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中国、戦略支援部隊の廃止と組織変更 日本、台湾のメディアを利用して失敗を糊塗?

まだあまり情報が出ていませんが、どうも戦略支援部隊(SSF)がうまくいかなかったために組織を変えることにしたという見方も多いようです。私は軍事には素人なので、あくまで主としてデジタル影響工作をいろいろ調べていて感じた個人的な感想であり、備忘録の思いつきメモとしてご覧ください。

もちろん、日本や台湾では認知戦、心理戦に本格的に対応した新部隊の設立ということで危機感を持った報道が多くなることが予想される。言い方は悪いが、ウクライナとガザさらには中東情勢悪化から、台湾への国際的な注目を集めておかなければ今後の支援に支障が出る可能性が高い。だから台湾有事の当事国である日本と台湾には中国の発表を深刻に受け止め、脅威を訴えなければ事情もありそう。
余談ですが、それにしてもペロシの訪台後に「年内にも台湾有事」と煽ったのはやりすぎだと思う。

戦略支援部隊(SSF)はもともといろいろなものを集めてきており、統合的な運用を期待されていたものの、それが難しいことが8年間の活動でわかってきた。そこでいったん集めたもののまたバラしなおした、という可能性がけっこうありそう。
戦略支援部隊(SSF)の司令官朱雁生は新組織にはいないし、そもそもどこにいったのか? 中国メディアの扱いは情報支援部隊を「全く新しい戦略部隊」みたいに持ち上げているものの、詳細は不明。演説も司令官ではなく、政治委員だった。
発表とは裏腹に実際にはあまり期待されておらず、SSFを単純に廃止することで軍部の士気が落ちるのを防ぐための組織変更だったという説もある。対外的には「失敗でした」と言うよりも、「より戦略的な全く新しい新組織」と言った方が聞こえがいいし、派手なこと言えば日本と台湾のメディアが同調して拡散してくれることは確かだから、台湾と日本の警戒主義を煽るにはちょうどいい
……と思ったんだけど、いかんせん情報がまだ限られているので、本気にはしないでください。

なお、SSFと並んでサイバー攻撃やデジタル影響工作対策で悪名高いMSSは今回名前がでていない。

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