見出し画像

花蜜幸伸『僕は夢のような街をみんなで創ると決め、世界初の出前サイト「出前館」を起業した。』

・本書は、「出前館」を創業した花蜜幸伸氏のノンフィクション起業物語。 
・著者の花蜜幸伸氏(以下、花蜜氏)は、1969年7月13日に和歌山県海南市の田舎町で生まれた。高校卒業後、慶應大学、早稲田大学のどちらかの進学を目指し、大阪で浪人生活を送るも、あることがきっかけで家族と勘当状態となり、仕送りを打ち切られる。進学を諦め、運送屋、飲み屋のボーイ、プログラマーなどあらゆるバイトを掛け持ちするフリーター生活を始めるが、ホストのバイトでの苦い体験をきっかけに、「大学を出ていなくてもいい人生にしたい」という思いで起業を決意。21歳で友人と共に、バイク便の会社(有限会社アンビシャス)を立ち上げた。
・さまざまなトラブルに見舞われながらも、事業は成功し、従業員は100人を超える規模にまで成長した。ところが、花蜜氏が30歳(1999年)のときにインターネットが普及しはじめる。書類やフィルムなどはメールに添付して送れるようになったため、バイク便が衰退する未来が予想され、花蜜氏は危機感を抱いた。
・インターネットに目をつけた花蜜氏は、とある映画のワンシーンから、 “インターネットで出前をとる”という新しいビジネスの構想を得る。1999年に、現在の株式会社出前館の前身である夢の街創造委員会を起業した。ちなみに、Uber Eatsは2014年創業なので、出前館はそれより15年も前に創業していたことになる。出前館は、世界で初めてインターネットで注文できるフードデリバリーサービスを始めた会社だった。※本書ではUber Eatsが日本に参入した時のことについても触れています。
・これまでにないサービスとして飲食店を口説き始めるも、出前は電話で注文するのが当たり前だった時代、「なんでわざわざインターネットで頼む必要があるのか」と突っぱねられることが多かった。花蜜氏は、出前館は早すぎるサービスであったことを痛感する。しかし、インターネットの持つ可能性を信じ、諦めずに試行錯誤を繰り返した。
・やがて、飲食店を口説くことに少しずつ成功し始め、数年を経て出前館の加盟店は全国規模に広がっていった。※成功に導いた営業トークについては、ゴールデンサークル理論(物事の本質を説明するためのフレーム)を用いていますが、その口説きの詳細を知りたい方は本書をご覧ください。 
・花蜜氏は、2017年に金融商品取引法違反容疑で有罪判決を受けている。本書では、そのきっかけになった「出前館株価暴落事件」が起きた経緯や、当時の心境についても赤裸々に書かれている。
・現在は多額の借金を背負いながら、事件が起きる前に創設した、犬猫の殺処分ゼロを目指す「ペットの里」を運営しており、新しい事業にも取り組んでいる。
・本書は、以下の構成となっている。
「一章 諦めない起業家人生のはじまり」→花蜜氏の生い立ち
「二章 世界初のデリバリーサイト出前館誕生」→出前館の創業秘話
「三章 競合他社の続出と会長退任」→Uber Eatsの参入と出前館を退任した理由
「四章 やり残した夢」→出前館を離れた後から「ペットの里」の創設まで
「五章 出前館株価暴落事件はこうして起きた」→事件が起きた経緯
「六章 無罪主張の裁判」→なぜ花蜜氏が有罪になったのかについて
「七章 それでも僕は諦めない」→存続の危機にさらされたペットの里をどうやって運営していたかについて
「八章 新しい夢を創造する」→現在取り組んでいる新しい事業計画について

#瞬読アウトプット  #1分書評 #総合法令出版 #出前館

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?