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【エッセイ】『本を選ぶ』は間違いかもしれない

今日は、本にまつわると不思議な体験についてお話しする。

私はもともと読書があまり得意ではない。
読むスピードも遅く、世間様の感動ポイントとは違うところで感動していたりして、読解力もないんだ…と悟ってしまった経験が数多くあったことから、読書を避けていたという時期すらあった。

そんな私だが、『本は読者の数だけ読み方があっていい』というありがたい言葉に出会ったことで、読解力云々を気にせず読んでも良いのかな…?と思えたことが読書再開のきっかけに。

そして同時期にオーディオブックにも出会ったことで手軽且つ、ながらで本を読めるようになったことも読書ペースのアップに貢献。
この歳になって学生時代よりもはるかに多くの本を読む現状が出来上がった。

読む本のジャンルは多種多様。
小説もあるが、ビジネス本、ハウツー本、自己啓発本、趣味の本、デザインの本なども。
ただ、学生時代に教科として苦手だった分野にはあまり手が出せていない…。


そんな近頃の私の読書方法は二通りある。

オーディオブックでは、家事などの隙間時間に、聴き放題のタイトルから気になったものを選ぶか、おすすめの本から十数冊一気に選んで手当たり次第にダウンロード。そして積読のようにストックしておく。
図書館での本の選び方は、(子供ゾーンを除く)館内全ての本棚の間をぐるぐると歩き回り、気になったタイトルや装丁の本を借りるという完全なる『その日の気分』スタイル。
もちろん「これを読みたい」と、タイトルが分かっているものを探したり、予約して取り寄せてもらうこともあるのだが、必ず一冊は『その日の気分』で選ぶようにしている。

※本屋さんではなく図書館の本を読んでいる理由は、
・近くに本屋さんがないが、図書館はあるから
・図書館はネット上で検索や予約、取り寄せができ、尚且つ借りた本の履歴も作成されいつでも見ることができるから
・図書館の司書さんの手作り感あふれるオススメコーナーが楽しみであるから
などが挙げられる。

そのようにして、オーディオブックでダウンロードした音声や図書館で借りてきた本を、同時並行で(一冊を読み切る前に、二冊目を読み始める形で)複数冊、読み進めていくのが私の読書スタイルだ。

このように違う媒体で発見し、読み始めたそれらの本は、
発見した日も、発見してから読み始めた日も、本の分類も、作者もテーマも何もかも違うのに……

まるで示し合わせたかのように全く同じ言葉が並ぶことがあるのだ!
怖くないだろうか…?私はこれに気付いた時、背筋に冷たいものを感じる…。

どんな状態・状況で選んだものであれ、
どれだけ昔・直前に選んでいたものであれ、
その時々の自分に必要なものが自分のもとに来るようになっているのだ!これは天からの思し召しに違いない!と思わずにはいられなくなる。

同じ日ではないにしろ、同じ人物が選んでいるのがために、同じようなテーマを選んでいると言われればそれまでかもしれない。
しかし世の中にこれだけたくさんの本があり、たくさんの作者・著者がいて、語る対象・語り口もたくさんあるのに、同じ言葉が出てくる確率はどれだけだろうか。

私はそのことを考えると、どんな媒体を経由するにしろ、『本を選ぶ』という表現はひょっとしたら間違っているのかもしれないと思えてきた。

自分の意識していない部分で
『(その)本を欲して』いる。
または
自分でも認識していないレベルの本質的な悩みや解決したいことを誰かに見抜かれていて、その誰かに『(その)本を選ぶように誘導』されていて『(その)本を選ばされている』のかもしれない。

読書は人生の悩みを解決したり、人生を豊かにしてくれるものだとは思っていたが、こんなに強く本からのメッセージを感じたことは、今まで一度もなかった。
同時並行で読むことには、一冊ずつ読むこととはまた違う本の力が発揮されるようだ。

あなたには一体どんな本が巡ってきて、どんな言葉が贈られるのだろうか?
そういう読書の楽しみ方も面白いかもしれない。

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