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ドレス選びで思い出す嬉しさとか楽しさ

ここ数日、友達の結婚式に行くための“お呼ばれドレス”なるものをネットで探している。ドレスに限った話ではないけれど、服選びで毎回困るのが、低身長ゆえのサイズ感だ。背の低いわたしは、市販のロングスカートやワンピースは丈が長すぎてことごとく着られない。

現在進行中のドレス選びでも「このデザインかわいいな〜」と思ってサイズ表を確認して、「Sサイズで総丈120cmか……」と悩み諦めることを繰り返している。丈が短めのドレスを見つけて、一度「カートに入れる」をタップしたこともあったけれど、鮮やかな青色が似合うかどうか自信を持てず、カートから削除してしまった。

こういうときに、パーソナルカラー診断をちゃんと受けておくべきだなとも思うし、逆にそんな診断を知ってしまったがゆえに安易に服を決めにくくなったなあとも思ってしまう。

真剣にドレス選びに悩んで、当日にヘアセットしてもらう美容院も検索したりして、思いのほか、自分が結婚式をたのしみにしていることに気づいた。式そのものへの思いだけじゃなくて、結婚式の非日常的な空間や、華やかなドレスやヘアセットをたのしみにしている自分がいた。親族以外の結婚式に慣れてないとはいえ、そういう意味で参列に浮かれてる自分を少し恥じる。

そしてドレスやらヘアセットやら、自分を華やかに彩ることを「たのしみ」と思えるのは、とても久しぶりな気がした。自分にもそういう感情があったんだな、と思い出した。


わたしは長らくメイクやらファッションやらにあまり興味を持てない人生を送ってきた。

多少の興味を持つようになっても、自分に似合うもの以前に自分の好みすらわからず、そこそこ納得のいくものを身にまとえるまで随分と時間がかかった。だから、これまで美容やファッションをコンプレックスみたく感じることも多かったように思う。

周りの女性が共通言語のように使うメイク用語やファッション用語、流行しているコスメの名前がわからないとき。服やコスメのお店で友達がはしゃいでいるなか、自分ひとりテンションが上がってないことに気づいたとき。

その頃は「サイズが合う服を探すのは大変だし面倒だからこんな感じでいいや」とか「自分なんかがメイクしてもなあ」と諦めと惰性が入り混じった思い込みで、服もメイクも投げやりだった。

そういうわけで、結婚式当日のドレスやヘアセットやメイクを「たのしみ」と思えるのは、小さくも大きい変化なのだった。この世界には、自分を着飾ることを「たのしみ」と何の気なしに思える人もいれば、それが全然簡単なことじゃなくて、むしろ困ったり面倒だったりする人もいる。わたしは後者だ。

着飾ることをたのしめるようになるべき、とまでは思わない。でも過去や今の自分を思うと、服やメイクをたのしんで選べた方が、自分のことを好きになれる気がしている。自分のぜんぶを好きになるのは難しいとしても「かわいい服を着ている自分は好き」とか「このメイクをしている自分はよく思える」とかあれば、1ミリでも好きな自分を増やせる。

着飾ることのうれしさやワクワク感、自分を好きになれる感覚を、この歳までかかってようやく見つけられるようになってきた最近。できるだけ、そういう気持ちを大事にしたいなと思うなど。


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