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桜井篤「まちの魅力を引き出す編集力」

・本書は、国内各地域の地域資源を活用した観光振興を「小さく作って、まずは成功体験をひとつ築く。そして、周囲を徐々に巻き込んでいき、最終ゴールに向かう」というプロセスに沿って実践するとともに、講演および直接指導にて観光推進を担う魅力発掘プロデューサーを育成している著者が、地域の“面白さ”を発掘して、観光商品化&プロデュースする方法を実例を交えて紹介した1冊。

・コロナ禍の前は、娯楽の王道として一度受け入れられると、観光の情報は細分化され、詳しく紹介されるなど、日本にとって、観光業は成長産業の代表であった。
・しかし、2020年の新型コロナウイルスにより、大手旅行会社の受注額は、対前年比で軒並み7〜9割の大幅減となり、観光施設のうちに、客が例年の半分以下になったところは、6割を超えるなど、壊滅的な打撃を受けた。
・実はコロナ直前の2019年までは、日本のすべての余暇市場の中で最も伸びていたのが、「観光・行楽」であったが、先に述べたコロナの影響で壊滅状態に陥った。
・これは、車がアクセルを少しずつ踏んできてトップスピードに向かって最終の踏込をした瞬間に、突然エンストとなってしまったと言える。
・つまり、本来は成長産業であった「観光・行楽」は一時的にストップしているだけに過ぎないのだ。「観光は死んでいない」という認識を我々は持ったほうがいい。そして、「ここまで「成長」してきた理由をしっかり分析して、自らの地域の強みを再確認しておいたほうがいい」と著者は語っている。
※「観光」において、著者が考えるやるべきこととは、大切なことは何かについても語っているが、詳細は本書をお読みください。

・本書では、「情報収集」「素材を見つけてさらに掘り下げる」「ターゲットイメージの想起」「受け入れ態勢の構築」「ブラッシュアップ」「試行」「集客プロモーション」「持続発展させるための戦略」という章で構成されており、事例(ケース)として、
◇年間200日以上動物園に通っているレッサーパンダマニアが案内で楽しむモノレールツアー
◇世界的に実力が認められているスタントマンによるショートアクション映画の体験型ツアー(ロケ場所に「公園・お茶処」を利用)
◇忍者市(伊賀市)の「忍者丼」
◇千葉県千葉市の海辺のレストランにて、サルサダンスレッスンを受けて、南欧料理を楽しむというプラン
などが取り上げられている。

「地元には何にもない・・・」と思ったとき、本書が地元の魅力を発見するきっかけとなる1冊になるかもしれません。

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