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タイ旅行記⑧【🌳🎃🐕🪴🍗👻🌵🎩🌧️🌴】

お寺で山に登り、滝でも山に登り、水をかき分け(足で)、文字通り汗と水でドロドロの全身やら、汗で額に貼りついたあと乾いたパサパサの前髪とか、この状態でベトナム料理レストランに行くのもどうかと思ったけれど、サラブリーに来た第1目的のこのお店に行かないという選択はない。
それに、この姿は今日の充実度を物語ってもいるのだ。

Firstさんのお父さん、こんなボサボサの外国人旅行者が突然フラッと訪れてすみません…
と思いながら、席へ案内してくれるお父さんについて行く。

きっとなんでここに来たのか不思議に思っているだろうなと思い、持って来た帽子をバッグから取り出す。
昨日のファンミの特典でもらった帽子、ファンミのタイトル「FIRST STAGE」のロゴが入っている。お寺や滝、アユタヤで使うかもしれないと持って来ていた。

「あの私、昨日のファンミに行って…」とお父さんに話しかけながら帽子を見せる🎩
お父さんは途端に合点が行った顔になり、「あぁ昨日の!」と輝かせた目をこちらに向けた。

さぁこちらへどうぞと案内された席に座る。
ランチタイムとディナータイムの間の時間帯なので、私の他にお客さんは1組。
案内してくれた席は、1人にはかなり余裕のある広い席だ。

メニューを持って来てくれて、QRコードから注文することを教えてくれる。
メニューはタイ語だけどQRコードを読み取った先には一品ずつの写真が表示されるので、それを見ながら注文することができる。
ただ、メニューの数が豊富で写真もたくさん出てきたので、オススメを聞いて注文することにした。

QRコードから注文。
コードを読み込むと料理の写真が一品ずつ見られるので、タイ語が読めなくても👍

3品ススメてくれてじゃあその3つって注文したら全部お肉になってしまった。すごい肉好きと思われたかも(好きだけど😋)。
飲みものはラズベリーソーダ。バンコクに戻るまでまだ何があるか分からないので、念のためお酒じゃなくてジュースにしておく。

案内されたのは屋内の席で、入口からここまでの間に屋外席もある。
屋外席は屋根のあるところと、完全にオープンなところとあり、中より外の方が席数が多そうだ。敷地も広く開放感がある。
高さのある木が何本も植えられ、さらに大ぶりな観葉植物もいくつも置かれていて、さながら森の中。森林で食事するような気分が味わえそうだ。
屋内席からも窓越しにそちらを眺めることができ、森の中の小屋にでもいるような気になる。

ミネラルウォーターのボトルが運ばれて来た。
氷の入った銀色の器にストローが刺さっているものも来て、ボトルの水を入れて飲むためのもののようだ。この銀色の器が可愛くて、グラスじゃないのがお洒落✨

お水の器がかわいい🤍✨

お父さんの他に高校生くらいの若いスタッフがいて、ラズベリーソーダを持って来てくれる。

席からは見えないけどたぶん奥に厨房があって、別の人(Firstさんのお母さんとか?)が調理しているのか、お父さんは私のところへ戻って来て話しかけてくれる。

「サラブリーに1人で来たの?タイにも1人で?」
私が初めてのタイ旅行で言葉もできないのに1人でここまで来たということに、しきりに驚いているよう。
よくここまで来たね、と言うので「たくさんの人が助けてくれて、ここまで来られました」と答えながら、今日1日のことを思い出す。
本当にたくさんの人のお世話になってここまで来たんだなと実感する。

タイはそういうところだよと言うお父さんのまなざしの温かさに、今日出逢った人たちの温かさも思い出されてちょっとウルッとしそうになる🥹

サラブリーで他にどこに行って来たか聞かれ、ワット・プラプッタチャーイとサームラン滝ナショナルパークに行ったことを話していると、

”ザーーーッッッ”

突然の激しい雨音。思わず屋外を振り返る。もの凄い勢いで雨が地面を叩き、いっぺんに店外の景色が白くなった。さっき乗せてもらった車のお父さんが「降るなぁ」と言ったとおりだ。

タイは今月まで雨季、昨日までの3日間も毎日スコールがあったが、昼間に降ったのは滞在中初めてだ。やっぱり雨を避けることはできなかったか…帰りには止むといいけど。
雨の様子を見に行ったのかお父さんはいなくなり、私は屋外席の方へ行って写真を撮らせてもらっていると、いつの間にか戻って来てまた話しかけてくれる。

名前を聞かれて、「名前はIchiで、あだ名はIchilyです」と答えた。Firstさんに2回だけメッセージカードを書いたことがあり、”Ichily”とサインしていたので…どこかで繋がるかもしれないから一応言っておこうという邪な気持ち……

「名前よりあだ名の方が長いの?!」とお父さんは目を丸くしている。
タイの人は名前が長いため、短くて呼びやすいあだ名を別に持っていて(本名とは別に親が付ける)、あだ名の方で呼び合うそう。
だから呼びやすく短いはずのあだ名の方が長いというのは変な感じがするんだろう。やっぱり名前の方だけ言えばよかったかな。

そして”chi”の発音がタイ語では”シ”に近い音になるので、
「イシ?」
「イ"チ"です」
「イシリー?」
「イ"チ"リーです」というやり取りを何回もしたら、発音もあだ名が長いのも「難しいね」と困った様子だった。

「わたしの名前は”U”だよ。アルファベット1文字で”U”ね」とお父さんもお名前を教えてくれる。
私の知っている数少ないタイ人のあだ名で1文字というのはなかったので、今度は私の方が目を丸くして「U?え、Uですか?」何度も聞き返してしまう。

雨が降り出したからか、路地に出ていた犬が店内にやって来て腰を落ち着けている。
「彼の名前はマーロウ」Uさんが紹介してくれる。「お店のレセプショニストだよ」
淡く透き通った色の目が美しく、人懐こい看板犬だ。
お手をしてオヤツをあげるところを見せてもらった。
お店には鯉などの鑑賞魚もいる。自然溢れるお店なのだ。

レセプショニストのマーロウ🐕 & おやつをあげるUさん
ドッグフードよりも魚のエサの方が好きなんだそうで、ご褒美のオヤツに魚のエサをもらっていた

Uさんはとてもお話上手で、「あなたは英語もタイ語も上手だけど、わたしは英語が上手くないから…」と言いながらいろいろと質問したりお話ししたりしてくれる。
いやいや、私のタイ語は挨拶くらいだし、英語はUさんの方がずっと上手。褒め上手だなぁ!

「あそこにあるの、昨日のファンミーティングで弾いたギターだよ」
「昨日は日本人がけっこう来ていたみたいだけど、何人くらい来てたの?」
「わたしの息子は日本で知られている?」
日本でも知られていて人気だし、昨日のファンミーティングにも来ていたように海外のファンもたくさんいることを話す。
「どうして海外でもそんなに知られているんだろう?」
それは海外でもドラマが放送されているし、彼の演技は素晴らしいから。とてもいい俳優さんなんですよと、なぜか他人の私がご本人の親御さんに力説。
きっと親目線と他人目線では見え方が違うだろうし、自分の身内が他所の人からどう見られているのかって分からないものだよね。

「だけどこのお店のことはあまり知っている人はいないんじゃない?」と言うので、「みんな知ってると思いますよ。ただバンコクからちょっと距離があるし、なかなかみんな来られないんだと…」と答えると、
「でもあなたは来てくれた」そう言って、柔らかい微笑みをこちらに向けてくれる。「うちの息子を愛してくれているんだね」
「Yes, I love him.」Uさんの目を真っ直ぐに見て答える。それはそうだ、ここまで来てしまうほどには。

Uさんが息子への私の愛情を心から信頼した嬉しそうな表情をするものだから、ここで「でも…」と続けてしまいそうになる。
でもUさん、私全然いいファンじゃないんです。グッズもあんまり買ってないし、イベントたくさん行ってるわけじゃないし、SNS発信もほとんどしてないし…
昨日のファンミで1人ずつポスターサインしてもらえるとき、私の前の人はFirstさんに「Take care of your health.」と声をかけていた。
私からそういう彼を気遣うような言葉は出てこない。彼のパフォーマンスの素晴らしさが自分をどれだけハッピーにしてくれたかは話したけれど、それは自分主体の感想だ。
Uさん、私はそんな人間なんですー🥺💦と心の中で申し訳なく思う。

「彼の、Firstの何が、人気があるんだろう?」
これは私には難しい質問だった。
答えがたくさんありすぎるし、タイ語はもちろん、私の英語力では上手く説明できる気がしない。何て言えばいいんだろう。
「彼は、……完璧な人間だと、私は思います」
このまとめ方ではダメだ。説明になってない。Uさんは質問したときと表情を変えず、疑問が晴れない顔をしていた。

Uさん、あなたの息子さんは明るくて、前向きで努力家で、労力を惜しまず、ベストを尽くし、何でも楽しもうとして、よく笑って、表情豊かで、ユーモアがあって、みんなを明るい気持ちと笑顔にしてくれます。周りの人への心遣いが細やかで、心根が優しく、ファン想いで、言葉を尽くそうとし、仕事に真面目で、それが全部自然体なところが素晴らしいんです!

というのがその場で言えたらよかった。
”誰とも比べない、競わない。ロールモデルは過去の自分。毎日少しでも良くなるようにする”っていう軸で生きているらしく、だから批判しないし、グチらない。暗いところがないというのが(そういうところを持っていたとしてもオモテに出さないのが)すごいことだと思う。
それでやっぱり、まとめると(私の主観的表現では)「完璧」という表現になってしまう。
ちょっと意味がわかんないくらい美人さんなのも人気の理由だと思うけど、彼の魅力の本質は人柄で、たぶん多くのファンが彼の中身を愛しているんじゃないかと思う。

Khun U, your son is cheerful, positive, hardworking, puts in a lot of effort, tries his best, tries to enjoy everything, smiles a lot, is expressive, has a good sense of humor, and makes everyone feel cheerful and smile.
He is meticulous in his concern for those around him, kind-hearted, fan-friendly, eager to do his word, serious about his work, and the great thing about it all is that it is all so natural!

どうかUさんに伝われー!!
そしてFirstさん、あなたのお父さんはこんなにもあなたのことを気にかけていますよ!これも伝われー!!

Khun First, your father cares about you so much!

(…と英語にしてみたものの、ほとんど自動翻訳だし、noteの投稿がご本人たちに伝わるとは思えないけど、どうにかこうにか伝われー!という気持ち)

それにしても、こんなにいろいろFirstさんのお父さんとお話しすることになるとは思わなかった。楽しい時間を過ごさせてもらっているうち、料理も出来上がって運ばれて来る。

牛肉の串焼きや、葉で包まれた鶏肉を卓上網焼きコンロで軽く焼いて食べるもの、サトウキビを芯にした”つくね”のようなもの。肉、肉、肉🍖✨
野菜も頼めばよかったかなと思ったけれど、春雨サラダのような箸休めが付いて来た。
どれも日本のベトナム料理レストランやベトナムで注文したことのないメニューで、初めて食べる味だ。お肉に味は付いているが、一緒に提供されるタレに付けると味のニュアンスが変わってバリエーションが楽しめる。
ラズベリーソーダも美味しいけど、これはビールが飲みたくなる味!

牛肉の串焼き そのままでも、タレにつけて食べても👍
いろんなお肉をいただく🍗✨
卓上網焼きコンロの字が日本語!?

ところで、お肉を焼くための卓上網焼きコンロ、側面に書かれた文字がベトナム語でもタイ語でもなく、日本語っていうのが面白い。日本ならこういうのたくさん売ってるもんね。
私の席の対面にちょうど大画面のTVモニターがあり、UさんがFirstさんの出演したMVなどを流してくれたので、映像や楽曲を楽しみながら食事する。

タイの食事はスプーンを右手、フォークを左手に持ち、料理をフォークでスプーンにのせて、スプーンを口に運ぶという食べ方のようだけれど、これが上手くできなくてほとんどフォークだけで食べてしまう。

そういえばベトナム料理なんだから、生春巻きとかフォーとか頼んでもよかったな。と思いながら肉を頬張っていると、Uさんが「ベトナムの麺はいかが?食べる?もう十分?」と聞いてきた。
フォーかな?食べたい!けど…お肉まぁまぁ量あるしなー…と考えていると、Uさんが「いいよいいよ、食べて考えて」と言ってくれる。

そのうちいなくなって、食事を楽しむ時間をくれたのかなと思っていると、
「次の電車は夜9時だって」と言いながら戻って来た。
さっき予定を聞かれて、このあとバンコクに戻ること、アユタヤからの電車のチケットを買ってあるので変更しなければならないことを伝えていた。
どうやら電車の時間を問い合わせて確認してくれたようだ。

今は夕方5時過ぎ。
「えっ!4時間後!?」買ってあったチケットはたぶんその電車なのだが、1本前に7時台の電車があったように思ったのだけど…あれか、満席で売り切れたパターンか…
9時の電車で帰るのはいいけど、ここを出たあと3時間くらいを過ごす場所がない…どうしようかな…

考えこんでいるとUさんはまたどこかへ消えた。
しばらくして戻って来ると、今度は「バスが6時半にあるって」と言う。
バスにも聞いてくれたの?!
「バスでバンコクまで1時間くらいだよ」
「あ、来るときバスで来ました。ミニバスで1時間半でした」
「そうそう、それ、ミニバス。6時半に出るのがあるから、それに乗ったら?6時にバイクタクシーを呼んであげるから。電車のチケットはキャンセルすることになるけど」
いろいろ問い合わせてくれて、私がバンコクへ帰れるようサポートしてくれる心遣いがとってもありがたい。

けれど、6時に出るとなるともうゆっくり食べている時間もないし、その次のバスがあれば…
時間があまりないことを気にする私に、
「バンコクは夜遅くなると危ないから、そのバスで帰った方がいいよ。大丈夫、まだ30分はあるから食べて」と優しく言ってくれる。

Uさんのご親切とここで過ごした時間の楽しさとで胸がいっぱいになってきて、残りの時間が少ないっていうのになんだか食べ進めることができなくなってしまう。
「まだお店の写真も撮りたいし、時間がなくて全部食べきれそうにないけど美味しくて残りも食べたいから、テイクアウトさせてもらえますか?」尋ねると快くOKしてくれた上に、「今もう包む?まだ食べる?もう少し後で包む?」と細やかに気遣ってくれる。

少し食べた後に席を立ち、店内の写真を撮る。
見回すとあちこちハロウィンの飾り付けが工夫されていて楽しい🎃🎃

昨日のファンミ関係のものも飾られている。
ファンミのテーマカラーがオレンジ色だったから、
ハロウィンの装飾とも相性バッチリで馴染んでいる🎃
屋外の木々の間にはオバケ👻も 等身大で迫力あるわりに顔つきは愛嬌があって憎めない💀

雨は勢いを弱めながらも降り続いている。
バイクタクシーに乗るとき、包んでもらう料理が濡れないようにしないと。
帰りに雨なのはちょっと憂鬱だけど、この緑溢れるお店には雨も合っている🌴🌧️
木々は潤ってますます色を濃くし、瑞々しい生命力がお店を満たす。
けぶった空気が非日常感を演出している。

熱帯雨林を模しているんだとUさんが話す、熱帯雨林が好きだからと。
だからこの場所には雨が合うのか。
「私も好きです」と言うと、「知ってるよ。なんで知ってると思う?」😏
「だってあなたはサームラン滝国立公園に行って来たんだもんね、熱帯雨林が好きだってわかるよ!」
とまた会話で楽しませてくれる。Uさんのコミュ力が温かくて話しやすくて、本当に居心地がいい。

昨日のファンミの特典でもらった🎩をかぶって、シェフUさんと

そうこうしているうち、バイクタクシーのお迎えが来る時間が近づいて来る。
料理も包んでもらえた。簡易的なパックではなく、とても丈夫そうな、使い捨てと思えない容器に入れて渡してくれる。
もう行く時間が来てしまったかと慌てて荷物を持とうとする私にUさんは、「まだ5分あるからお話ししよう」と言って最後までもてなしてくれる。

そしてオレンジ色の、ビニール製の布が折り畳まれたものを差し出して「お土産だよ。日本へ持って帰って」と言うので何かと思ったら、レインコート🧥✨
バイクタクシーに乗るとき濡れてしまうから着て行ってって!😭✨
「このレインコートはFirstのお母さんのものだよ」って!😭😭✨
ぬぉー!ボルテージMAX!いいんすか?もらっていいんすか?
しかもFirstさんのフェイバリットカラーのオレンジやないですか!?わたくしオレンジ色わりと似合うと自負しておりまして、このレインコート着こなしてみせますよっ👍→着てUさんと撮影🤳

けどちょっと待った!もしお母さんが厨房にいらっしゃるとして、帰りとか雨降ってたら困るんじゃない?これからも使うつもりのものじゃない?
ちょっと心配になって「ほんとにいただいて大丈夫ですか?」と聞くと、Uさんもちょっと心配になったようでお母さんにTEL🤣
「…忙しいみたいで出ないな…」ってことで結局いただいてしまった。
お母さん大丈夫だったかな…お父さん怒られなかったかな……あの、大事にします!持って帰って家宝にしますので!

マーロウ🐕も寄って来てくれてお別れの挨拶。とっても可愛かった♡

熱帯雨林でレセプショニストのマーロウ🐕と

さぁ、いよいよ時間切れ🕕
お店の入口でバイクタクシーが待っていてくれる。
「バスターミナルに着いたら、まずチケット売り場に寄って、それから乗り場に連れて行くようにドライバーに言ってあるからね」😭!

バイクの後部座席にまたがり、荷物(とりわけ、包んでもらった料理)が濡れないように前にしっかり抱えて持つ。
Uさんは雨の中、外まで見送りに来てくれる。
「次にタイに来るときはまたおいでね」
「はい!また来ます!ありがとうございました!!」
そして次回は麺をいただきます♪🍜

手を合わせ🙏おじぎをして手を振る。
手を振り続けたかったけれど、危ないので前を向いてドライバーさんの肩につかまると、すぐにバイクは走り出した。

レインコートが風にたなびく。細かい雨がフードで弾けてパチパチと音を立てる。宝物のレインコートだ。

(タイ旅行記⑨へつづく)
毎度長い文章をここまで読んでいただいてほんとありがとうございます!!
次回は最終回🇹🇭👋

サラブリーのベトナム料理レストラン🇻🇳🍽️、Facebookで営業状況などマメにアップされています。興味を持たれた方は見てみてください!
→https://www.facebook.com/RRRchefU


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