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大澤心咲「ひとりマーケター 成果を出す仕事術」

・本書は、現在所属する会社のデジタルマーケティング事業部にてひとりでマーケティングチームを立ち上げ経験をした著者が、実際の経験などを通じてひとりマーケターの価値について紹介した1冊。

・ある調査によると、BtoB企業では「ひとりマーケター」「ぼっちマーケター」「マーケターがひとりもいない」企業は約30%を占めているという。
・著者の会社も、諸々の事情で大きな外部環境の変化があり、ピンチが訪れ、専任でマーケターを置こう、という話になり、著者がひとりでマーケターになった。しかし、コンサルタントの経験はあったものの、事業会社のマーケターとしては、未経験であった。
※諸々の事情については、本書をご覧ください。

・ひとりマーケターになっなら、最初に考えてほしいことは、
①1年間の数値目標
②マーケティングチームを拡大するのか
という2つである。
・著者はこの2つを最初に考え、上司と合意をとっていたので、成果を出す度に人手を増やしてもらうことができた。逆にこの2つを合意していなければ、いくら成果が出ても予算は増えず、ひとりマーケターのまま高い目標だけを追いかけ続けることになってしまう。

・現代は企業が生み出す商品・サービスが溢れた時代であり、商品・サービスが需要に対して少なかった時代に比べて、知ってもらうこと、買ってもらうことへのハードルが上がっている時代とも言える。
・自社の商品が勝手に売れていくわけではない以上、企業が商品を売れるようにするための工夫は必須であり、1社1社が、自社にあったマーケティング活動をしていくことが重要となる。
・著者の会社では、ひとりマーケターとして著者を選任して以降、しばらくは体制を拡大せず、限られた予算・人員の中で一定の成果を出すことを求めた。一般的に、人員が多く予算も多い方が、成果を出しやすいと思われがちだが、デメリットもあると著者は考えている。
・人員が多いことで、手数を広げられるが、多人数により、意見の衝突が生みやすく、迅速な意思決定を阻害したり、中途半端な意思決定を促進したりしがちになるなどのデメリットがある。
・逆に人員が少ないと、意思決定を迅速に行うことができ、「これくらいの金額ならやらせてみよう」と他部署も寛容になりやすいというメリットがあるため、中長期的な視点で活動を見守ってもらうことができる。
・「小さく産んで、大きく育てる」というアプローチで成果に伴い人員や投資を拡大することで、社内の誰にとっても納得感が高く、かつ効率の良いお金の使い方ができるのではないかと著者は考えている。

・本書では、「著者がひとりマーケターになった理由」などが書かれた序章から始まり、「ひとりマーケターのはじまり」「働く環境を変えるのも仕事の1つ」「ひとりマーケターは孤独を感じて当たり前!」など合計9章で構成されており、「ひとりマーケターでも、BtoBでマーケティングが重要な理由」「すぐに成果を出すための基礎知識」「顧客ヒアリングの進め方」「ノウハウも、費用も必要ないプロモーション(啓蒙活動)のやり方(メルマガなど)」など、ひとりマーケターを行うのに大切なアレコレが紹介された内容となっている。

巻末では、「ひとりマーケターの価値」について書かれており、「失敗しても成功しても一人目のポジションは美味しい」と著者は語っている。なぜなら、組織の立ち上げをやったことがある人は少ないし、やり切れる人は多分もっと少ないからだ。

著者はマーケティング未経験でありながらも、さまざまな経験を通して、成果を出すことができ、本を出すまでに至った。

マーケティングに苦労している方は、ぜひ手に取っていただけたら幸いです。

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