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金澤美冬「おじさんの定年前の準備、定年後のスタート 今こそプロティアン・ライフキャリア実践!」

・本書は、「おじさん専門のライフキャリアコンサルタント」として活動している著者による定年後を自律的に送るための”生き方””働き方”論が紹介された1冊。

・世界中が新型コロナウイルスの感染拡大に翻弄されている現代は、組織からもらう情報だけでは断ち行かなくなってまうのではないかと著者は危惧している。特に、これから数年後定年を迎える肩にとっては、組織以外からも情報や刺激を受ける場所を確保しておかないと、定年退職後、何も情報が入ってこなくなってしまうこともあり得る。本質的な”自分”の資質をアップさせるとは、これまでの経験だけでなく、常に新しいものを受け入れて学び、実践することなのではないかと著者は考えている。特に目まぐるしく変わるであろう、向こう10年を意識して考えれば、今のうちから実践する・しないで、同世代の方や似かよったキャリアを持つ方同士であっても、後の人生に大きな差を生み出すのではないかと著者は想像している。

・今一度、「守るべきものは何か」を考えてほしい。定年後の仕事では「我慢する」ものは選ばない方が良い。定年間近の方に、「退職後、どんなことをされたいか」と尋ねると、「のんびり遊んで暮らしたい」という声をよく聞く。言い換えると、サラリーマン生活の中で、「今まで我慢して仕事をしてきたのだから、もうのんびりしたい」ということだと思う。「やりたくないことをやるからお金がもらえるんだ」「苦労こそ仕事」みたいな「我慢の美学」はもうやめて、「楽しい仕事」を見つけること。

・本書では「プロティアン・キャリア」を紹介している。これは、「環境の変化に応じ、自分軸を持って自分自身を変化させていく」という柔軟でしなやかなキャリア形成のことを指す考え方で、人生そのものを豊かにさせることを目指す上でとても役立つものである。定年後は、誰も目標や課題を与えてくれない。目標や課題のみならず目的も自分自身で設定しなければならない。自分自身を高め、定年後もずっと生きがいを得ていくためには、「自分軸」で考え、学び、行動していくしかない。

・「自分とは何か」を改めて知るために、人生の棚卸しをしてみることを推奨している。生涯働くことを考えると、やらなくて良いことはやらないようにして、なるべく得意なことや好きなことにフォーカスしていくためには、辛くても書いてみること。本書では、20代から60代にかけて、「仕事内容・興味・苦手(弱点)・学習、趣味、家庭、社外・気づいたこと」という項目のライフキャリアシートが掲載されている。

・定年後のライフキャリア形成に向けて、組織外の人間関係構築をしてプロティアンを実践するために、
①発信をすること(SNS・ブログ・身近な人など)
②コミュニティの参加(異業種交流会・セミナーではないもの)
が大事。
(どんなふうに情報を発信するか、どのようなコミュニティに参加すればよいかは本書をご覧ください)

・本書では、「10年後もしなやかに対応した生き方ができる自分軸の作り方」「定年前後に効くプロティアンの実践方法と組織がいキャリアを築くための行動」「パラレルキャリアの概要とその作り方」「プロティアン・ライフキャリアを現在進行形で実践されている方々の事例(片付けパパの大村さんなど)」「定年後の働き方のパターン」「ライフキャリアにおける家族との向き合い方」などが紹介されている。

国内初の定年前後のプロティアン実践書です。しなやかにキャリアを築きたい方には必読の1冊です。

※本をプレゼントいただいた金澤さんに心よりお礼申し上げます。

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