそう。足の裏が平べったいのは悟りを開いた者のしるしとのこと。

足の裏を回り込むと、こんどはお背中側から頭の方へ向かって歩けます。
その廊下には108つの鉢が並べられ、20バーツで購入した硬貨(煩悩をあらわす)を鉢の中に入れていくことができる。硬貨の数も108枚で1鉢につき1枚入れていけばちょうどなはずが、最後何枚も余ったんだけど…私の煩悩は108以上あるのか…

仏様はどの場所、どの角度から見ても美しく、心が洗われるようでした。

このお堂の近くに飲み物を売ってる自販機があり、出てくる様子が面白いので動画を撮ろうとしたらお金が戻ってきてしまって買えない…何度か試していると係のお姉さんが出てきて、自販機を開けて中からスマホを取り出している。え?自販機の中にスマホを落としちゃったの?そんなことあるんだ?と思いながら直るのを待っていると「どれ買おうとしてました?お水?」と聞かれ、お金と引き換えにお水を手渡してくれる。自販機が動くの見たかったんだけどなぁと思いながら、ご親切を受け取る。水飲みながら撮影チャンスをチラチラ窺ったけれど、そのあと買いに来た人たちも手渡されていた😂

ここに着いたのは夕方だったのでそろそろお寺が閉まる時間。お坊さんらしき人や係の人たちは足早にどこかへ消えていく。観光している人もまばら。出口に向かえなどの声はかからないので、いつまでいていいのかわからない。
もしかしたら誰にも気づかれずに夜の間もここにいるってことが起こり得るのでは?という雰囲気。
敷地内にある歴代国王のお墓である仏塔が、夕暮れに静かに佇んでいる。

頃合いかなというところでお寺を出て、もう間に合わないけど対岸のワット・アルンも外観だけ見ようとチャオプラヤー川へ向かう。寺院名の「アルン」というのは夜明けの意味で「暁の寺」とも呼ばれ、三島由紀夫の小説『暁の寺』に描かれていることでも有名だそう。
充電できたおかげで見られるGoogleマップで、川ギリギリまで行けそうな道を見つけて歩いていくと…

あれだ!ライトアップされた寺院🛕✨が川向こうに見えた。
夕闇に鮮やかに浮かびあがるシルエット。息を呑むほどの美しさ。
川面に揺れる暁色の灯りを、時折通る船が散らしていく。

向こう岸へ行ってお寺の中に入る時間はなかったけれど、この時間に見ることができて本当によかった。

明日はいよいよファンミーティング。サイアム駅へ戻って会場の場所を確認しておかなくては。
サイアム駅は2路線乗り入れていて、外から見るとホームが2階にまたがっているのがよくわかる。

BTS(高架鉄道)
BTS車内の優先席にはお坊さんの絵も
賑わうサイアム駅

昨日からなんとなく思うのは、新しいものも古いものもあってお寺もたくさんあり外国人が多いバンコクは、なんだか京都とちょっとイメージが重なる。

ファンミ会場は「サイアムスクエアワン」というショッピングモール内にあるホールのようなんだけど、これがまた見つからないんだな😢だからショッピングモールは苦手。エスカレーターも続きがどこにあるかわかんないし。
なんだかんだ道に迷った末、なんとかホールの場所を突き止め、駅からの行き方も確認し(めちゃめちゃ簡単に行けた)、これで明日の心配はなし。

あとは晩ご飯を食べて宿に帰ろう。パッタイのお店もう一度探してみるかと思いたってサイアムパラゴンの6Fレストランエリアに行くと、なんとあっさりお店が見つかる!昼の私の目は節穴だった…
ところがお客が一人もいなくてもう店じまいっぽい雰囲気。入りづらくて、昨日行ったMBKセンターのフードコートへ行ってみるも、こちらも終わり間際な感じ。

今日はショッピングモール迷子で疲れたのでもういいやとなり、宿近くのセブンイレブンでカップ麺やおにぎりを買って済ませることにする。タイのコンビニも行ってみたかったしね。

宿の近くのセブンイレブン ローカルな屋台も立ち並ぶ

(タイ旅行記③へつづく)

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