独裁者ノート 選挙は独裁者最強の武器

すでに何度か書いたようにほとんどの国で行われている選挙はきわめて不公平かつ非科学的である。その結果、論理的に選挙が民意を正しく反映しないことが多くなっており、民主主義を衰退させる原動力になっている。

選挙が民主主義を殺す──世界3大民主主義国で起きていることは日本でも起きている
https://www.newsweekjapan.jp/ichida/2021/01/3.php

日本も例外ではないし、先日民主主義サミットを開催したアメリカも同様だ。言葉を換えれば選挙が行われれば、それだけでよしという風潮なのだろう。現在、世界でもっとも多い政治形態が、選挙独裁制であることが如実にほとんどの選挙が独裁の下支えになっていることを示している。

世界でもっとも多い統治形態は民主主義の理念を掲げる独裁国家だった
https://www.newsweekjapan.jp/ichida/2021/03/post-22.php

選挙がなぜダメであるかについては、上記記事および下記をご覧いただきたい。現在のほとんどの選挙方法が投票者の意思を反映しないものになっているのは100年近く前に科学的に証明されている。

民主主義のゼロデイ脆弱性
https://note.com/ichi_twnovel/n/nf71c13da5efe

ほとんどの選挙制度が破綻していることについてはこちらの新書がわかりやすい。

多数決を疑う――社会的選択理論とは何か (岩波新書)

自分に都合よいように選挙制度を設計し、さらに恣意的に運用すれば常に「選挙で選ばれた国の代表」でいることができる。そして民主主義国であることは他の国からの経済制裁や批判を免れやすくなる。たとえばインドやブラジルはお世辞にも民主主義的価値観を尊重しているようには見えないが、民主主義国のキープレイヤーとして扱われている。

独裁者はインドやブラジルあるいは日本の選挙制度と、ロシアや中国における運用方法を参考にして恣意的かつ効果的かつ「民主主義」のふりができる選挙を行うべきだ。


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